概要
『鎌倉殿の13人』第39回「穏やかな一日」終了後、次回予告に現れたパワーワード。発したのはこの人。
牧氏事件から数年が経ち、幕政を主導する北条義時と公文所別当・大江広元は、守護の交代制や北条氏の郎党を御家人に取り立てるなど、様々な形で政治改革を進めていく。
一方、急激な政治改革についていけない侍所執事・和田義盛は、自身が3代鎌倉殿・源実朝に願い出ていた上総介叙任の件を義時から突っぱねられ、取り付く島もなく追い返されたことで、政権を壟断しつつある義時に不満を募らせていく。
義時と広元は、かつての上総広常と同様に御家人たちの信望を集め、反北条の急先鋒となりつつある義盛を排除すべく策を巡らせるが、一方の義盛もまた、義時の片棒を担がされることへの不満を抱きつつあった三浦義村を抱き込もうとしており・・・。
そして第40回「罠と罠」の次回予告。
謎の人物・泉親衡に乗せられて謀反の廉で捕らえられた甥・胤長の赦免に及ぶべく、和田義盛は一族98名を引き連れ御所へ押し寄せる(※)。
「無数の和田義盛が集まっています!」
時房のこの台詞が被る形で出てきたのは、正しく「無数の和田義盛」ともいうべき髭面の屈強な武者たちのカットであった――。
その絵面に加え、一人だけでも個性の塊というべき和田義盛が「無数に」という、にわかには理解の追い付き難い状況説明は、視聴者にも穏やかなようで穏やかでない本編の余韻を吹き飛ばさんばかりの強烈なインパクトを残し、先だっての「オンベレブンビンバ」に引き続いて新たなパワーワードをまた一つ生み出す格好となったのである。
(※ この98名の中に含まれていた朝比奈義秀(義盛の三男)、義直(同四男)、義重(同五男)、そして捕らわれていた甥の胤長も、義盛同様に髭面であったためファンからは「量産型義盛」と言われたりもしている)
一方で、義時も坂東武者最後の生き残り・和田義盛の人望と軍事力を恐れ、第40回本放送で
「最も頼りになる者が、最も恐ろしい」と大江広元とつぶやくのだった。