概要
喫煙の自由を認めない、禁煙を全体化する、喫煙を擁護する意見を封殺する、このような一連の思想・運動をファシズムに揶揄して批判するための造語。
タバコの副次的な被害は昭和末期に突入して以降、文部科学省やマスメディアに唱えられるようになっていった。
このような環境のなかで喫煙者に対する風当たりも強くなり、その反動から嫌煙権運動をファシズムになぞらえるようになったことが背景にある。
ちなみにだが、ナチス・ドイツは実際に禁煙運動を展開しており、アドルフ・ヒトラーは喫煙を「退廃的」と考えていた。
提唱者
- 團伊玖磨
- 1987年(昭和62年)3月27日付け夕刊コラムで初めて禁煙をファシズムになぞらえた。
- 山田風太郎
- 1988年にエッセイ「“禁煙ファシズム”の今後は?」を『文藝春秋』に発表。
- 斎藤貴男
- 2004年に著書『国家に隷従せず』で「禁煙ファシズムの狂気」としてこの問題を取り扱った。
- 小谷野敦
- 2005年に著書『禁煙ファシズムと戦う』と出版。
- 養老孟司
- 月刊文藝春秋2007年(平成19年)10月号『変な国・日本の禁煙原理主義』で山崎正和と対談した。
- 須田慎一郎
- 2011年に週刊ポストに寄稿した記事において、神奈川県や兵庫県が制定した受動喫煙防止条例を禁煙ファッショとして批判。
- 森永卓郎
- 2017年にドワンゴが主催した座談会『禁煙ファシズムに断固反対!愛煙家大集合スペシャル』に出演。
- 古谷経衡
- 2018年のオピニオンサイトへの投稿で、近年の受動喫煙防止対策をアドルフ・ヒトラーの行動になぞらえた。
- 藤井聡
- 2021年にTOKYO HEADLINEのインタビューで禁煙風潮で喫煙機会を抑圧していくことは「ファシズム的な行い」と評した。
関連するフィクション作品
- 『最後の喫煙者』:筒井康隆の短編SF小説。筒井曰く「オーウェル『一九八四年』の煙草版」。
- 『銀魂』「タバコは一箱に一、二本 馬糞みたいな匂いのする奴が入っている」:いつの間にやら上述の「最後の喫煙者」状態になってしまった土方十四郎のタバコを求める壮絶で孤独な戦いを描く抱腹絶倒のギャグ回。実写ドラマ化もされた。
- 『魔人探偵脳噛ネウロ』:特に何の事件の犯人でもない(はず)の禁煙ファシズムババァが登場する。重要登場人物である葛西善二郎(犯罪者)が運悪くこのババァに遭遇し紳士的な対応を試みたが余りの話の通じなさに面倒臭くなって顔面を潰した。
関連タグ
煙草 タバコ 禁煙 副流煙 ファシズム ナチズム エコファシズム