経歴
1982年生まれ。北海道札幌市出身、立命館大学文学部史学科卒。千葉県松戸市在住。「アニオタ保守本流」を自認し、アニメ・漫画を中心に、保守の立場から幅広く若者論・サブカルチャー・メディア論を論じる。
人物
少年時代にプラモデル作りから戦史に興味を持ち、本人いわく「軍国主義思想」を持つに至る。その後同世代の多くの男性と同じく小林よしのりの影響も受けたが、古谷のスタンスは一貫して対米自立(反米保守)であり、よって嫌韓と歴史修正主義に傾倒する昨今の右派論壇の主流から一線を画している。
若手保守論客の代表として一頃はインターネット放送局「チャンネル桜」などにも出演、青林堂の雑誌『ジャパニズム』の編集長を務め、ネット右翼を「ネット保守」として肯定的な立場から論じていた。
交通至便な松戸市在住にもかかわらずマイカー派(パニック障害で公共交通機関が使えないため)であり、「駐車場が無料」という理由で仕事場所としてラブホテルを愛用する。
論調
自他共に認めるオタクだが、近年の萌え系文化を否定しており、「萌え撲滅」を標榜したこともある(古いオタクには「萌え」を拒絶する者が多かったが、古谷の世代では珍しい)。押井守・庵野秀明・大友克洋・今敏・高橋良輔らの硬派な作品を好む。
思想面では異なる宮崎駿や高畑勲の作品や、『はだしのゲン』や『うしろの正面だあれ』などの反戦漫画・アニメも、思想では違っても作品としては高く評価していたりする。一方で、萌えやBL的な要素の強い作品に関しては辛口な評価であり、「空気系」アニメなどはかなり貶している。
かつてはネット右翼の若手論客の代表と見なされ、「ネット保守」を共感的・肯定的に論じていたのだが、2013年に『ジャパニズム』編集長を退いてからはネット保守に対して批判的立場に転じ、「現在の保守は、保守というよりも国家社会主義者である」、「陰謀論とトンデモの巣窟」として保守論壇を全否定するに至っている。また、「チャンネル桜」に出演しなくなったことから、同社の水島代表との確執もさまざまに憶測を呼ぶことになった。
現在では自民党の進めるクールジャパン政策の問題点を指摘したり、「ネット保守」層の若者に対して抱かれることが多い「低学歴」「貧困」「オタク」といったステレオタイプの誤りを指摘し、日本の保守勢力が尊ぶマッチョイズム(強靱さ、逞しさ、勇敢さ、好戦性」といった性質を基礎とした思想や信条)・自己責任論が、若者が保守に入り込めない原因の一つではと分析して問題意識を抱くなど、ほかの保守系論者とは一線を画す視点が目立つ。 また宗教右派との関わりの深いスピリチュアリズムにも批判的である。