データ
英語版題名 | Oliver the Western Engine |
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日本版旧題名 | 機関車オリバー |
日本版新題名 | 機関車オリバー |
イギリス版初発行 | 1969年 |
日本版初発行 | 1980年12月 |
原作者 | ウィルバート・オードリー |
挿絵担当 | ガンバー&ピーター・エドワーズ |
概要
機関車オリバーは汽車のえほんの第24巻である。
本巻は、再開されることになったノース・ウェスタン鉄道のダックの支線で起きた出来事を収めた絵本である。
本巻にはゲストとして、スクラフィー・フレッド・ペレイ・U.L.P.・バルジーが登場した。
当初のタイトルは『Little Western Engines(直訳:リトル・ウェスタンの機関車達)(日本語版では西武鉄道の小さな機関車と訳されている)』だったが、
当時の出版社だった「Kaye & Ward, Ltd.(ケイ・アンド・ワード社)」と揉めて現在の題名に変更された経緯がある。
また冒頭の前書きに出ている「Dear M.(日本語版では、Mくん)」とはウィルバート・オードリーの奥さんのマーガレットを指している。
各話の簡単なあらすじと登場キャラクター
以降の項目はネタバレが含まれています。ネタバレが問題ない方のみご閲覧ください。
ドナルドのあひる
題名 | |
英語版題名 | Donald's Duck |
日本版旧題名 | ドナルドのあひる |
日本版新題名 | ドナルドのあひる |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | ダック ドナルド あひるの子 |
サブキャラ | ダグラス 太っちょの局長 ダックの機関士・助手 ドナルドの機関士・助手 |
モブキャラ | マイク アリス ミラベル 客車 貨車 駅長 駅員 お客 |
太っちょの局長は以前閉鎖した支線を再開させ、ちんまり鉄道と交流があったダックに支線を任せることにしました。ダックは支線の旅客や砂利輸送の仕事をとても良く働きますが、さすがに1台ではやり切れないのでドナルドとダグラスが交代で手伝っています。そんなダック達のために太っちょの局長は新しい機関庫を作りました。
ある時、ダックが眠そうなドナルドに自慢話をすると、ドナルドはうるさいと文句を言った後、卵を産んで鳴いているアヒルのようだと文句を言い、ダックは怒ってしまいました。
翌朝、ダックは機関士達に、ドナルドに言われたことを相談すると助手がある事を思いつき、その夜に作戦を実行しました。事が動いたはドナルドが給水補給で止まった時でした。タンクからアヒルの子が飛び出したのです。アヒルの子は機関士達にサンドイッチを分けて貰って食べたり炭水車で鳴いたりしたので、それを見た機関車達はドナルドを揶揄いました。近くに池がある駅に止まるとアヒルの子は降りてしまいました。ドナルドの機関士達はダックを仕返しする計画を立て、夜に実行しました。
翌朝、ダックの機関士達がダックの下に卵が入った巣箱を見つけました。機関士達は涙を流しながら笑い転げ、ダックも笑いながらドナルドを負かすには頭がいると言いました。
アヒルの子は駅に住み着き、機関士達から食べ物をねだったり、近くの池に水浴びをしたり、列車を迎えに行ったり、大好きなドナルドに乗って出かけて住み着いた駅に必ず降りたりしました。駅長はアヒルの子をディリーと呼んでいますが、他の人達はドナルドのあひると言います。
オリバーの大しっぱい
題名 | |
英語版題名 | Resource and Sagacity |
日本版旧題名 | オリバーの大しっぱい |
日本版新題名 | オリバーの大しっぱい |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | オリバー 貨車 |
サブキャラ | ヘンリー ゴードン ジェームス ダック ドナルド ダグラス 太っちょの局長 イザベル ダルシー |
モブキャラ | マイク バート |
ダグラスに助けてもらったオリバーは、修理とグレート・ウェスタン鉄道の塗装に塗り替えてもらい、ダックの支線で働くことになりました。
