「邪悪なる意識よ、集え! 」
「世界を、光無き絶望へと導く為に! 」
「今こそ漆黒の闇から降臨せよ! 」
「暗黒方界邪神クリムゾン・ノヴァ・トリニティ!!」
概要
暗黒方界邪神クリムゾン・ノヴァ・トリニティとは、映画「遊戯王 THE DARKSIDE OF DIMENSIONS」に登場したラスボスポジションのモンスターで、同時に最強にして最凶のモンスター。
作中終盤のデュエルで、3体の暗黒方界神クリムゾン・ノヴァの攻撃を防ぎきった遊戯と海馬。そんな二人を嘲笑うかのように、藍神は罠カード「方界合神」を発動。その効果でフィールドの3体のクリムゾン・ノヴァを融合素材に、このカードを上記の口上と共に融合召喚した。
外見はさながらクリムゾン・ノヴァが究極進化を遂げたような姿をしており、クリムゾン・ノヴァの本体だったコアから、左右には触腕のあった所から触手が生えている。そしてコアの上部から人間の上半身のような、所々に目を持つ赤い体が存在しており、又、顔らしき物が確認でき、角や装飾が増えている。そして触腕は見事な四本腕になっており、それぞれ目がついているのが分かる。
ただでさえ激しい連続攻撃を防いで一安心…といった所で召喚された為、遊戯と海馬、そして映画の視聴者には文字通りの絶望を叩き付けられた。
そして気になるこのカードのモンスター効果はというと…
テキスト
融合・効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻4500/守3000
「暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ」×3
このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみ特殊召喚できる。
(1):フィールドのこのカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードの攻撃宣言時に発動する。
相手のLPを半分にする。
(3):このカードの攻撃でモンスターを破壊した時に発動できる。
このバトルフェイズ中、このカードはもう1度だけ攻撃できる。
(4):自分が効果ダメージを受けた場合に発動する。
受けたダメージの数値分だけ相手にダメージを与える。
解説
- 基本的に相手の対象を選ぶカード効果無効、さらに相手のカード効果での破壊耐性付き。
- 攻撃宣言時、相手のライフを半分にする。
- バトルで相手モンスターを破壊した時、もう1度だけ追撃できる。
- 効果ダメージを受けた時、そのダメージを相手にも与える。
…見ればお分かり頂けると思うが、進化前のクリムゾン・ノヴァが可愛く見えるレベルにヤバいパワーを持った怪物と化している。
ここまで来ると凶悪どころではない。もう完全に殺す気満々である。
まずは最初の耐性効果。クリムゾン・ノヴァはモンスター効果は防げても魔法カードと罠カードの効果までは防げなかった。しかし、このクリムゾン・ノヴァ・トリニティはかのブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンと同等の耐性を得たのである。
進化前の欠点を克服したことで更に場持ちが良くなった事で、「サンダー・ボルト」や「フルール・ド・バロネス」であっても瞬く間に封殺、いとも容易くねじ伏せる事が出来るようになった。
即ち、こいつを対処する為に相手は攻撃力4500を上回るモンスターで正面から戦うか、リリース、除外するしかなくなってしまう。しかし戦闘破壊するにしても、このカードの攻撃力は4500。この数値を上回るモンスターは滅多にいない。
…ここまで恐ろしいモンスターなんて他にいただろうか?
F・G・D「おいおい」
究極竜騎士「俺達が」
Sinトゥルース・ドラゴン「いるじゃないか」
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング「その通りだ」
FNo.0未来皇ホープ「私もいるぞ」
(;´・ω・)…いたね。
絶望神アンチホープ「あの~…」
(;゚Д゚)あっ…
…さて、本題に戻ろう。
次の効果は、攻撃宣言時に相手のライフを半分にする効果。
クリムゾン・ノヴァ・トリニティの中で最強を誇るのがこの効果。このカードの攻撃力は4500もある為、普通に直接攻撃すればそれで1ターンキルの成立が確定してしまう。又、1ターンキルとは行かずとも、「方界波動」や「決闘融合-バトル・フージョン」、さらに「No.39希望皇ホープ」と「ダブル・アップ・チャンス」とのコンボ等、「攻撃力を上げる(もしくは倍にする)」効果を持ったカードを使えば、1ターンキル級の大ダメージが相手を襲う。
さらにその次の効果は、バトル中での追撃効果。
