※この記事は単行本未収録のネタバレ情報を含みます。
概要
主人公パーシバル一行と対峙するキャメロット王国の聖騎士達の総称。
アーサー・ペンドラゴンの命により〈黙示録の四騎士〉の命や〈七つの大罪〉や人間以外の他種族の根絶を狙っている。
メンバーのほとんどは魔神族との戦いでキャメロットが一度滅びる前からアーサーに長く仕えてきたので、中年層が多いのが特徴のベテランの集まりである。
リオネスの聖騎士とは違う階級を持ち、上位に当たる人物は「四凶(よんきょう)」と呼ばれ、その4人を筆頭に動いている。リオネス聖騎士からは「混沌の騎士団」と呼ばれており、混沌の力で動く飛行船を有している。
キャメロットという国家の性質上、基本的に人間のみで構成されており、素の力では巨人族や妖精族に劣る者もいるが、混沌の杖や四大天使の琥珀といった魔法具やケルヌンノスなどの煉獄の生物を与えられ、それを使い戦うことが多い。
混沌の騎士にはアーサーの力による恩恵を受けることを目的とする者やキャメロットに疑念を抱きアンヌヴンの大釜に連行され、管理者であるベルドレープ主催の「アンヌヴン剣闘祭」で選出された者がいたりする。
また、構成員の中には元リオネスの聖騎士もいる。
構成員
〈四凶〉
アーサーの側近たる四人の聖騎士。
- イロンシッド(赤い騎士)
(CV:森川智之)
空に浮かぶ舟に乗り、“神の指”に突如現れた聖騎士。大義のため父バルギスを始末し、息子であるパーシバルのことも殺そうとした。
魔力は上位精霊を操る「精霊召喚(サモン・エレメンタル)」。
- ペルガルド(黒い騎士)
(CV:小山力也)
黒い鎧を身にまとい空飛ぶ円盾を使いこなす聖騎士。パーシバルの才覚に惹かれ、自分の元に連れ帰り育てようと考えている。
相手を焼き尽くすまで追尾する炎の魔力「焔(ほむら)」を持つ。
- ベルトレープ(緑の騎士)
イロンシッドを若僧扱いする聖騎士。一太刀で空を斬る実力者。キャメロットに疑念を抱くものを閉じ込める「アンヌヴンの大釜」を管理する。
元ネタのアーサー王伝説にも緑の騎士が登場するが、彼女と関係があるのか不明。
- ウォーラルダン(白い騎士)
「いにしえの秘薬」を入手するために妖精界へ侵入した聖騎士にして紅一点。キングの息子であるジクタスを圧倒した。
その他
中位から下位にあたる者たちで名前の由来がウィスキーから来ている。
(CV:森久保祥太郎)
イロンシッドの義弟(亡き妻の弟)にあたる聖騎士。剣技ではイロンシッドを凌駕する。
決闘を申し込むことで、自身と相手を決闘場の空間に閉じ込める魔力、「決闘者(デュエリスト)」を持つ。この決闘場は勝敗が決するまで脱出不可で、魔力も使用できないため、頼れるものは純粋な武力のみである。
(CV:渡部俊樹)
イロンシッドの部下で煉獄の生物の捕獲や彼の息子であるディオドラの世話をしているおかっぱ頭で長身の聖騎士。
(CV:???)
タレットと同じくイロンシッドの部下で煉獄の生物の捕獲や彼の息子であるディオドラの世話をしている金髪で左眼に痣のある聖騎士。
- トミントール
(CV:???)
