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概要編集

1918年2月4日、青森県下北郡田名部町(現:むつ市)出身。

家は代々伝わる酒屋で元は近江商人。

5歳の時に母ヨシが死去し、義母に育てられる。運動はダメだったが成績優秀で本を読むのが好きな子供だった。

青森県立野辺地中学校(現:野辺地高等学校)卒業後、明治大学専門部文科文芸科に入学。学生時代は映画研究部に在籍した。

卒業後は松竹大船撮影所監督部に入社し、撮影所前の松江食堂の居候となる。食堂の娘と縁談話が持ち上がったが、子供を作れない体であることを理由に断っている。

初の助監督公募で2000人中8人の採用に選ばれ、島津保次郎吉村公三郎小津安二郎野村浩将木下恵介の助監督を務める。

1944年に監督昇進試験に首席合格し、織田作之助原作の『還って来た男』で監督デビュー。1946年の『追ひつ追はれつ』では日本初のキスシーンを撮った。松竹時代はコメディ映画を多く手がけた。

家を持たず浅草新宿など都内の行きつけの宿を家代わりに泊まり歩いていたが、銀座の小料理屋「菊川」で働く中村八重司にほれ込み当時高級住宅だった日活アパートで一緒に暮らし始める。

夜ごとスタッフと飲み明かす日々を送り、飲み代は当時の金額で毎月50万円に達した。

一方健康にも気を遣い、マレー半島のコブラの脂などの20種類の薬を当時のサラリーマンの月給分の額を毎月つぎ込んでいたという。

戦後はプログラムピクチャーを量産し松竹で23本の映画を撮った。1954年に日活に移籍し、『須崎パラダイス赤信号』、『幕末太陽傳』などの傑作を残す。

1957年に東宝系の東京映画に移籍。そのかたわら大映でメガホンを取った『女は二度生まれる』『雁の寺』『しとやかな獣』の3作品で若尾文子と組む。


しかし監督昇進の頃から筋萎縮性側索硬化症に冒され歩行等に障害を有していた。『イチかバチか』の公開5日前の1963年6月11日、日活アパートの自室で急死した。


監督作品編集

  • 還って来た男(1944年/松竹大船、原作:織田作之助『清楚』『木の都』)
  • ニコニコ大会 追ひつ追はれつ(1946年/松竹大船)
  • お笑い週間 笑ふ宝船(1946/松竹大船)
  • 深夜の市長(1947年/松竹大船)
  • 追跡者(1948年/松竹大船)
  • シミ金のオオ!市民諸君(1948年/松竹大船、原作:横井福次郎)
  • シミ金のスポーツ王(1949年/松竹大船)
  • 夢を召しませ(1950年/松竹大船、原作:菊田一夫)
  • 女優と名探偵(1950年/松竹大船)
  • 天使も夢を見る(1951年/松竹大船)
  • 適齢三人娘(1951年/松竹大船)
  • とんかつ大将(1952年/松竹大船、原作:富田常雄)
  • 相惚れトコトン同志(1952年/松竹大船)
  • 娘はかく抗議する(1952年/松竹京都、原作:小糸のぶ『続・乙女の性典』)
  • こんな私じゃなかったに(1952年/松竹大船)
  • 明日は月給日(1952年/松竹大船)
  • 学生社長(1953年/松竹大船)
  • 花吹く風(1953年/松竹京都)
  • 新東京行進曲(1953年/松竹大船、原作:入江徳郎、辻本芳雄、戸川幸夫)
  • 純潔革命(1953年/松竹京都)
  • 東京マダムと大阪夫人(1953年/松竹大船)
  • お嬢さん社長(1953年/松竹大船)
  • 真実一路(1954年/松竹大船、原作:山本有三)
  • 昨日と明日の間(1954年/松竹大船、原作:井上靖)
  • 愛のお荷物(1955年/日活)
  • あした来る人(1955年/日活、原作:井上靖)
  • 銀座二十四帖(1955年/日活)
  • 風船(1956年/日活、原作:大佛次郎)
  • 洲崎パラダイス赤信号(1956年/日活、原作:芝木好子『洲崎パラダイス』)
  • わが町(1956年/日活、原作:織田作之助)
  • 飢える魂(1956年/日活、原作:丹羽文雄)
  • 続・飢える魂(1956年/日活、原作:丹羽文雄)
  • 幕末太陽傳(1957年/日活)
  • 女であること(1958年/東京映画、原作:川端康成)
  • 暖簾(1958年/宝塚映画、原作:山崎豊子)
  • グラマ島の誘惑(1959年/東京映画、原作:飯沢匡『椰子と女』)
  • 貸間あり(1959年/東京映画、原作:井伏鱒二)
  • 人も歩けば(1960年/東京映画、原作:梅崎春生)
  • 接吻泥棒(1960年/東宝、原作:石原慎太郎)
  • 夜の流れ(1960年/東宝、成瀬巳喜男と共同監督)
  • 赤坂の姉妹より 夜の肌 (1960年、東京映画、原作:由起しげ子)
  • 縞の背広の親分衆(1961年/東京映画)
  • 特急にっぽん(1961年/東宝、原作:獅子文六『七時間半』)
  • 女は二度生まれる(1961年/大映東京、原作:富田常雄『小えん日記』)
  • 花影(1961年/東京映画、原作:大岡昇平)
  • 雁の寺(1962年/大映京都、原作:水上勉)
  • 青べか物語(1962年/東京映画、原作:山本周五郎)
  • 箱根山(1962年/東宝、原作:獅子文六)
  • しとやかな獣(1962年/大映東京)
  • 喜劇 とんかつ一代(1963年/東京映画)
  • イチかバチか(1963年/東宝、原作:城山三郎)

監督予定作品編集


関連タグ編集

映画監督

織田作之助

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