8だいの機関車
はちだいのきかんしゃ
英語版題名 | The Eight Famous Engines |
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日本版旧題名 | 八だいの機関車 |
日本版新題名 | 8だいの機関車 |
イギリス版初発行 | 1957年 |
日本版初発行 | 1974年8月 |
原作者 | ウィルバート・オードリー |
挿絵担当 | ジョン・ケニー |
8だいの機関車は汽車のえほんの第12巻である。
本巻は、有名になったノース・ウェスタン鉄道の機関車達に起きた出来事を収めた絵本である。
本巻には、ゲストキャラとしてパーシーの友達・別の鉄道の機関車・ジンティー・パグ・ジンティーとパッグの同行車が登場する。
また、挿絵担当が本巻からジョン・ケニーが担当することになった。
ウィルバート・オードリーは当初、この巻で最終回にしようと考えていたがファンの要望で継続することになった。
英語版題名は当初「The Fat Controller's Engines」の計画だったが本巻の第4話のタイトルに使用され「The Eight Famous Engines」になった。
しかし、再販時に「Eight Famous Engines」に変更されたが、2015年版の出版時に「The Eight Famous Engines」に戻された。
以降の項目はネタバレが含まれています。ネタバレが問題ない方のみご閲覧ください。
とびこんだパーシー
題名 | |
英語版題名 | Percy Takes the Plunge |
日本版旧題名 | パーシーのとびこみ |
日本版新題名 | とびこんだパーシー |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | パーシー |
サブキャラ | パーシーの友達 ヘンリー トーマス 貨車 パーシーの機関士 太っちょの局長 |
モブキャラ | パーシーの助手 工事責任者 クレーン船 |
ある日、パーシーが機関庫に別の鉄道の機関車達を連れ込んで冠水した線路を走ったことを話しているとヘンリーが来て別の鉄道の機関車達を追い出してしまいます。ヘンリーとパーシーは水の事で軽い口論となり、パーシーはヘンリーが雨を怖がっていた事を揶揄う歌を歌って行ってしまいます。港では、トーマスがDANGER(危険)の看板を見ていて、パーシーにDANGER(危険)は落ちるという事と、それを破って過去に鉱山の穴に落ちた話をしました。しかし、パーシーはくだらない看板と考え、看板の向こうに行こうとしますが、機関士にいつも止められてしまいます。
ある日、パーシーは港に着いたら貨車にに押してもらい、看板の向こうに着いたら止まると言う考えを思いつきます。貨車に押してほしいと頼み、港に着くと予定通り貨車に押されますが、この日は霧が深かったため、線路が滑りやすくなっていたため止まれず、海に飛び込んでしまいました。太っちょの局長はパーシーに説教をし、潮が満ちる夜までパーシーは放置されました。
次の日、ヘンリーの貨物列車で整備工場に送られることになり、ヘンリーに水が好きだった事を聞かれると懲り懲りとパーシーは答え、ヘンリーは次はもっと水が好きになると揶揄いました。
ゆうめいになったゴードン
題名 | |
英語版題名 | Gordon Goes Foreign |
日本版旧題名 | ゴードン、ロンドンへ |
日本版新題名 | ゆうめいになったゴードン |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | ゴードン |
サブキャラ | ダック 別の鉄道の機関車 ジェームス ゴードンの機関士・助手 太っちょの局長 |
モブキャラ | 客車 駅員 駅長 |
ある日、ゴードンがイギリス本土から旅客を運んできた別の鉄道の機関車とロンドンの駅の名前の話をすると、ゴードンはキングス・クロス駅だと言いますが、別の鉄道の機関車はユーストン駅だと言うのです。そこへダックが口を挟み、ロンドンの駅の名前はパディントン駅だと言い、3台は自分が正しいと譲りませんでした。
次の日、別の鉄道の機関車が帰った後も、2台は言い合いをしていましたが、割り込んだジェームスがユーストン駅じゃないと言う意見は同じだから黙って欲しいと言いました。ゴードンはロンドンの駅の名前がキングス・クロス駅と証明するため、別の鉄道の機関車に受け渡す列車を駅に止まらず走ったり、助手が客車を切り離す前に飛び出そうとしますが、機関士に止められてしまい成功しませんでした。
