データ
英語版題名 | Duke the Lost Engine |
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日本版旧題名 | きえた機関車 |
日本版新題名 | きえた機関車 |
イギリス版初発行 | 1970年 |
日本版初発行 | 1981年2月 |
原作者 | ウィルバート・オードリー |
挿絵担当 | ガンバー&ピーター・エドワーズ |
概要
きえた機関車は汽車のえほんの第25巻である。
本巻は、ずっと昔に会ったミッド・ソドー鉄道の思い出とある出来事をキッカケに叶わないと思われた約束が現実となった出来事を収めた絵本である。
本巻には、デュークが初登場し、ゲストとして2号機関車が登場する。
各話の簡単なあらすじと登場キャラクター
以降の項目はネタバレが含まれています。ネタバレが問題ない方のみご閲覧ください。
おじいちゃんポッポ
題名 | |
英語版題名 | Granpuff |
日本版旧題名 | おじいちゃんポッポ |
日本版新題名 | おじいちゃんポッポ |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | デューク ファルコン スチュアート |
サブキャラ | 2号機関車 |
モブキャラ | スカーロイ デュークの機関士・助手 |
ずっと昔、小さな鉄道の小さな機関庫にこの鉄道で一番の古株でソドー公爵の公爵(英語読みはデューク)から名を取ったデュークと若い機関車のファルコン・スチュアートが暮らしていました。デュークはファルコン・スチュアートを気に入っていて、きちんとした機関車にしようとしました。ファルコンとスチュアートもデュークが好きでしたが、二言目に来る「公爵」にはうんざりしていました。そんな時、2台はデュークを揶揄う歌を歌ったので、礼儀知らずな2台にデュークは怒り、アメリカから来た2号機関車が頻繁に脱線を繰り返した上に注意を聞かなかったため、車輪を外されてポンプのエンジンにされて今でも機関庫の後ろにいることを話すと2台は何日か行儀良くしました。
ファルコンとスチュアートは役に立つ機関車になって、3台は何年も働きましたが、鉱山の閉鎖が相次いで鉄道も閉鎖されることになりました。機関車は売りに出されましたが、デュークは売れず、ファルコンとスチュアートは再開を誓いましたが、誰もその誓いが叶うとは思っていませんでした。デュークは機関庫でソドー公爵に忘れられた事を不思議に思いつつ、長い眠りにつきました。
何年か経ち機関庫は山崩れによる土砂で埋まってしまって、デュークが機関庫に取り残されていることを覚えている人はいなくなってしまいました。
さて、ソドー公爵やファルコン・スチュアートはどうなったのでしょうか?
ソドー公爵はこの前の戦争で戦死し、跡継ぎの公爵は当時は子供だったためデュークを知りませんでした(ちなみにスカーロイ鉄道の開業100周年祭に来たソドー公爵は当時子供だった跡継ぎの公爵の方である)。
ファルコン・スチュアートはほっそり重役の鉄道にやって来て、ファルコンはサー・ハンデル、スチュアートはピーター・サムに改名し、塗装も変更されました。2台は1度もデュークを忘れたことは無く、顔を合わせればデュークの事を話していました。そのため、デュークがスカーロイ鉄道の開業100周年祭にやって来ると知って大喜びしましたが、やって来たデュークはソドー公爵だったので2台はガッカリしました。
デュークとファルコン
題名 | |
英語版題名 | Bulldog |
日本版旧題名 | デュークとフォールコン |
日本版新題名 | デュークとファルコン |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | デューク サー・ハンデル(ファルコン) ピーター・サム |
サブキャラ | スカーロイ ダンカン ミッド・ソドー鉄道の支配人 デュークの機関士・助手 ファルコンの機関士・助手 お客 |
モブキャラ | レニアス 2号機関車 客車 作業員の家の奥さん |
話の舞台は、スカーロイ鉄道の開業100周年祭の後のスカーロイ鉄道に移る。
デュークが来なかった事に不満だったピーター・サムは、本物のデュークは来なかったと何度も言いました。それを聞いたダンカンは本物(ソドー公爵)だったと抗議します。するとサー・ハンデルは、機関車の事だと言いますが、ダンカンはダックがデュークはスクラップされたと言っていたと言い、話が噛み合いません。そんな時スカーロイが2台の知っているデュークの話をして欲しいと言い、2台は話を始めました。
それはファルコンが山道の走り方を教えてもらう事に時の事です。ファルコンは山道の走り方を覚えるために、デュークと一緒に走ることになりますが、デュークをやかまし屋の時代遅れと思っていたファルコンは嫌な顔をしました。
