幕府海軍
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ばくふかいぐん
幕府海軍とは、江戸幕府が所有していた西洋式の海軍隊である。
江戸幕府が整備し所有していた、西洋式軍備の海上戦闘を主とする軍隊、いわゆる海軍である。陸軍(幕府陸軍)と総称して単に「幕府軍」と呼称される場合もある。
幕府の軍制改革により、諸外国からの国家防衛と、国内の体制維持を目的として、大政奉還の22年前である弘化2年(1845年)にすでに創設されていた。
有名な長州征討や、主に水戸藩の尊王攘夷派で構成された『天狗党』を討伐した天狗党の乱などで艦隊を実戦出動させ、艦砲射撃や小規模な海戦などを経験し、上述した大政奉還が行われた後も戊辰戦争で活躍した。
榎本武揚が幕府艦隊を率いて蝦夷(北海道)地の開拓に参加したが、明治元年(1868年)11月、主力艦の開陽丸が江差沖で沈没したことにより、翌明治2年(1869年)に起きた新政府軍との戦いに敗れて榎本らは降伏、幕府海軍も解体されることとなった。
ちなみにこの出来事を「『蝦夷共和国』の建国のため」という声もあるが、国家として独立を図ろうとしたわけではなく、自ら「共和国」と名乗った事実もないため、その経緯と目的から「旧徳川将軍家遺臣による蝦夷地開拓団」と呼ぶべきといわれている。
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