川端強
かわばたつよし
コンビニでアルバイトをしながら美大入学を目指す22歳の青年。
しかし、浪人しており、アートの才能はお世辞にもあるとは言えない。
メガネを掛けた中肉中背の人物で、一見すると冴えない容姿から作中で何人もの人間に凡人呼ばわりされているが、実際は彼を目当てに何人もの実力のある格闘家や武道家が挑んできてはその尽くを返り討ちし、彼の処遇を巡って国家間の争いになるほどの凄腕。
しかし本人はその強さで金銭を稼いだり名誉を求めてはおらず、売られた喧嘩は買うが「人目のないところで戦う」、「勝負は勝敗に関わらず一度だけ」、「自分に負けても口外しない」という条件で戦うが、そもそも噂になってる時点で基本的に約束を守られておらず、結果挑んできた奴を返り討ちにしては来てほしくもない別の強者が現れるという悪循環に陥っている。
判明している家族は、父・母・弟(体外受精)・異父妹がいる。強の外見は、父よりも母に似ている。また、名前が特徴的な弟も、見た目はあまり似ていない。弟にも妹にも今まで会ったことはなかった。
これまでは純粋な友情を持つ機会に恵まれなかったが、準主人公である星崎愛之助に出会い変わった。
基本的には見た目通りのおとなしい人物。
異性関係にもチョロくハニートラップを仕掛けられたら簡単にデレデレする。過去に「何度も」女性に騙されてきたと述べている(読者からは「恋に関してはヨワシ」と言われることもある)。
一方で、激怒した際には、戦場を経験した超一流の格闘家や超大物の政治家でさえ怯え涙や小便を漏らす程の殺気を放ち、相手が泣いて許しを請うまでボコボコにすることも躊躇しない容赦の無さを持つ。過去にアングラで活動していた者ですら「悪魔」「鬼」と称し、倒れた相手の骨を容赦なく折り、耳をちぎるなどの部位破壊も躊躇なく行う。
また、金的を積極的に行い(倒れた相手に何度も金的を繰り出すこともある)、真っ向勝負をすることを了承しておきながら金的を躊躇なく繰り出すなど、お世辞にもスポーツマンシップや正々堂々という姿勢からは程遠い。
- 金的を初めて行った相手は自分の父親とその仲間であり、しかも幼少時であった。さらにこの時は、戯れの一環としてスパーリングを行ったのに、明らかに強側から金的を仕掛けていた。後に実の弟と戦った際にも、大河内の言葉に反論できないでいたので、「スポーツマンシップ」という概念が根本的に欠落していた可能性もある。
- 実質的に、父親のジムを潰したのは強とも言える。
- 強にとって戦いとは神聖なものでも楽しい事でもなく「やりたくもないのに降りかかってくる厄介事」に過ぎず、卑怯だろうがなんだろうが効率的にさっさと終わらせようという姿勢になるのも当然とも言える。
- ただし、強を知るとある者は「割と好戦的」と評している。
- これまでの戦闘のほとんどは金的や急所狙いも厭わないルール無用であり、複数人が強に挑んで負けた際に「素人相手に大人気ない」と逆ギレした相手に更にキレ返したこともある。
- 金的が効かなかったりする相手に対しては、骨を折るなどより徹底的で容赦のない人体破壊を繰り出す為、寧ろ被害的には金的でさっさと負けた方がマシとも言える。
作中でも、その実力故に要らぬトラブルやハニートラップを始めとする人間関係のもつれに巻き込まれる事に辟易としており、怒って組織ごと潰してもまた新しい敵が現れる展開に同情する読者も多い。
現代の「征夷大将軍」こと大河内幸三に丸め込まれてからはガラリと人物が(外見と共に)変化し、とてもチャラついているだけなく、六本木などでの豪遊を覚え、女をあてがうことを要求し、高級車をせびるなど趣向までも変わった。そして、「これからは自分の力を自分のために使う」と宣言し、以前の様な謙虚さは消えてしまった。
強を大河内から救うために集まった闘士たちも困惑し、強を救うために来たのに強と敵になる、という状況になっている。
- 読者からは、光堕ちしたと表現される場合もある。
- 後に判明したが、大河内が強のこれまでの人生に大きな影響を与えてきた。そのため、現状の強は大河内が予想した通り「上級国民の力によって屈服され凋落された」という状況になっている。
強い。
作中で勝負らしい勝負になったことがほぼない。
最強格の主人公の宿命なのか、強が戦う機会はあまり多く描かれないが、本人いわく、襲い掛かってきた人間たちと「死ぬほど」戦ってきたということから、非常に多くの戦闘を経験してきたと思われる(作中では、半年で60人以上も相手しているとされる)。
前述の通り、大国同士が強を巡って争い、格闘に精通する者たちからも「異常な強さ」「強さの原理が不明」「天才としか言いようがない」「もはや神の領域」と称される。
見た目通りパワーに秀でてるわけではないが、力の流れを完全に制し膨大な量の「氣」を持つ強にとってはなんら問題にはならない。見た目からは想像ができないほどの尋常じゃないパワーとスピードを持つだけでなく、相手の攻撃を受け流して金的等の急所打ちで重点的に仕留めるのが基本スタイル。
基本武術は太極拳だが、強のそれは熟練の太極拳の達人がはっきり「自分より上」と断言する程の技量を持ち、岩をも砕く空手家の突きを受け止めながらその衝撃を相手に返して骨を破壊するという域にまで達している。
