小さなふるい機関車
ちいさなふるいきかんしゃ
英語版題名 | The Little Old Engine |
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日本版旧題名 | 小さなふるい機関車 |
日本版新題名 | 小さなふるい機関車 |
イギリス版初発行 | 1959年 |
日本版初発行 | 1974年10月 |
原作者 | ウィルバート・オードリー |
挿絵担当 | ジョン・ケニー |
小さなふるい機関車は汽車のえほんの第14巻である。
本巻は、修理に出されたスカーロイが帰ってくる前後のスカーロイ鉄道に起きた出来事を収めた絵本である。
本巻には、ラスティー・ダンカン・タリスリン・コーラ・エイダ・ジェーン・メイベル・ガートルード・ミリセント・ヒューさんが初登場した。
以降の項目はネタバレが含まれています。ネタバレが問題ない方のみご閲覧ください。
ピーター・サムとラスティー
題名 | |
英語版題名 | Trucks! |
日本版旧題名 | あっ、貨車が! |
日本版新題名 | ピーター・サムとラスティー |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | ピーター・サム サー・ハンデル |
サブキャラ | ゴードン ラスティー ほっそり重役 貨車 |
モブキャラ | 客車 ピーター・サムの機関士・助手 |
スカーロイの修理中、ピーター・サムとサー・ハンデルはつらい仕事が増えて大変でした。そこで鉄道の持ち主は、ディーゼル機関車のラスティーを入れることにしました。
そんなある日、仕事の多さに文句を言っていたサー・ハンデルにゴードンは仮病を提案し、翌日サー・ハンデルは仮病を実行します。ピーター・サムとラスティーは、サー・ハンデルの貨車の仕事もすることになりました。ピーター・サムが貨車をインクラインまで運び、スレートを積んだ貨車をインクラインの下で待つ事になります。一方、インクラインの上のスレートを積んだ貨車は、悪いことをしなければ貨車をぶつけないピーター・サムを悪いことをしなくても貨車をぶつけるサー・ハンデルと見間違い、ピーター・サムに突撃しました。ピーター・サムの機関士や助手は無事でしたが、ピーター・サム自身は煙突にヒビが入り、ボイラーは凹んでしまいました。ラスティーに助けられたピーター・サムはヨロヨロと帰っていきました。
一方サー・ハンデルの仮病はほっそり重役にバレ、説教を受けた上ピーター・サムの仕事もやる罰を与えられました。サー・ハンデルは、ゴードンに文句を言おうと思いました。
かえってきたスカーロイ
題名 | |
英語版題名 | Home at Last |
日本版旧題名 | かえってきたスカーローイ |
日本版新題名 | かえってきたスカーロイ |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | スカーロイ ピーター・サム ダンカン |
サブキャラ | サー・ハンデル ラスティー ほっそり重役 コーラ エイダ ジェーン メイベル ガートルード ミリセント スカーロイの機関士・助手 ダンカンの機関士・助手 |
モブキャラ | 貨車 馬車 お客 作業員 |
仕事をしたかったピーター・サムは、事故の影響でほっそり重役から休養を取らされていました。そんな時、修理に出されていたスカーロイが帰ってきました。スカーロイはいなかった間の出来事を聞き、ピーター・サムは変化があった出来事を話し始めました。
新しい客車が5台加わり、コーラはピーター・サムが働いていた前の鉄道で引いていた車掌車という事、エイダ・ジェーン・メイベルはサー・ハンデルに貨車と言われる無蓋客車という事、ガートルード・ミリセントはサー・ハンデルのお気に入りのボギー客車である事、ミリセントには小さな車掌室が付いている事、ラスティーは、保線や雑用をするいい機関車である事、ダンカンは、ピーター・サムの事故の影響でやって来た予備の機関車で性格は良いが行儀が悪い事を話しました。
話をしていると、ダンカンがトンネルに引っかかったと連絡が入り、スカーロイが助けに行きました。ダンカンは、トンネルがウサギの穴でトンネルでは無いと文句を言って、機関士に怒られていました。スカーロイは、ダンカン達を引いて帰りました。
帰ると、ほっそり重役はダンカンに次に問題を起こしたら、煙突と機関室の屋根を切ると言い、ダンカンはその日は珍しく大人しくしていました。
ダンカンのロックンロール
題名 | |
英語版題名 | Rock 'n' Roll |
日本版旧題名 | ダンカンのロックンロール |
日本版新題名 | ダンカンのロックンロール |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | スカーロイ ラスティー ダンカン |
サブキャラ | ジェームス ヒューさん ダンカンの機関士 |
モブキャラ | 貨車 アグネス ルース ルーシー ジェマイマ ビアトリス |
スカーロイは線路が良くなったことに驚いて、保線したラスティーに喜びを伝えました。
その晩、ラスティーは最初の駅のちょっと手前の線路がまだ悪く、ロックンロールをするダンカンが脱線するのではないかと心配します。すると、その話をダンカンが聞いており、ラスティーが線路を注意するように言うとダンカンは罵倒で返事をし、ラスティーは傷つきました。
翌朝、ダンカンは駅にいたジェームスにラスティーの事を話すと大口を言われ、有頂天になりました。そして、ダンカンは有頂天になりすぎて危険な箇所で脱線してしまいます。
その話を聞いたラスティーは自業自得だと思い、助けに向かおうとしませんでしたが、スカーロイがお客の事を言われると、ハッとして救助に向かいました。ダンカンは無事に線路に戻りました。
小さなふるいふたごの機関車
題名 | |
英語版題名 | Little Old Twins |