ダックの支線が通る大きな駅でゴードン達に会って冒険談を話すとすごく褒められたため、オリバーは自惚れてしまい、イザベルとダルシーを傷つけるような歌まで歌ってしまう始末でした。ダック・ドナルド・ダグラスは貨車の中でも特に行儀が悪い砂利運搬に使う貨車の事を注意しましたが、自惚れているオリバーは聞き入れませんでした。
そんな時、オリバー1台で貨車の仕事をすることになりましたが、貨車は威張って命令するオリバーに悪戯をすることにしました。最初は言うことを聞いているように見せていた貨車達は、オリバーがブレーキをかけ始めると押し始め、勢いが弱まりつつもオリバーを転車台の穴に落として、砂利を辺り一面にぶちまけました。
ダックに揶揄われた後、ドナルドとダグラスに皮肉を言われ、さらに太っちょの局長に厳しく叱られたオリバーは、自分が馬鹿な機関車だと思ったのでした。
トードの手だすけ
題名 | |
英語版題名 | Toad Stands By |
日本版旧題名 | トードの手だすけ |
日本版新題名 | トードの手だすけ |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | オリバー トード スクラフィー |
サブキャラ | ダック ダグラス アリス ミラベル 太っちょの局長 貨車 フレッド・ペレイ U.L.P. |
モブキャラ |
事故の後、戻って来たオリバーに貨車達はオリバーを馬鹿にする歌を歌いました。歌を聞いた機関車達は歌を止めさせようと小突いたりしましたが、歌が途切れることはありませんでした。
翌朝、ダグラスのブレーキ車のトードは、同じグレート・ウェスタン鉄道の仲間であるオリバーを助けたいと思い、オリバーを手伝うために残りたい事をダグラスに伝えると、ダグラスは了承し、オリバーの所へ連れて行きました。トードはオリバーに自分の考えを伝えると、聞いていたダックに反対されるもののオリバーは自分でケジメをつけるべきだとして賛成しました。トードは気が咎めましたが、オリバーが機関士も同じ考えで駅長に打ち合わせをしたことを話すと、ダックはアドバイスと健闘を祈って出発しました。オリバーは内心は心配でしたが、トードと協力して作戦を実行することにしました。
オリバーはたちの悪い貨車達を2台ずつ引いて並べると貨車の親玉のスクラフィーを真後ろに来るように連結しました。スクラフィーは後ろの貨車達に足を引っ張るように指示しました。オリバーが力一杯に引き始めると後ろの貨車達とオリバーに引っ張られる形になり、スクラフィーはバラバラに壊れてしまいました。やって来た太っちょの局長はスクラフィーを調べると木が腐って鉄も錆びていて使い物にはならなかった事が分かりました。太っちょの局長はスクラフィーを見せしめにするために貨車達にこの事を黙っているようにとオリバーに言いました。
見せしめの効果は絶大で、貨車達は真っ二つにされるのを恐れてオリバーが貨車を引く時にはいつも行儀良くしました。
ぶくぶくバルジー
題名 | |
英語版題名 | Bulgy |
日本版旧題名 | ぶくぶくバルジー |
日本版新題名 | ぶくぶくバルジー |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | ダック バルジー |
サブキャラ | オリバー レックス バート アリス ミラベル お客 ダックの乗務員 |
モブキャラ | あひるの子 ドナルド ダグラス イザベル ダルシー バルジーの仲間 客車 乗務員 駅員 バルジーの車掌 鶏 |
祭日のある日、ダック達が出番を待っていると、今まで見たことが無い赤い2階建てのバスがすぐそばに止まっていました。赤い2階建てのバスはちんまり鉄道のためにお客を乗せたと知る後悔し、ダックが話しかけると赤い2階建てのバスは鉄道を愚弄して行ってしまいました。
ダックはオリバーに赤い2階建てのバスの事を話すと彼がぶくぶくバルジーだと言うことが分かりました。またオリバーに会うとバルジーとバルジーの仲間がダックの支線のお客を横取りしようとしている事を教えてくれました。その日の夕方、ダック達が帰りのお客を待っていましたが、鉄道バスと嘘をついたバルジーにほとんど取られてしまいました。ダック達は仕方なく発車し、バルジーへの仕返しを考えていました。すると陸橋の前で赤いスカーフを振る人が見えたので止まると、陸橋の下でバルジーが引っかかって動けなくなっていたのです。お客はバルジーにカンカンに怒ってしまいました。ダックは大きな駅に行くために危険な陸橋を超えた後、待っていたお客たちを乗せて大きな駅に向かいました。一方、ダック達が通る度に陸橋が揺れるのでバルジーは泣きわめきました。
