栃木県下野市(旧・南河内町)にある大学。略称は自治医大(じちいだい)。医学部と看護学部を置く。
僻地医療・地域医療の充実を目的に、各都道府県が共同で出資して設立された。
名目上は学校法人自治医科大学が設置する私立大学となっているが、実際には自治省(現・総務省)が設置した大学であり、総務省の職員が大学に出向し事務局を統括しているため、事実上の国立大学または公立大学と言える。
入学試験
私立大学らしくセンター試験には参加しない大学独自の方法で行うが、医学部ではその設置趣旨のためか各都道府県の定員枠(2名ないし3名)により選抜するという異色な方法をとる。
入学定員を各都道府県に振り分けて合格者を決定するため、都道府県によって難易度が異なり、入試成績上位の者が必ずしも合格するとは限らない。特に名門高校が存在する都道府県(東京都など)は激戦で、その分難易度が跳ね上がる。
なお、看護学部では医学部のような都道府県ごとの振り分けは実施せず、通常の入試選抜方法をとる。
学生生活、卒業後の進路
医学部
医学部は全寮制であり、学生は全員、寮生活を行うことを原則としている。
全寮制をとる理由は、共同生活の体験を通じて責任感・倫理観・協調性を養い、優れた人格を持った立派な医師を養成するという教育理念に基づくものである。
ただし、特殊な事情(病気など)がある学生は寮生活が免除される場合もある。
医学部を持つすべての大学に言えることだが、医学部のカリキュラムはスパルタであり、本気で勉強しないと留年するので注意。
ただ、自治医大は他の医学部を持つ大学と比べても特にスパルタ色が強いのが特徴である。その代わり、国家試験の合格率は非常に高く、毎年100%近い実績を誇っている。
部活は盛んである。医学部と言うとなんとなくガリ勉が多そうなイメージがあるかもしれないが、自治医大はむしろスポーツ好きな人が多い。
少なくとも、ほとんどの自治医大生は中学時代に部活をやっている(高校時代は受験勉強が忙しいために部活をやれなかった人も多いが)。
学費は6年間で約2200万円であるが、在学中は貸してくれる。卒業後9年間、僻地での医療活動が義務付けられており、その義務を果たすことで学費の返還を免除される。
出身都道府県によっては、離島での医療活動を要求されることもある(東京都出身者の場合、伊豆諸島や小笠原諸島での医療活動。他、鹿児島県や沖縄県なども離島が多い。)。
なお、義務を果たせなかった場合、貸してもらった学費を全て返さなくてはならないので注意。似たような制度を持つ医師養成機関として、防衛医科大学校がある。
看護学部
医学部のような全寮制や僻地医療の義務はなく、他の大学と同じような普通の学生生活を送る。
最寄り駅
JR東日本東北本線(JR宇都宮線)の自治医大駅が最寄り駅である。