概要
TVアニメ第七話『人の造りしもの』に登場。
日本重化学工業共同体代表。エヴァンゲリオンに対抗して造られたロボット「JA(ジェットアローン)」の開発責任者である。NERVへの対抗意識が強く、嫌味で皮肉っぽい人物として描写されているが、後述のパスワードの件やゲーム版での描写から漢気のある部分も垣間見える。
JA完成披露宴では赤木リツコとの質疑応答に応じるも、質問に託けてエヴァやNERVを散々貶し、さらに入手したATフィールドの情報などを用いてあのリツコを黙らせている。なおエヴァの暴走について、リツコへの皮肉として「ヒステリーを起こした女性と同じで手に負えない」と評しているが、エヴァの正体を考えるとあながち間違いではなかったりする。
時田の態度について葛城ミサトは「ウチの利権にあぶれた連中の腹いせ」、リツコは「自分を自慢し褒めてもらいたがっている、大した男じゃない」と述べている。
その後JAの起動実験を行うが、JAは暴走。JA停止の唯一の手段であるプログラム消去のためのパスワードを教えるようミサトに迫られるが、お偉方の許可が降りずたらい回しにされてしまう。しかし自らの危険を顧みないミサトに心打たれ、独断でパスワード「希望」を教える。
ちなみにこの暴走自体JAの存在を邪魔に感じたNERVが仕組んだもので、予めJAは自動停止するようプログラムが書き換えられており、彼(とミサト)の行動は最初から無意味であった。
その後の時田の顛末は描かれていないが、JAの暴走、そして無断でパスワードを教えたことなどの責任を取らされたであろうことは想像に難くない。
余談
名前は村上龍の小説『愛と幻想のファシズム』の登場人物、時田史郎に由来。
また作中で時田が口にしていた「万田さん」「ウィッツ氏」も同小説の登場人物、万田正臣とジェローム・ウィッツに由来する。
ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では条件を満たすと、EVA量産機との戦いにJAの改修機である「ジェットアローン改」をひっさげ、チルドレン達の援護に駆けつける。この時の時田は最高に男前である。
赤木ナオコやキョウコなどの母親達を除けばこの作品では唯一の名前付きゲストキャラクター。
TV版第七話自体は本筋とはほぼ関係のないストーリーなため、残念ながら貞本義行氏の漫画版では存在が抹消された。
新劇場版でも出番はなく、第七話でのミサトの台詞「奇跡を待つより地道な努力よ」は新劇場版『破』でリツコの台詞に流用されている。ただし、JAは意外な形で登場している。
2020年にNHKで実施された全エヴァンゲリオン大投票のキャラクター部門では18位にランクイン。1話限りのゲストかつ新劇場版にも登場しないキャラクターにも拘らず、レギュラーキャラクターの相田ケンスケや日向マコトを上回る順位につけ、その意外な人気ぶりを見せつけた。