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概要編集

敵は幾万とは、日本の軍歌である。作詞は山田美妙斎、作曲は小山作之助、皇紀2551年(明治24年)に発表された。

この曲は元々、「戦景大和魂」という題の8章の詩であった。明治24年7月、小山作之助の『国民唱歌集』の一つとして発表される。小山が作曲にあたり『新体詩選』より3章を抜粋した。因みに歌詞の基となったのは史記の一節にある支那の前漢時代の李広という将軍の英雄譚である。

日清戦争の戦時中・戦後には、本曲の替え歌である進め矢玉と共に、広く歌唱され、替え歌も同様に流行った。例としては韓半島の独立運動家達の替え歌である、소년 행진가(少年行進歌)や결사전가(決死戦歌)がある

その後は、対米英戦争時のラジオでの大本営発表で、陸海軍合同の戦勝発表の際、前後で流されるようになった。因みに対米英戦争直前までは古い曲と認識されていた。

歌詞(戦景大和魂の詩を載せる。敵は幾万の歌詞には*をつける。)編集

*壱)敵は幾万ありとても

  すべて烏合の勢なるぞ

  烏合の勢にあらずとも

  味方に正しき道理あり

  邪はそれ正に勝ちがたく

  直は曲にぞ勝栗の

  堅き心の一徹は

  石に矢の立つためしあり

  石に立つ矢のためしあり

  などて恐るる事やある

  などて猶予う事やある

 弐)乱砲乱発百雷の

  音凄じく吹く風は

  血の臭気を運び来て

  鼻にかぐだに腥き

  思へば死人多からん

  敵に死人の多からば

  そは好き機よ揉潰せ

  味方に死人の多からば

  そは危かり疾く救へ

  などて恐るる事やある

  などて猶予う事やある

*参)風に閃く連隊旗

  記紋は昇る朝日子よ

  旗は飛びくる弾丸に

  破るることこそ誉れなれ

  身は日の本の兵士よ

  旗にな愧じそ進めよや

  斃るるまでも進めよや

  裂かるるまでも進めよや

  旗にな愧じそ耻なせそ

  などて恐るる事やある

  などて猶予う事やある

 四)雪を含める朝風に

  向って嘶く馬の声

  凍ゆる手先取緊めて

  吹きぞ合はする喇叭の音

  是等の響聞く時は

  鈍き心もまた勇む

  さるを何ぞや武士が

  励まぬ事のあるべきぞ

  いざや敵をば破らんづ

  などて恐るる事やある

  などて猶予う事やある

  こは敵中に囲まれぬ

 伍)こは敵中に囲まれぬ

  猶予ゑて事を愆つな

  ここに囲まれたる者は

  すべて一聯隊中の

  苦楽を同にせし者ぞ

  おなじ戦土の戦死は

  願ふても無き幸なるよ

  命を安く売りなせそ

  なるべき程は高く売れ

  などて恐るる事やある

  などて猶予う事やある

 陸)星影寒く夜は更けぬ

  今宵は月も出でざれば

  夜攻あらんも料られじ

  鞍を下すな馬々に

  秣与へて夜を明かせ

  すは聞け遠砲雷一声

  すは敵寄せなん用意しね

  味方は小勢なりとても

  すべて日本男児なり

  などて恐るる事やある

  などて猶予う事やある

 質)凍月高く冴亙り

  平原十里風寒志

  砦ハ元の儘ながら

  それを守れる人もなし

  さらば敵早逃げたるよ

  味方は既に克ちたるよ

  げに戦はおもしろや

  さらば進みて巣窟を

  衝崩さんづ崩さんづ

  などて恐るる事やある

  などて猶予う事やある

*捌)破れて逃ぐるは国の耻

  進みて死ぬるは身の誉れ

  瓦となりて残るより

  玉となりつつ砕けよや

  畳の上にて死ぬことは

  武士の為すべき道ならず

  骸を馬蹄にかけられつ

  身を野晒になしてこそ

  世に武士の義といわめ

  などて恐るる事やある

  などて猶予う事やある

進め矢玉の歌詞編集

 壱)進め矢玉の雨の中

  飛び込め剣の霜の上

  我が日の本の国の名を

  世界に揚ぐるは今日なるぞ

  血をもて色どれ日の御旗

  骨もて堅めよ国の基

  必死を究めし兵士の

  背にこそ凱歌は負はるなれ

  背にこそ凱歌は負はるなれ

  飛び込め剣の霜の上

  進め矢玉の雨の中

 弐)来たり接へよ短兵戦

  日本男子の手を見せん

  来たり味はへ日本刀

  水も溜まらぬ様見せん

  是ぞ義勇に育ちたる

  国のいくさの土産物

  徳の春風暖かに

  威の秋の霜 肌寒く

  我が日の本の名と誉

  あまねく世界に輝やかせ

  広く世界に輝やかせ

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