ある日、急行を切り離して引き返すのを待っていましたが、肝心の別の鉄道の機関車が脱線して来れず、しかも予備の機関車も脱線した機関車のせいで出られなくなっていました。そこで、ゴードンがロンドンまで急行を引くことになり、ゴードンは喜んでロンドンへ走っていきました。
2日後、前日の新聞に大きな見出しで掲載されたり、写真を撮られたりしたゴードンはガッカリして帰ってきました。理由は、ロンドンの駅の名前が3台が出した3つの名前ではなく、セント・パンクラス駅だったからでした。
実は、この話にはトリックがあり、ロンドンにある駅は1つではなく複数あり、キングス・クロス駅・ユーストン駅・パディントン駅・セント・パンクラス駅はすべてロンドンにある別の駅なのです。
ジェームスとトビーのじゅうれん
題名 | |
英語版題名 | Double Header |
日本版旧題名 | じゅうれん |
日本版新題名 | ジェームスとトビーのじゅうれん |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | ジェームス トビー |
サブキャラ | 太っちょの局長 パーシー トビーの機関士・助手 信号係 |
モブキャラ | 貨車 ヘンリエッタ ビアトリス ジェームスの機関士・助手 車掌 お客 子供 |
ロンドンから帰って来たゴードンは休むことになり、その間ジェームスが代わりに仕事をすることになり、ジェームスは喜びました。そんな時、ジェームスはトビーに自慢をしますが、軽くあしらわれてしまいます。トビーは修理のために整備工場まで本線を走っていましたが、タンクの容量が少ないため途中の駅で給水補給を行い、待避線で休むことにしました。ところが、その駅の信号係はやって来たばかりでトビーのことを何も知らず、給水補給も待避線待機も出来ないから次の駅に行って欲しいと要求し、仕方がなく次の駅に向かうことになります。しかし、ジェームスの急行のために速く行こうと大量の水を消費してしまい、本線上で止まってしまいました。トビーの助手は急いでさっきの駅に戻り、トビーが止まったことを伝えると、ジェームスに押してくれるよう頼みました。ジェームスは嫌がりましたが、周りからの批判に負けトビーを押すことになります。ジェームスはヘトヘトになりながらも整備工場がある駅に到着しました。すると子供たちが、急行が遅れた理由をジェームスだけでは引けないからトビーが手伝ったからと言ったため、ジェームスは怒り、また少し恥ずかしかったので蒸気を上げて隠れてしまいました。
ふとっちょの局長の機関車たち
題名 | |
英語版題名 | The Fat Controller's Engines |
日本版旧題名 | ふとっちょの局長の機関車達 |
日本版新題名 | ふとっちょの局長の機関車たち |
登場キャラクター | |
主要キャラクター | トーマス 太っちょの局長 |
サブキャラ | パーシー トビー アニー クララベル ゴードン ヘンリー ジェームス エドワード ダック ヘンリエッタ ジンティー パグ |
モブキャラ | ジンティーとパグの同行車 会場の人々 ソドー島の人々 |
ある晩、乗換駅に最終列車を引いてきたトーマスはパーシーとトビーに会い、お互いこれから大きな駅に行くことを話しました。すると、向こうからパーシーの友達のジンティーとパグ、他に知らない5台の計7台の機関車が駆け抜けていきました。トーマス達が大きな駅に着くと、太っちょの局長が実在しないと思われているノース・ウェスタン鉄道の機関車達が実在することを知ってもらうためにロンドンに連れて行って皆に見てもらう事を決定したのでした。明後日の朝8時には出発することになり、明日はジンティーやパグ達に仕事の引継ぎを行うことになりました。
翌日、トーマスとアニー、クララベルの引継ぎはジンティーと別の客車で行われました。トーマスはジンティーにバーティーと競争した話を自慢しますが、その際トーマスのボディーが歪んでしまいました。トーマスは急いで修理することになりましたが、間に合わない場合は留守番になることになりました。
翌朝、他の機関車達は準備万端で今か今かと待っていましたが、出発1分前にようやくトーマスがやって来ました。何とか間に合ったトーマスを含め、機関車達は出発しました。
会場に着くと、大きな吹き抜けの機関庫に並べられたくさんの人々に見てもらいました。機関車達は、始めの内は楽しかったものの次第に飽き、帰るときはホッとしました。ソドー島に帰ってくると、島の人々が大喜びで迎えたのでした。