翌朝、デュークは難しい路線だから先頭に立つと言いましたが、ファルコンは断ったため、ファルコンが先頭で出発しました。2台は上りで速度が落ちつつも順調に走っていましたが、カーブしたトンネルを抜けた時に事故が起きました。原因は分かりませんがファルコンが脱線して、片方の車輪が崖の淵に掛かっていました。デュークはファルコンをしっかり掴み、機関士達はデュークの車輪に楔を打ったり、連結器の補強、ファルコンの前につっかえ棒をしました。しかし、今度はデュークの水が切れかかり、近くの作業員の家から水を入れることが出来るものを借りて、井戸水をリレーしてデュークに入れ、事なきを得ました。救援隊がやって来るとファルコンはテコで線路に戻されました。
頂上の駅に着くと、支配人は事故のお詫びと救助作業の協力のお礼をしました。お客は復旧作業とデュークが素晴らしかったと言いました。ファルコンはデュークに生意気を言ったのに助けてくれたのかを聞くと、デュークは塗りたてのペンキが台無しになったら惜しいし、公爵にも申し訳ないからと答えました。
デュークとスチュアート
題名 | |
英語版題名 | You Can't Win! |
日本版旧題名 | デュークとスチュアート |
日本版新題名 | デュークとスチュアート |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | デューク スチュアート |
サブキャラ | ファルコン デュークの機関士・助手 お客 子供 子供のお父さん |
モブキャラ | 客車 貨車 車掌 |
デュークは「ピクニック号」を具合が悪くても休まず担当し、ピクニックに来るお客が好きな所で止まって、お客を降ろしていました。
そんなある日、ピクニック号の帰りにデュークは具合が悪くなって休んでいると、スチュアートがやって来て、年寄扱いをした上に面倒を見るのは自分たちだと言ったため、デュークは怒って出ていきました。ピクニック帰りのお客を乗せたデュークはすぐ機嫌を直しましたが、上り坂で蒸気漏れが酷くなり、次の駅で止まると連絡を取ってスチュアートとファルコンに応援に来てもらって、3台で出発しました。ファルコンが置いてきた旅客列車がいる駅に着くと、ファルコンはデュークの列車を引いていき、スチュアートとデュークはファルコンの列車を引いていくことになりました。デュークの面倒を見なければと生意気な考えをしたスチュアートにデューク達は揶揄う計画を立てました。計画は列車が最後の上り坂に差し掛かった時に行われ、デュークが力を振り絞って蒸気と煙を上げ、その時の音は大きく人々は何事かと見るほどでした。駅に着くと子供が機関車が2台繋がっている理由を聞いた来て、そのお父さんが故障したスチュアートをデュークが助けたからと言ったため、怒ったスチュアートは蒸気を吹き出しました。するとデュークはまだ君には負けないと言いました。
ねむれる森の機関車
題名 | |
英語版題名 | Sleeping Beauty |
日本版旧題名 | ねむれる森の機関車 |
日本版新題名 | ねむれる森の機関車 |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | デューク ちんまり重役 ほっそり牧師 太っちょ牧師 |
サブキャラ | サー・ハンデル ピーター・サム レックス バート マイク ドナルド ソドー公爵 |
モブキャラ | ヒューさん ほっそり重役 鉄道の持ち主 ダック オリバー スカーロイ レニアス トラック クレーン車 作業員 |
サー・ハンデルとピーター・サムのデュークの話は、機関車達・ヒューさん・ほっそり重役・鉄道の持ち主・ソドー公爵・ちんまり重役 ほっそり牧師・太っちょ牧師の順に伝わりました。
ある日、ちんまり重役 ほっそり牧師・太っちょ牧師はデュークを探すために調査を始めました。デュークが所属した鉄道の跡地の一部にはちんまり鉄道が敷かれています。3人は地図を開き、古い鉄道のとある駅にデュークが眠っているとにらみました。ほっそり牧師に会ったちんまり鉄道の機関車達はまた本を作るかを聞き、その題材が自分たちではなくてガッカリしましたが、牧師達に協力することを約束しました。3人はバートで出かけ、古い鉄道の駅に歩いていきますが、何の手掛かりも見つかりません。しかし、3人の諦めない探索は意外な形で実を結びました。それは太っちょ牧師が小山をよじ登った時、下に埋もれていたデュークの眠る機関庫の屋根に穴が開き、太っちょ牧師はデュークに跨がっていたのです。最初は警戒したデュークでしたが、ファルコンとスチュアートの事を話すと、2台が自分を覚えていた事を喜び、ソドー公爵が来てくださると知ると汚れていては申し訳ないので磨いてほしいと頼み3人は綺麗にして、ソドー公爵が来た時には見違えるようになっていました。
翌朝、作業員がやって来て太っちょ牧師の開けた穴からデュークを吊り上げると、トラックに乗せました。デュークはで道路で運ばれるのを嫌がりつつも渋々了承しました。しかし、大勢の人達に出迎えられると機嫌が直りました。ノース・ウェスタン鉄道の貨車に乗せ換えられたデュークは、皆の歓声の中、新しい家に向かいました。デュークと再会したサー・ハンデルとピーター・サムは、昔のように揶揄い、デュークも昔のように口うるさく言ってみせますが、日の光を久しぶりに浴びたデュークの表情はとても嬉しそうな笑顔でした。