モートラックと共に〈黙示録の四騎士〉を討伐するためにイロンシッドが選んだ聖騎士の一人。名工ダブズの一品である刀、「白鹿(しろじか)」をランスロットに託した。
その正体は…。
(CV:佐藤せつじ)
琥珀の騎士。アーサーから授かった混沌の杖という魔法具でナシエンスの師オルドを怪物化させた聖騎士。木霊の谷を滅ぼそうとしていたが、パーシバルに撃破された。
「天災(カラミティ)」の魔力で天候を操ることができる。
- キルベガン
(CV:高塚正也)
ベールを纏った魔術師。初登場は混沌の騎士の会議で、妖精王の森編で本格的に対峙する。2つの魔術を掛け合わせる「二重詠唱」の魔力を持つ。その正体は…
(CV:高木渉)
ダルフレア山脈で登場した「人間のみの世界を創る」というアーサー王の理想に強く惹かれる聖騎士。
周囲50ヤード内に存在する生命の刻を赤子にまで巻き戻す「逆再生(リバース)」の魔力を持つ。
(CV:乃村健次)
ウォルナックで登場したスキンヘッドで盲目の聖騎士。ジーニアッハの手袋を使って、ジェイドを殺したが、キオンの召喚した死葬鳥によって焼き尽くされ死亡した。
周囲の音を消す魔力「静寂(セレニティ)」を使う。
(CV:鷄冠井美智子)
ウォルナックで登場した自分の容姿に自意識過剰な女聖騎士。予言の騎士らに捕縛され、キャメロット行きの扉を開こうとしたため、アーサーによる「呪詛返し」を受けて死亡した。
アーサーから授けられた魔力、「生物召喚(サモン・クリーチャー)」 で、虫や鳥などの生物を操ることができる。
- ローズバンク
(CV:東山奈央)
モートラックと共に〈黙示録の四騎士〉を討伐するためにイロンシッドが選んだ聖騎士の一人。珊瑚頭の兜が特徴で、素顔は予言の騎士と同年代の少女。
姿を景色に溶け込ませる隠密型の魔力、「擬態(ミミクリィ)」を持つ。
- ロックランザ
(CV:利根健太朗)
モートラックと共に〈黙示録の四騎士〉を討伐するためにイロンシッドが選んだ聖騎士の一人。三つ顔の兜を被っているオカマ口調で大柄の男性。
- グレネスク
(CV:斎藤志郎)
モートラックと共に〈黙示録の四騎士〉を討伐するためにイロンシッドが選んだ聖騎士の一人。鳥をあしらった兜をつけており、素顔は弁髪の老人。苦無を飛ばして戦う。
- ブラックラ
(CV:新祐樹)
モートラックと共に〈黙示録の四騎士〉を討伐するためにイロンシッドが選んだ聖騎士の一人。語尾に「ウス!」を付ける青年男性。
百発百中の隠密型の魔力、「狙撃(スナイプ)」を使う弓使いの狙撃手。
- リベット
(CV:本田貴子)
モートラックと共に〈黙示録の四騎士〉を討伐するためにイロンシッドが選んだ聖騎士の一人。銃士の様な風貌をした妙齢の女性。
攻撃した相手を石に変える魔力、「石化(ペトリフィケーション)」を使う。
- アルタベーン
(CV:???)
第2部でバーニャの村にイロンシッドとペルガルドと共に現れた聖騎士の一人。コウモリのような風貌をしている。
魔力は自身に向けた音を倍増させて相手に返す「山彦(エコー)」で、斧で襲い掛かったミードを死亡させたが、盗みを得意とするバンに心臓を抜き取られて死亡した。
- ミルトンダフ
(CV:???)
第2部でバーニャの村にイロンシッドとペルガルドと共に現れた聖騎士の一人。角飾りの付いた兜を被っている。
「弱体化(ウィークネス)」の魔力でバンの身体能力を10分の1に低下させたが、元が高すぎたためほとんど効果がなかった。
- キャパドニック
(CV:???)
アンヌヴン剣闘祭で登場したベルドレープの部下である聖騎士。剣闘祭の司会を務めている。
〈闇のタリスマン〉
アーサー配下の聖騎士団。キャメロットでも限られた人間にしか情報が知られていない暗殺部隊。「錯綜する森」でパーシバル隊と交戦し、ランスロットによって全滅させられた。
- 〈迅雷〉のフィディック
(CV:上田燿司)
〈闇のタリスマン〉のリーダー格にして最年長。仲間すら容赦なく斬り捨てる冷酷な男。
鍛え抜いた肉体に「加速(ヘイスト)」の魔力で速度を加えることで、敵を確実に捕捉して両断する剛力を宿すことができる。
- 〈悪食〉のエルギン
(CV:伊藤健太郎)
対象の硬度と強度を一段下げる「変性型」の魔力「劣化(ウィザー)」を持つ。魔力を液状にして浴びせることでパーシバル隊を追い詰めたが、摂り込んだ魔力を散布できるナシエンスの反撃に遭い自身を劣化させられてしまった。
- 〈幻惑〉のバーギ
(CV:森なな子)
魔法具「四大元素の杖」を扱う女。
「幻惑型」の魔力「残像(ミラージュ)」で分身を創り出したが、嘘を見抜くことができるアンには通用しなかった。
- 〈不死身〉のドロナック
(CV:白熊寛嗣)