これは融合前のクリムゾン・ノヴァの効果をそのまま受け継いでいる。しかし、このカードの攻撃力は高い為、あちらに対して条件をそろえる難易度が易しい。このカードの相手ライフを半分にする効果と合わせれば、前述のとおり1ターンキルが成立する。ただし、クリムゾン・ノヴァもそうだったが、戦闘破壊耐性持ちのモンスターの前では流石に歯が立たない。それでも相手のライフは半分に削れるものの、それではいつまでたっても決着がつかない。…カード効果で破壊するなら話は別だが。
そして最後の、受けた効果ダメージを相手にも与える効果。
他の効果が強すぎて一見地味に見えるが、この効果によって相手は迂闊にバーンダメージを与えられなくなる。何しろ②③の効果でぶん殴った後には相手のライフは大幅に削られている。
例えば仮に生き延びる事が出来たして、逆転を狙って大型モンスターを呼んだ瞬間に「破壊輪」を使われてあっという間にお陀仏なんて事があり得る。
…以上が、クリムゾン・ノヴァ・トリニティの効果の全てである。
相手が息絶えるまで容赦なく暴れ狂い、最後には全てを亡き者にする。
その姿はまさに「邪神」と呼ぶに相応しい。
攻撃力以外にも、ステータス、効果、全てにおいて豪快な、実にラスボスらしいモンスターである事をわかってもらえたと思う。
劇中での活躍
終盤、「vs遊戯&海馬」とのデュエルで藍神が融合召喚した。
劇中でもその効果で暴れるだけ暴れまくった。
まず藍神のターンで遊戯に直接攻撃し、その際に相手ライフを半分にする効果が発動。遊戯と海馬のライフをあっという間に削った。この時藍神はこの効果の事を以下のように表した。
藍神「邪神の攻めには生贄が伴う。それは…貴様らのライフだぁ!!」
そしてそのまま遊戯に直接攻撃を決めようとした瞬間…なんと海馬が罠カード「クリスタルアバター」を発動し、その効果で攻撃対象を自身に変更、身を挺して遊戯を庇ったのである。
海馬「貴様の相手はこの俺だ!!」
遊戯「駄目だ!そんな事をしたら君が…!」
しかしクリスタル・アバターの攻撃力は発動したプレイヤーのライフと同じになる。この時海馬のライフは1000だった為、このカードの攻撃力も1000になった。当然クリムゾン・ノヴァ・トリニティの攻撃を喰らって破壊され、海馬のライフは0となり敗北した。
海馬「遊戯……奴を呼べ……奴を…!」
遊戯に千年パズルを託してそう言い残し、海馬は消滅した。
海馬から託された千年パズルを首にかけ、デュエルを再開する遊戯。しかし、この後もクリムゾン・ノヴァ・トリニティの容赦ない攻撃が続く。「クリスタル・アバター」の効果で1000のダメージを受けた事で、藍神はクリムゾン・ノヴァ・トリニティの効果ダメージを反射する効果を使用し、遊戯にも1000ダメージを与えようとするが、遊戯は「クリアクリボー」の効果でこれを防ぐ。が、モンスターを戦闘破壊した事でクリムゾン・ノヴァ・トリニティの連続攻撃効果が発動してしまい、さらにライフ半減効果と合わせたコンボで遊戯のライフと精神力は、遂に限界に達してしまう。
負けじとドローしようとする遊戯だったが、既にドローする余力が残っていなかった為に倒れてしまう。このまま万事休すかと思われたが……………
なんとアテムが冥界から帰還し、デュエルを引き継いだ!
これにはさすがの藍神も驚きを隠せなかった。
「冥界の…ファラオが…!」
そしてアテムがドローし、召喚したのは「守護神官マハード」。かつて千年リングを管理していたアテムの従者にして、ブラック・マジシャンの元となった存在である彼が、アテムのしもべとなるモンスターとなって顕現したのだ。
その効果で攻撃力が5000になっていたマハードの攻撃によって、遂にクリムゾン・ノヴァ・トリニティは破壊。次元領域デュエルのルールで藍神は4500のダメージを受け、敗北した。
かつて千年リングを守護していたマハードによって、千年リングとの因縁に引導を渡されたのだった…。
このクリムゾン・ノヴァ・トリニティも、融合前のクリムゾン・ノヴァ同様、モチーフは「シヴァ」だと思われる。
又、このカードが召喚される時、3体のクリムゾン・ノヴァが融合すると同時に藍神の体に埋め込まれていた千年リングが黒く発光していた事から、クリムゾン・ノヴァ同様、このカードも千年リングによって生み出されたモンスターである事が窺える。
攻撃の際には体中の眼球から強烈なビームを発射するという、破滅竜ガンドラXに負けず劣らずの苛烈っぷりを披露。短い登場ながらも凄まじいインパクトを映画視聴者達に見せつけた。
余談
「遊・戯・王 デュエルモンスターズ アニメコンプリートガイド 千年の記憶」の巻末にもこのモンスターが見られるが、あるページにて「暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ・トリニティ」と誤植された。(”邪“の文字が抜けている。)
関連イラスト
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遊戯王 THE_DARKSIDE_OF_DIMENSIONS 藍神 方界 ラスボス
シヴァ…元ネタとなったインド神話の破壊神