概要
CV:若本規夫
神我人とは、『天地無用!』のキャラクター(画像左上)。
名前の由来は備前市香登(かがと)から。梶島版で拠点としている宇宙船「双蛇」(そうじゃ)の名前の由来は総社市から来ている。
梶島版
元々は鷲羽の親友だった凪耶のクローンであり、助手として鷲羽を手伝っていた科学者。
雌雄同体だったが鷲羽のせいで女嫌いになって女性部分を切り離し男性になった。
鷲羽によって散々にイジられて辟易した挙句、ついに怒りを爆発させて彼女を封印してアカデミーを逐電。さらに魎呼ら鷲羽の創造物をパチって私物化した。要は最悪の宇宙海賊と呼ばれた頃の魎呼を影で操っていた黒幕。
全宇宙統一理論を研究しており(まぁコレ自体は銀河アカデミーの哲学士全員が研究してるモノだが)樹雷星に伝わる皇家の樹の力を狙っている……のだが、そのためのアプローチが相当にマズく、各地の古代遺跡の盗掘や破壊、反樹雷サイドの宇宙海賊(要は反社組織)との癒着と結託、いくつもの星を滅亡に追い込む、などなど、あからさまな問題行動が目立っており、そのためにギャラクシーポリスほか多くの宇宙警察組織より指名手配されている。
魎呼の封印が解けた事を察知し、彼女を再び自らの手駒とする事、また遙照に統一理論たる「すべてを統べる力」の存在や在処を問うために地球に降り立ち、天地ファミリーの前に立ち塞がった。要はOVA第一期のラスボス。
派生版では
天地無用!シリーズに登場する、初の明確な悪役という事、さらにOVA第1期で早々に天地に破れ去った存在でもある事から初期の派生作品では各作家陣から散々にイジられてネタキャラ化してしまった。
PCエンジン向けゲーム『天地無用! 魎皇鬼』(月村天地/林天地)では、鷲羽によって造り出されたメカ神我人なるキャラが登場しており、中の人の怪演もあって、シリアスだったオリジナルとは似ても似つかぬ豪快なキャラ崩壊っぷりを示していた。
天地無用!シリーズの初期に出されたムック本『天地無用!魎皇鬼 解体真書』(主筆:黒田洋介)における聖地巡礼案内地図では備前焼の器を手にして御満悦で穏やかに微笑む神我人(香登は備前焼の本場である伊部に近い。もっとも備前長船(日本刀鋳造の流派のひとつ)の本拠である瀬戸内市長船町の方が、より近いのだが)が見られる。
長谷川版では、まさかの息子・神我巳(かがみ)が登場(なお備前市には「吉永町加賀美」という地名が実在している。岡山県北にも自治体として鏡野町(かがみのちょう)がある)。傲慢な父親とは異なり、かなりの常識人で気弱な性格。そして優しいがドのつく程のヘタレでガチの虚弱体質かつアカデミーにも残れなかった三流学者。
一時期は息子と共に暮らしていた事もあったらしいが、そもそも神我人自身があーゆー性格であるために心優しい息子とはソリが合わず早々に見捨てており、その経験は、ものの見事に息子の自己肯定感を砕き去ってしまい神我巳のトラウマと化していた(結果、神我巳は上を向けない卑屈な人間になってしまった)。ぶっちゃけ毒親である。
しかし神我巳にとってみれば唯一の父、その力強い我が道を往く姿は憧れでもあったようで、父の死を知って後は柾木天地に対して仇討ちを目論んだ(無謀にも)が、アッサリと天地にノされて勝負にもならず、逆に天地によって情けをかけられ心配されて親身になられてしまう始末。しかし、その天地の優しさは神我巳にとっては眩しすぎ、結果いたたまれなくなって天地の前から泣いて逃げた。そして天地と自らでは器が違いすぎることに、殊更に絶望してしまい卑屈に卑屈を重ねる「自己貶め&セルフ自分いじめスパイラル」へと突入してしまう。
さすがにその様を見かねた鷲羽ちゃんによって(余計な)チョッカイをかけられる羽目になり、なんか地球で知り合ったパリピカップルに煽てられ誉めそやされて、気付けば「悪の組織(という設定のミュージシャン)の首領(という設定のバンマス)」にされてしまい、そのまま勢いで天地にリベンジする羽目になった。そして、やっぱり負けるのだが、最初に挑んだ時とは異なり「自分の全てを賭して挑んだ」という思いが残り達成感を得る事となる。
騒動が終結したのち、神我巳は神我人の残留思念と邂逅して、天地に挑んだ身の程知らずを叱責された後、神我人自身は「自らの道を貫いた果ての、尋常の勝負の結果としての死であるからして、恨みなど含むところは無い」と語る。そして息子に「だからお前も、このような父には縛られず、自らの信じた道を歩め」と語り、鷲羽に息子の世話をしてくれた事に感謝して消滅。死後にやっと、それなりの親らしい事をした。
ねぎし版(テレビアニメ版)では、鷲羽との因縁は無く、むしろ遙照(柾木勝仁)との因縁が深い。またキャラデザも大幅に変更された。テレビ版でも騒動の黒幕でありラスボス。
ここでは樹雷の皇族の一人であり、遙照の友にしてライバルだった男。樹雷の力のダークサイドに惹かれ溺れて悪堕ち(闇堕ち)して遙照に封印されていた(が、遙照にとっては、それは樹雷を自ら離れて棄てるほどの哀しみとなった)。
その恨みを晴らすため、遙照をハメて誘き寄せるため、彼の名を騙って樹雷を支配し、そのために邪魔とあるであろう「樹雷の姫」である阿重霞と砂沙美に反逆者の濡れ衣を着せて追手を差し向けた。
ちなみに地味にOVA版以来、久々のシリアスラスボスへの返り咲きだったりする。
奥田版では銀座に老舗の洋食店を構えるセレブ料理人の一族である加賀戸(かがと)家として登場。ご丁寧にも「※実際の神我人とは関係ありません」というテロップ付き(まぁ、いわゆる他人の空似である。一応)。もちろん父親も息子も神我人顔。遺伝子がいい仕事をし過ぎである。
のちに奥田版の最終章で神我人の弟子である(しかも師を崇拝しており思いっきり依存していた)涼哿(すずか)が、師の敵討ちのために天地に挑んだ。その過程で涼哿は師の復活を願いクローン神我人を作っている……が、クローンはクローンであり本人には成り得ない事を証明するに過ぎなかった(そして涼哿の絶望と復讐心はいや増す結果となった)。ちなみに、このクローン神我人は天地たちを欺くための捨て石の囮にされてしまっている。