陸橋の修理中は、ダック達は陸橋で折り返し運転をし、バルジーは放置されました。バルジーは事故の後も反省せずに大嘘をついたのでお客が乗らなくなって、今では線路の側の野原の鶏小屋にされてしまいました。
本巻の映像作品
きかんしゃトーマス版
きかんしゃトーマス第3シリーズの『ドナルドのあひる』『ちょっとちがうよオリバー』『2かいだてバスのバルジー』、第4シリーズの『トードのめいあん』の4話で4話分映像化された。
ドナルドのあひる
『ドナルドのあひる』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- ダックが操車場で働いていることを解説するシーンが追加された。
- 新しい駅を作るシーンが追加された。
- ダックの支線をドナルドとダグラスが手伝う下りと新しい機関庫を作る下りが無くなった・
- アヒルの子は原作では人懐っこく炭水車でガーガー鳴いていたが、こちらでは大人しいと語られた。
- 駅でのアヒルの子の様子を語る下りが簡略化された。
- 原作のマイク・アリス・ミラベルは登場しない。
ちょっとちがうよオリバー
『オリバーの大しっぱい』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
・ダックも加わった。
- イザベル・ダルシーが登場しない影響でオリバーが客車達を傷つける下りが無くなった。
- オリバーが初めて砂利の貨車の仕事を1台でやるという下りが無くなった。
- 事故の際、原作では砂利が一面に零れるが、こちらでは零れなかった。
- ドナルドとダグラスが嫌味を言ったり、トップハム・ハット卿が厳しく叱る下りが無くなった。
- オリバーが修理に出されるシーンと復帰するシーンが追加された。
- 原作に登場するマイク・バート・イザベル・ダルシーが登場しない。
2かいだてバスのバルジー
『ぶくぶくバルジー』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 原作には登場しないバーティーが登場する。
- 第3シリーズではちんまり鉄道は登場しないため、それに関係する下りはカットされた。
- 上記の影響でバルジーがお客を見て怒った理由が、原作ではちんまり鉄道のためにお客を運んだことが理由だったが、こちらでは騒がしいお客を嫌ったためである。
- ダックとバルジーがバーティーについて話すシーンが追加された。
- 原作の挿絵からバルジーの事を語った際、オリバーはダックと反対方面を走っている様子だが、こちらでは同じ方向を走っている。
- 乗務員たちがバルジーを止めようとする下りが無くなった。
- ダックを止めた人は、原作では赤いスカーフを使って止めたが、こちらでは赤い旗で止めた。
- バルジーの事故の影響で陸橋の下の道路で渋滞が起きている下りが無くなった。
- バルジーが陸橋の修理中、そのまま放置された下りと反省しなかったためにお客がいなくなった下りが無くなった。
- 原作の鶏は茶色だったが、こちらでは白色になった。
- 原作に登場するレックス・バート・アリス・ミラベル・イザベル・ダルシーが登場しない。
トードのめいあん
『トードの手だすけ』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 貨車達のオリバーをバカにする歌を怒り注意シーンに原作に登場しないトーマスとパーシーが加わっている。
- 原作では揶揄う歌を注意する際、原作では小突く下りがあったが、こちらでは怒るだけだった。
- トードがダグラスに相談した際、原作ではオリバーの所まで連れて行ってもらったが、こちらではダグラスが出て行った。
- トードが計画を話した場所は、原作では機関庫だったが、こちらでは操車場になった。
- トードは作戦実行時、原作ではオリバーが連れてきた貨車達の列の車止めとなっていたが、こちらでは列の横にいた。
- ダック・アリス・ミラベルが応援する下りが無くなった。
- スクラフィーの破損時の状態が、原作ではかなりバラバラになって処分されたが、こちらでは側面の板と連結器が壊れた程度で組み立て直された。
- 原作ではスクラフィーを貨車の見せしめにするため老朽化の事は黙っていたが、こちらでは口止めはされなかった。