概要
1998年3月26日発売。
片桐彩子をヒロインとしたシリーズ第二作。
文化祭を目前とした学生バンドを舞台にした物語。
ディスク二枚組になり、ミニゲームが増えた他に「放課後モード」が追加。容量増加に伴い、前作ではメインストーリー中にこなす必要があった他の登場人物のイベントを、放課後モードで攻略し易くなった。
本作の主人公は、本編や前作同様に藤崎詩織の幼馴染ではありつつ、サッカー部に所属していた前作主人公とはパラレルの存在。バンドサークル『彩(いろどり)』のギタリスト兼作曲担当であり、ギターは中学時代から嗜んでいるという設定。
前作主人公が運動好きとはいえサッカー自体は高校からであったこと等に比べると、無色透明なキャラ付けが多いときメモ主人公としては異色の存在である。
メインのミニゲームは同社のギターフリークスに少し近いが別物。その他、各サブヒロインに合わせた多彩なミニゲームが搭載され、その関係で前作のようにマウスのみのプレイは不可能となった。
文化祭および準備期間が舞台の為か、文化部所属の片桐・如月・紐緒は、本編で所属可能性のある活動両方に絡んでいる。具体的には、
文化祭を舞台にほぼ全ての登場人物が、各々築き上げたい物事をときにドラマ仕立て、ときにミニゲームとして物語を彩り、高い評価を得る。一方で主人公を含むバンドメンバー達の、内に秘めた想いの錯綜による展開はドラマシリーズ3作の中では人を選ぶものでもあり、その主人公の振る舞いやサブヒロインの立ち位置からプレイヤーの評価は3作中でも特に分れやすい。
デートで見れる映画は、当時未発売の「MGS(メタルギアソリッド)」。
ある選択によってエンディング曲が変化する(全部で三種類)。
主な登場人物
メインヒロイン。美術部員。作曲担当として悩みを抱えていた主人公は、彼女と触れ合うことで自分らしさを見つけていく。しかし彼女もまた、別の悩みを抱えていた。
サブヒロイン。非攻略対象。『彩』のキーボーディスト。悩み続ける主人公に献身的に接するが……。
- 大沢巧実(cv:置鮎龍太郎)
『彩』のベーシスト。片桐のクラスメートでもある。主人公や鈴音を『彩』に誘った。
- 田村康二(cv:堀川亮(現、堀川りょう)
『彩』のドラマーでリーダー格。温厚な性格で、メンバーの柔軟剤。
- 服部朱美(cv:遠藤みやこ)
『彩』の元メンバー。名前のみの登場で、ラジオドラマにてcvが付いた。
詩織は文化祭の実行委員、その他の人物も各々出展やミニゲーム等でドラマに華を添える。
- 木内茜(cv:嶋方淳子)
片桐の友人兼部活仲間。ゲーム中ではCGのみだが、ラジオドラマ版でcvが付いた。
片桐の親友。ラジオドラマ版のみに登場し、片桐は茜や主人公へも話せなかった悩みを彼女にのみ明かす。
彩の卒業式
あらすじ
文化祭のバンドコンテストから時は流れ、ついに卒業式の日を迎えた主人公。思い出が詰まった校内を歩き、最後には『彩』が練習場所としてきた体育館裏に辿り着く。もうここには戻れないのだとの思い、卒業式が始まる。卒業式後、自分の机の中に手紙が…
「伝説の樹の下で待っています」の一言だけが書かれた手紙。だが、主人公にはその手紙を出した主に思い当たる人物がただ一人いる。
その手紙の主が待つあの伝説の樹へ向かうのだった…。
ドラマシリーズVol.3で同じメモリーカードに彩のラブソングを1回だけ(※)クリアしたセーブデータが入っていると出現する後日談。アドベンチャー要素は薄いが、実質的な彩のラブソング完結編。
※ このバグ故、周回プレイ済の場合はシステムデータを再作成する必要がある。(バックアップを取った上でED直前のデータを読み込み、新たにクリアすることで作成自体は容易。)一応、ポケットステーションで旅立ちの詩のポケステアプリケーションで条件を満たすと出現する。
余談
シリーズ第一作目の「虹色の青春」は、虹野沙希が人気キャラだった事と、スタッフが「虹野さんをヒロインにスポーツ青春物やりたい」という独断から制作されたが、第二作目は当時週刊ファミ通で連載されていたときメモの記事「きらめき高校掲示板」にて「ドラマシリーズ第二作目希望ヒロイン投票」を行い、虹野以外の1位になったキャラをメインヒロインにすると言っていたのだが、あろう事か本来は隠しキャラである館林見晴が1位を獲ってしまい「隠しキャラがメインヒロインはさすがにまずい」との事で、2位だった片桐がメインヒロインに選ばれた。館林のメインヒロインとしての出番は最終作となった次作「旅立ちの詩」に送られた(正しく言えば詩織とのダブルヒロインだが)だったら最初から投票項目に入れるなよ…もっとバレたらまずい隠しキャラまでしれっと入ってたし…
実は片桐彩子のセリフにはテキストメッセージで表示されない英語のものがあるのだが、英語の聴き取りに堪能な人はその意味に主人公より先に気付くだろう…。
また、彩のラブソングでのバンド「彩」は部活動ではない為、当然ときめきメモリアル本編ではバンド活動は不可能……と思われがちだが、実はSFC版である「ときめきメモリアル 伝説の樹の下で」には吹奏楽部の代わりに軽音部が存在する。
ラジオドラマ
本作のラジオドラマは、サブヒロイン美咲鈴音(メイン画像)役の桑島法子氏がパーソナリティの『CLUB db』内で放送された。CD化(全5巻)された際のタイトルは前作のforeverに倣い、『彩のラブソング with you』。
(後に発売されたMGSも本ラジオでボイスドラマ化し、桑島氏も登場人物(メイ・リン)を担当する。)
前作はCD5枚中、ゲーム版ベースとオリジナル後日談が半々程であったが、今作は5枚全てにゲーム中の時間軸を割いているため非常に濃い。前作同様主人公の台詞は存在しない。
ゲーム中では存在のみ語られた服部朱美が台詞付きで登場、清川望や木内茜も脇を固め、山場の展開における心理描写がより丁寧に描かれている。
『もっと!ときめきメモリアル』『CLUBときめきメモリアル』『CLUB db』と3つの番組を渡り歩き、足掛け3年以上展開された男性向けときメモのラジオドラマは本作が最後であり、『旅立ちの詩』のボイスドラマはラジオONAIRされずCD媒体のみでの展開となった。
関連タグ
虹色の青春:前作
旅立ちの詩:次作