概要
藤子・F・不二雄大全集17巻に収録。
針金は地面に設置することができ、フレームの重さで傾くことはない。
球状にまとめられた針金を切り取ることで、新しいフレームをいくらでも作ることが可能となっており、フレーム・切り取る針金の長さは調整できる為、携帯用にすることも。
本来の使い方は、星の観測の厚い空気層や雲・煙に「光を差し込み」、宇宙空間まで素通しに観るというもの。
ストーリー
倉井くんはなぜか小太りの少年にアッカンベーをしたり無視をしたりしたので、少年の方もその訳を聞こうとし、もし自分が何か悪いことや気に障ることをしたのなら謝るからと言ったが、「うるさいな!ほっといてくれよ!!」と怒鳴り返されてしまった。一緒にいたのび太が話を聞くと、少年が向こうの15階建てのマンションに引っ越して転校してきた時から、ずっとあの態度と説明された。
これにのび太は自分がピーマンを嫌いな様に「虫が好かない」ってことなのかと考えながら帰宅し、冷えた体を部屋で暖めようと思ったが、早々にママから庭の落ち葉掃除を頼まれてしまう。嫌がりながらも庭に出ると先に掃除をしていたドラえもんから「ここは暖かい」と言われ、嘘だと思いながらも行ってみると本当に暖かい日光が降り注いでいた。
ドラえもんは「空まです通しフレーム」を使ったからだと説明し、2人は暖かい中落ち葉を勝ち集めて燃やした後、部屋でもフレームを使って日光浴をしてくつろいでいた。だがそこにママがお使いを頼みに来たため、のび太はフレームで日光を浴びながらお使いに出たが、この様子をジャイアンとスネ夫に笑われてしまうも、のび太は「何にも知らないくせに」と気にせずその場を後にする。
その後であったしずかにもこれで日光を浴びさせてあげると、「これを使うとグアムやハワイへ行かなくても甲ら干しができるかしら」と気に入ってくれたので、これをあげることにした。そこで帰ってドラえもんにもう一つフレームをお願いするが、外に出て早々しずかからフレームのことを聞いたジャイアンとスネ夫にせがまれることに。
猫たちとフレームで日光浴をしていたドラえもんに再びお願いし、残りを返すこと約束してフレームを貸してもらった。そして空地でフレームを配るとたちまち行列ができ、フレームも全部使い切ってしまったが、皆が喜んでくれたので、のび太は満足し帰って昼寝をしようとする。だが買い物の件をママに聞かれ、買い物かごも忘れてきたことに気付き慌ててUターンしたが、がごは既に倉井くんが届けてきてくれていた。
そこでお礼に行ったのび太だったが、部屋に招かれた際、向こうの「バベル・トップ」というマンションによって日光が防がれ家自体が日陰になってしまっていることや、このことが原因でこのマンションに住んでいる人たちに八つ当たりしてしまうことを聞かされる。これにのび太は倉井君の部屋にもフレームで日光を降り注がせてあげることにし、事は丸く収まったかに見えたが、その後のび太は布団におねしょをしてしまいドラえもんにフレームをねだるも、フレームはもう残っていなかった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1992年1月24日に放送されたが、現在のところ水田版ではまだアニメ化されていない。
1992年版
- 冒頭のシーンでは、のび太達はランドセルを背負っていて、太った少年には「まさし」という名前が付いていた。
- ママはのび太に庭掃除をするよう言った際、先にドラえもんが掃除をしていることも言っている。
- 部屋で日光浴をしていたのび太は「小鳥の鳴き声がしてきてきそうだ」と言っていて、この時ママがお使いを頼みに来たため、「ムード壊れるな」と言っていた。
- しずかのセリフのうち、「甲らぼし」は「日焼け」に変更されている。ちなみにジャイアンとスネ夫は2人の様子を物陰から見ていて、実際にしずかから見せてもらったわけではない。そしてのび太にフレームをねだった際は肩に腕を回して「友達だろ?」と言ったり、「新しいファミコン貸すから」と言っていた。
- 皆に配ったがフレームはまだちょっと残っていたため、のび太はこれで小さな傘を作り、道端で元気をなくしていたタンポポの横に刺してあげ、これでタンポポも元気になった
- 倉井くんは「少し遊んでいかない?」とのび太を誘い入れていた。ちなみに午前中は何とか日が入っているようだった。
- のび太がおねしょで起きたのは夜中で、ラストはのび太に泣き付かれたドラえもんが無理やり押し入れから引きずり出され、驚いた顔をするオチになっている。