日本版旧題名 | ちびのとしよりふたご |
日本版新題名 | 小さなふるいふたごの機関車 |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | スカーロイ サー・ハンデル ピーター・サム |
サブキャラ | ラスティー ダンカン タリスリン ハンデル・ロイド・ブラウン卿2世 ピーター・サムの機関士 ほっそり重役 |
モブキャラ | テレビ局の人 アナウンサー ヒューさん 作業員 アグネス ルース ルーシー ジェマイマ ビアトリス エイダ ジェーン メイベル ガートルード |
ある日、鉄道の持ち主は何人かの人を連れて駅・橋・客車を調べていました。それを見たピーター・サムとサー・ハンデルは以前いた鉄道が売られたのと同じく、鉄道が売られてしまうと考えました。そのため機関車達は落ち込んでいましたが、実はスカーロイ鉄道をテレビ放送するための下調べだと判明し、機関車達は喜びました。しかし、サー・ハンデルだけは別で、テレビで見せ物になるのは下品だと考えていました。
翌日、ほっそり重役がテレビに全員出演することを伝えるとサー・ハンデルは調子が悪いと言い出し、その結果、分解修理している所をテレビ撮影されることになってしまいました。他の機関車も役割が決まり、スカーロイはアグネス達を引き、ダンカンは貨物列車を引き、ラスティーはヒューさん達と保線作業を見せ、ピーター・サムはカメラを乗せた特別列車を引く事になりました。
遂に放送が始まるとピーター・サムはサー・ハンデル・ダンカン・ラスティーを撮影しつつ、丘の上の駅にいるスカーロイの所に向かいました。鉄道の持ち主はスカーロイは95歳になっても新品同様で他にはないと言って、皆は拍手喝さいをしました。続いてスカーロイは、自分が修理中に瓜二つのタリスリンに出会ったことを話しました。そして、タリスリンに会ったら「お互いいつまでも元気で走りましょう」と伝えてほしいと言ったのでした。
きかんしゃトーマス版
きかんしゃトーマス第4シリーズの『サー・ハンデルのけびょう』『なつかしのわがや』『ロックンロール』の3話で3話分映像化された。
なお、「小さなふるいふたごの機関車」は2020年1月現在、映像化されていない。
サー・ハンデルのけびょう
『ピーター・サムとラスティー』の映像作品。
基本的に原作をベースにしているが、以下の変更が加えられている。
- 冒頭と終盤のシーンにラスティーとハロルドが会話するシーンが追加された(原作では、そのようなシーンはない上、ハロルド自体登場しない)。
- ピーター・サムが引く貨車が喋る下りが無くなった。
- 原作では、ピーター・サムがインクラインの下で待っている時、スレートを積んだ貨車を前に繋いで待っていたが、こちらではその貨車が無くなった。
- 水路が壊れた原因が、原作では飛び散ったスレートの破片であったが、こちらでは、下って来たスレートの貨車の一部と思われるものが壊している。
- ピーター・サムの機関士・助手が無事で良かったとピーター・サムが思う下りがカットされた。
- ピーター・サムの被害が、原作では煙突にヒビが入る・釜が凹むだったのが、煙突が根元から曲がる・釜が凹むに変更された。
- きかんしゃトーマスにほっそり重役が登場しないため、別キャラクターで代用している。
なつかしのわがや
『かえってきたスカーロイ』の映像作品。
基本的に原作をベースにしているが、以下の変更が加えられている。
- スカーロイが帰ってきて、ラスティーと話すシーンが追加された(原作では、言及されたのみである)。
- 原作ではピーター・サムの休養がもう1日と言及されたが、こちらではもう少しとなった。
- スカーロイが留守中の話として、新しい客車達について語られるが、こちらでは語られなかった。
- 原作では、ダンカンが前は工場で働いていて言葉遣いが悪いと語られる下りが無くなった。
- ダンカンの救助列車が、原作では先頭から順に、後ろ向きのスカーロイ・貨車1台・コーラだったが、前向きのスカーロイ・貨車3台・車掌車に変更された。
- 原作では、ダンカンが引いていた客車はトンネルの外にいたが、こちらではトンネルの中に変更された。
- 帰りの旅客列車は、原作では先頭から順に前向きのスカーロイ・後ろ向きのダンカン・客車2両・車掌車だったが、こちらでは、前向きのダンカン・客車2両・車掌車・前向きのスカーロイに変更された。
- 以上の旅客列車の編成変更の影響で、原作ではスカーロイがダンカン達を引いて帰るものが、スカーロイがダンカン達を後押しする形に変更された。
- ダンカンが同じ問題を起こした場合、原作では、煙突と機関室の屋根をちょん切ると言われるが、こちらでは煙突を縮めると言われた。
- 説教を受けたダンカンが原作では一晩中おとなしくしていたと書かれているが、こちらでは、今晩くらいはおとなしくしているだろうと言う推測のみになった。
- きかんしゃトーマスにほっそり重役・コーラが登場しないため、別キャラクターで代用している。
ロックンロール
『ダンカンのロックンロール』の映像作品。
基本的に原作をベースにしているが、以下の変更が加えられている。
- 冒頭でスカーロイとラスティーが会話するシーンは、原作では対向列車として会話していたが、こちらでは同じ方向を走る列車に変更された。
- どこの鉄道か分からないくらい直そうと言ったのが、ヒューさんから支配人に変更された。
- 原作では、夜にラスティー達が機関庫で事故が起きそうな線路を話すシーンがあったが、舞台が日中の駅に変更された。
- ダンカンが脱線を起こした出来事は、原作では線路に関して注意された翌日なのに対し、こちらは言及されておらず恐らく同日と思われる。
- エンジンをかけるように言うヒューさんとそれを断るラスティーのシーンが、こちらでは簡略化され、怒って動こうとしないと変更された。
- きかんしゃトーマスにヒューさんが登場しないため、別キャラクターで代用している。