きかんしゃトーマス版
きかんしゃトーマス第2シリーズの『うみにおちたパーシー』、第3シリーズの『ほめられなかったジェームス』、第4シリーズの『トーマスととくべつなてがみ』の3話で3話分映像化された。
なお、「ゆうめいになったゴードン」は第2シリーズで映像化が計画されたが、映像化されなかった。
うみにおちたパーシー
『とびこんだパーシー』の映像作品。
基本的に原作に忠実だが、以下の変更が加えられている。
- 別の鉄道の機関車達がビルとベンに変更された。
- 以上の影響か、別の鉄道の機関車達とパーシーが仲良くなった下りがカットされた
- パーシーが話す自慢話が冠水した線路を走ったことではなく、大雨の中でトーマスを助けたことに変更された。(これは、冠水した線路を走った該当の話がこの時に映像化されなかったためと思われる)
- 原作では、港の土台石が海側に傾いていたが、こちらでは、桟橋が壊れて海に沈んでいるものに変更された。
- 何回か看板の先に行こうとして、機関士に止められる下りがカットされた。
- 原作では、看板の先で止まれなかった理由が、霧が深かったために線路が滑りやすくなっていたためが、こちらでは、ただ慌てふためいただけと変更された。
- 太っちょの局長が乗っていたボートが手漕ぎボートから動力付きと思われるボートに変更された。
Gordon Goes Foreign
『ゆうめいになったゴードン』の映像作品として計画された。
計画された情報で特筆すべき点は以下のとおりである。
ほめられなかったジェームス
『ジェームスとトビーのじゅうれん』の映像作品。
基本的に原作をベースにしているが、以下の大規模な変更が加えられている。
- ゴードンを休ませる理由が原作では、ゴードンがロンドンに行ったためだったのが、ソドー島に大勢の観光客が来て増便したために変更された。
- トビーがヘンリエッタを心配するシーンがカットされた。
- 原作では、発雷信号を仕掛けて通り過ぎた駅に線路づたいに戻っていったが、こちらでは本線の反対方向からパーシーとヘンリエッタがやって来て、助手がヘンリエッタに乗り込んで戻るものに変更された。
- 原作では、文句を言って批判を受けて、渋々了承したものが、さんざん文句を言った程度に変更された。
- 蒸気がない筈のトビーが蒸気を上げているシーンがある。
- 第3シリーズでは、スカーロイ鉄道は未登場だったため、ビアトリスが出てこない(むしろ、きかんしゃトーマスではスカーロイ鉄道の客車達は名前が無いモブ客車になったため、そもそも登場していない)。
トーマスととくべつなてがみ
『ふとっちょの局長の機関車たち』の映像作品。
基本的に原作をベースにしているが、以下の変更が加えられている。
- 原作のジンティー・パグ・ジンティーとパグの同行車の代わりにメイビス・ボコ・ビル・ベン・ドナルド・ダグラス・オリバーが代役となった(理由は、そんなに新規の機関車を導入すると予算が厳しいためと思われる。また代役を務めた機関車はすべてこの回の原作の時点で未登場の機関車達である)。
- トーマス達が遠征する理由が、原作では実在していないと思われているノース・ウェスタン鉄道の機関車達を実在すると分かってもらうためだったものが、こちらでは沢山の少年少女たちが機関車達に会いたがっているため全員そろって行く事となった(とはいえ、きかんしゃトーマスでは全員揃ってとは言っていたが、この時の原作ではいなかった機関車達は留守番となっている。全員揃ってとは一体?)
- 上述の代役の影響で、トーマスが引き継ぐ相手がジンティーからオリバーに変更された。
- 原作では、車止めにぶつかった程度だが、こちらでは車止めを壊し、柵を突き破って坂から滑り落ちるものになっていた。
- トーマスの損害が、原作では酷く歪み緩衝器がグチャグチャとなっていたが、こちらではかなりグシャグシャになっていた。
- ヘンリエッタも連れて行くとトップハム・ハット卿が言うシーンがカットされた。
- ギリギリに到着したトーマスをトップハム・ハット卿が怒るシーンがカットされた。
- 原作では、ヘンリエッタを連れて行ったのが確認できるが、こちらでは列車の列に参加しておらず、会場でも確認できない。
- 原作の会場は、機関車達を横並びにしていたが、こちらの会場は真ん中の丸い台を囲むように配列された。
- 原作では、会場に展示されていた期間の機関車達の様子とソドー島に帰って来た時の事が描かれていたが、こちらでは、会場の様子は詳しくは語られず、帰りの様子も描かれなかった。