また、膨大な量の「氣」を持ち自在にコントロールし、「力の流れと大きさ」や「相手の肉体の頑丈さ」を可視化することができ、空間把握能力も持つという複数の異能を持っており、強のレベルの異様さを物語るエピソードになっている。空間把握能力は、どうやら母親から受け継いだ模様。
- この作品における「氣」とは、超常的な能力ではなくて、力の流れや筋肉の使い方、力学的エネルギーの伝達などを総合的に把握して利用する技術のことを指す。
また、対武器にも秀でており、武器を持った人間にも一度も負けた描写がない。暗器にも瞬時に対応できているが、このような戦闘経験をどこで積んだのかは不明。
強の身体には目立った外傷がないことから、これまでの戦いでダメージを負ったことがほとんどないことがうかがえる。
その他
更に一日中昏睡する量の麻酔を打たれたにもかかわらず一時間足らずで目覚めており、「どんな新陳代謝してんだ!?」と驚愕されている。また、睡眠も数時間で済ませている描写がある。
その他、初めて触る拳銃を躊躇なく撃ち、しかも片手での正確な射撃技術も見せており、やはり周りを驚愕させた。
また、傭兵・スパイ・工作員からなるプロの集団を、大量の麻酔で眠らされたにもかかわらず、目が覚めても混乱もせずに、起きてから短時間で壊滅させているなど、もはや単に格闘技術のレベルが高いという描写を超えており、文字通り「戦闘力」や状況判断力なども極めて優れている(その割にはハニートラップや誘惑には相変わらず弱い)。
さらに、あの世に逝きかけている人間を強制的に蘇生して楽に死ぬのを許さず、他人の走馬灯にも侵入するという恐ろしいこともしでかしている。
なお、初期の話での描写から、持久力はそれほどでもないと判明している。
- 強は「スサンデルタール人」や「ウランデルタール人」というロゴの入った Tシャツ を愛用する。
- 友人と共有するアトリエを破壊されたとはいえ、他人の金玉を潰しながら金を要求したこともある。
- 強と愛之助は、互いに共通する部分と対照的な部分を持つ者同士として描かれている。たとえば、二人とも、故意でも過度な落ち度もないのに、生まれや才能や本人たちが自覚していない性格の欠点から孤独である。また、互いの「望まぬ才能」に羨望しているし、「強さ」を追い求める理由も異なる。家庭環境も対照的であるが、二人とも実の両親や兄弟とは複雑な関係にあり、異父母の兄妹がいるのも共通している。
- ネタバレになるが、愛之助も上級国民と妾の間に生まれた子であり、純粋なだけでなく規格外の金持ちであるが故に「無自覚」で金持ちアピールを(本人にはその気はないのだが)してしまう。
- 後に登場した強の母親は、超上級国民ですら素性を調べられない隠匿性と超常的な圧力と行動力とステルス性と謎の医療技術と人間離れした踏破力と空間把握能力や察知力を持っており、強が怯えて逆らえない唯一の人物であり、まさに「母はつよし」である。体外受精の弟の名前からも、おそらくはこのお方へのオマージュだと思われる。
- 強の人生を左右してきた超上級国民である大河内と、強の母親は、皮肉ながらどこか似ている。しかし、強の母親は「超上級国民ですら把握できない世界の出身」だと示唆されている。つまり、強も愛之助も権力者の家系に何らかの形で関係していることになる。
- 妹もこの時、平然と人間離れした所業を行っていた。
サイコミ ※主人公です もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな
範馬勇次郎…同じ格闘マンガの最強格のキャラクターというくくりで、ネットでは比較対象にされたりもする。闘いに明け暮れ欲を隠さず腕力によって人生を謳歌する勇次郎に対して、あくまで平穏を欲し自衛以外で戦わないツヨシを「謙虚な勇次郎」と表す人もいるが、勇次郎が「丸くなった」と評されることがある一方で、強はストーリーの途中(とくに「皆殺し編」以降)で真逆の性格になっている。
- また、強と母親の関係はバキと勇次郎や勇一郎に類似した部分があり、母親が強の対戦に「あなたは勝てる」とドライに鼓舞した場面は、勇一郎が勇次郎との喧嘩に臨むバキを応援した場面とどこか類似している。
サイタマ…最強主人公の一例。強さの原理が解明できていないという点も共通している。俗っぽいところも似ているが、ナイーブな部分や女性への免疫など対照的な部分も少なくない。愛之助との友情も、サイタマとジェノスを思わせる部分がある。
伊集院茂夫…YouTube漫画動画作品の最強主人公の一例。普段の一人称は私で紳士的な話し方をしているが、こちらもブチ切れた時の一人称が俺、威圧的な殺気を放つ、武術の禁じ手を躊躇い無しで使う、骨を折ったりした事がある、見た目に寄らず怪力、裏社会の人間からも恐れられている等の共通点があるが、ただしこちらは同情の余地も無い外道に関して、地獄の様な拷問を食らわす、上記の外道の被害を食らった被害者など遺族に対して紳士的な対応をしたり、格闘術の他にもあらゆる武器の扱いにも精通している、弟子を雇っている、何度か怪我をしたり流血した事がある等(拷問時も含む)の違いがある。
志村新八…カップやきそば現象だが、チンさんとのやり取りは新八と神楽によく比較される。
那須川天心…コラボで共演している。
ツヨシしっかりしなさい…作中でネタとして扱われた。