目と口が見える覆面をつけた大男で異名通り驚異的な頑丈さを誇る。アーサーから授かった宙を駆ける愛馬スレイプニルでパーシバル隊に追いついた。
「衝撃(インパクト)」の魔力で周囲15メートルにエネルギー波を放つことができる。
- 〈猟犬〉のタムドゥ
(CV:下妻由幸)
メンバー一の長身にして最年少。遠距離の標的に必ず攻撃が届く「追尾(ホーミング)」の魔力を持ち、アードベックの策で幼児化したパーシバルの殺害を試みるも失敗。ゴウセルの反撃によって精神と肉体を操られ仲間に攻撃したため、フィデックに首を刎ねられ死亡。
名称不明
- ぶどう状の兜
キャメロットに疑問を抱き、抜け出そうとしたボールスを「アンヌヴンの大釜」に連行しようとした聖騎士。一人称は「わっち」。
道具に仮初の命を与え、凶暴な獣に変える魔力「捕食者(プレデター)」を使う。
- 長い兜
キャメロットに潜入していたアンとドニーを捕まえるためにペルガルドの屋敷に来た聖騎士。
視界を共有する魔力を使う。
元リオネスの聖騎士
ランスロットが探している人物。
「七つの大罪 怨嗟のエジンバラ」に登場。
「蒼天の六連星」と呼ばれる元リオネス聖騎士団の一員。聖戦を経て自分や上司であるデンゼルを操った女神族と魔神族を憎むようになった。エジンバラの民を持たぬ王として君臨し、人間以外の他種族を人形に捕らえさせたり、アーサーからもらった混沌の杖で作り出した手下にエリザベスに呪いをかけさせた。
使い魔
混沌の騎士が行使していた生物で、煉獄生物を使う者もいる。
- ロック鳥
イロンシッドが行使していた、神の指にも生息する鳥。彼の持っていた個体はパーシバルたちに食べられてしまった。
- 巨大狼
ペルガルドが飼い慣らしている使い魔。初登場はペイザンの街であるが、ペルガルドの屋敷周辺にも番犬としている。
- ダラク
(CV:くじら)
シスタナで登場したイロンシッドの使い魔。アンの召使いとして潜伏していて。ランスロット(シン)を出し抜いて常闇の棺を奪うも、一時的に元の姿に戻った本人にイロンシッドが召喚した混沌の亡者諸共倒されてしまった。
- ケルヌンノス
アードベックが連れていた煉獄生物で、本人からは「ケリー」と呼ばれていた。角は光線を放つことができるが、薬としても使うことが出来、接種すると一時的に肉体強度を高める効果を持つ。
- スレイプニル
〈闇のタリスマン〉が連れていた煉獄生物の一種である8本足の大型の馬。空を駆け抜けることが出来る。ランスロットから逃げ出そうとしたフィディック諸共、ランスロットに消されてしまった。
- キュノプロソピ
魔法具「キュノプロソピの笛」を使うことで召喚できる煉獄に住むとされる多翼獣。作中ではマグタフによって呼び出されたが、キオンの使った「死葬鳥」によってマグタフ諸共焼き尽くされた。
- アラクド
煉獄生物の一種で、「煉獄の王の使い」とも呼ばれる。
煉獄において厳しい環境下を好み住むとされ、その眼から放たれる光は大地を切り裂き、その装甲はあらゆる属性の魔力をもはねのけるとされる。
作中では魔界に来た、モートラックら混沌の騎士が乗り物として使用していたが、ランスロットの放つ弓矢にあっけなく消された。
魔法具
- 混沌の杖
アーサーの混沌の魔力によって作り出された杖。杖の魔力にかけられた者、もしくは自らを禍々しい怪物に変貌する。混沌の力を宿している影響か、飾りの部分は不規則になっているのが特徴で、怪物にされた者を元に戻すためには飾りの部分を壊す必要がある。
- 四大天使の琥珀
アードベックが所持していた魔法具で、前作の「七つの大罪」に登場した女神の琥珀の上位互換にあたる。通常の女神の琥珀の10倍近くの数の魔神族を封じ込めることができる。
- 四大元素の杖
〈闇のタリスマン〉のバーギが使っていた魔法具で、土、炎、水、風の四つの属性の魔力を出すことができる。
- 呪言の玉
七つの大罪のマーリンが作ったとされている魔法具で、魔力を封じ込めた玉。瞬間移動や超回復術に絶対強制解除など種類は様々。リオネスの聖騎士も使っている。
- 鎧人形(エンプティ)
混沌の杖によって作り出された雑兵。魔力を使うが、中身は空っぽになっているのが特徴である。
使われている物によって機能が異なり、情報を共有するための物や馬型になって変形する物など様々である。
- キュノプロソピの笛
ティーニニックの持っていた魔法具。煉獄に住む多翼獣を召喚する。
- ジーニアッハの手袋
マグタフの持っていた魔法具。付けたものの4、5倍の力を与える効果を持つ。
- 天眼筒
ブラックラの持っていた魔法具。16キロ先の景色やそこにいる人の声を聞くことができる。
- 導きの鈴
ローズパンクの持っていた魔法具。探している人物の場所の方向に揺れ動く。
- 対妖精族の毒ガス
キルベガンの持っていた魔法具。毒の効かない妖精に、強い効力を持つ。