概要
江戸時代に広島で描かれた絵巻物「稲生物怪録」に名だけが登場する魔王で、「神野」と書いて「しんの」と読む。「真野」「真の」「しんの」「神ン野」と書いた絵巻もある。
稲生物怪録
物語の主人公稲生平太郎(後の稲生武太夫)の周りで30日にもわたり続いた怪異は、山本五郎左衛門(さんもとごろうざえもん)という妖怪の仕業であった。神野と魔王の座を賭けて、勇気ある少年100人を驚かせるという賭けをおこなっており、その86人目が平太郎だったのである。
名が登場するのみでどのような妖怪かは不明だが、山本が風格を備えた大妖怪だったことから、それに対する神野も同様な大妖怪だと想像されている。
なお、魔王には造物大女王や無底海大陰女王といったより格上の存在もいる(参照)。
創作での扱い
- 妖怪大戦争2005年版
京極夏彦演ずる神ン野悪五郎が登場。
かつては山ン本五郎左衛門(演じたのは荒俣宏)と覇権を争っていたが現在は共に妖怪大翁(演じたのは水木しげる)に仕えている。
若い男の姿をした西の妖怪の長神野(しんの)として登場。
- 妖怪すくらんぶる
「悔しがれ!悔しがって儂を憎め!憎しみは儂の好物じゃ!」
本作の諸悪の根源にして最後の敵。
その姿は紅い悪魔のような魔王然とした姿であり、人間の負の力を糧としている。
長い人間の歴史で巻き起こる憎悪により強大化しており、もはや妖怪というより邪神というべき存在になっている。
- 妖怪の飼育員さん
「茶の花宗匠はどこだい?神野が来たと伝えてくれ」
妖怪と魔物は別の存在とされ、神野は魔物の長(王)として描かれている。
茶の花宗匠とはぬらりひょんの事で妖怪の長であり真対等に話せる存在。
何故かSF気味の容姿。