本巻の映像作品
きかんしゃトーマス版
きかんしゃトーマス第4シリーズの『ガミガミじいさん』『ねむりひめをさがせ』『ブルドッグ』『かちめなし』の4話で4話分映像化された。
ガミガミじいさん
『おじいちゃんポッポ』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 原作ではミッド・ソドー鉄道の回想から始まるが、こちらではトーマスの語りから始まる。
- 2号機関車の代わりにオリジナルキャラクターのスマジャーが登場した。
- 先代のソドー公爵が戦争で亡くなった件とファルコン・スチュアートがスカーロイ鉄道に移籍して今でも忘れていない件がカットされた。
ねむりひめをさがせ
『ねむれる森の機関車』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 原作ではデュークの話が人々に伝わる下りから始まるが、こちらではトーマスの語りから始まる。
- デュークの話が人々に伝わる下りが無くなった。
- 時期が原作ではデュークの話が人々に伝わった後で、こちらではトーマスの語りの何年か前であることが語られている。
- デュークの捜索隊は、原作ではちんまり重役・ほっそり牧師・太っちょ牧師の3人だが、こちらでは5人のモブキャラに変更された。
- 原作ではちんまり重役・ほっそり牧師・太っちょ牧師が集まって地図を見ていたが、こちらでは、トップハム・ハット卿とその付き人1人、捜索隊のモブ5人に変更された。
- 第4シリーズではちんまり鉄道の機関車達が登場しないため、機関車達が絵本について聞く下りと捜索にバートの列車を使っていた下り、デュークを運ぶ貨車がちんまり鉄道には無いため渋々トラックで運ばれることになった下りが無くなった。
- 捜索にバートの列車を使っていた下りが無くなった代わりにスカーロイ鉄道が使用された。
- デュークに掛けられた布が原作では昔と変わらない緑色を保っていたが、こちらでは薄茶色に変色していた。
- ソドー公爵が登場しない影響で、デュークが公爵が来る前に掃除して欲しいと頼み、公爵が来た頃には綺麗になったと語られる下りが無くなった。
- デュークを運び出す際、原作では太っちょ牧師が開けた穴を使って機関庫から出されたが、こちらでは機関庫入り口から出されていた。
- デュークの運搬方法が、原作ではトラック・ドナルドが引く貨車だったが、こちらではトラック・スカーロイ・レニアスが引く貨車に変更された。
- デュークが大勢の人の出迎えで機嫌を直す下りが無くなった。
- 3台が再開した時、原作ではデュークは貨車の上に乗ったままだったが、こちらでは貨車から降ろされ、機関庫に置かれた。
ブルドッグ
『デュークとファルコン』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 原作の冒頭は、スカーロイ鉄道の開業100周年祭にデュークが来なかった事で揉める下りから始まるが、こちらでは塗装を塗り替えたばかりのパーシーが皆に見てもらいたくてウズウズする下りから始まる。
- デュークの昔話をしたのは、原作ではサー・ハンデルとピーター・サムだが、こちらではトーマスになっている。
- 事故が起きた原因が、原作では誰にも分からないと語られるが、こちらでは省略された。
- 事故の状況が、原作では片方の車輪が崖の淵に掛かっていると語られるが、こちらでは崖っぷちからぶら下がっているものに変更された。
- 事故の状況の変化で、事故処理の方法にファルコンの前につっかえ棒をしたが、こちらでは確認できない。
- デュークが大きな音を立てて、助手が機関室に戻る下りが無くなった。
- 水を汲むシーンの助手とお客の発言がカットされた。
- ファルコンの救助方法が、原作ではやって来た救援隊のてこによるものだったが、こちらではデュークがファルコンを線路の上に引っ張り上げた。
かちめなし
『デュークとスチュアート』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 夕方の編成が原作では後ろ向きのデューク・客車3両だったが、こちらでは前向きのデューク・客車4両・車掌車1両に変更された。
- 救援にやって来た2台の向きも、原作ではデュークと同じ後ろ向きだが、こちらではデュークと同じ前向きに変更された。
- 列車の組み換えの際、原作ではファルコンがデュークの列車を、スチュアートがファルコンの列車と最後尾にデュークを引いたが、こちらでははファルコンがデュークのお客を別の客車で使って、スチュアートが次位にデューク・デュークが引いてきた客車を引いていた。
- デュークが給水する下りが無くなった。
- デュークが客車の連結を解除するのが、原作では駅に着いてすぐだが、こちらでは同じタイミングでスチュアートの連結を外すが、客車の連結は解除していない。
- デュークがスチュアートの横に来るタイミングが、原作では給水するときだったが、こちらではスチュアートが蒸気で隠れた後である。