角球とは、
概要
円錐に対して角錐、円柱に対して角柱が有るが、同様に球に対して考えられるものがこれである。身近な例としては紙風船が有り、一般的な紙風船は八角球状となる。多角形回転体とは別物であるが、緯度⇔経度的な関係にはなっている。
これを導入する事により、以下のような表が完成する。
各々の具体的な形の例は以下の通りである。
ここで、球の場合ならば「高さ=底面の半径」のように高さが決まっているが、角球にはそのような規定が特に無いため、正確には角球⇔球ではなく、角球に対するものには楕円回転体なども含まれて来る。これを便宜上ひとまず「円球」と呼んでいる。これは正四面体に対する正三角錐や、立方体に対する正四角柱に相当する。円球は、解釈によっては赤道面が円ならば良いため、極軸(上の極と下の極を結んだ軸)が赤道面の中心を通らない図形、即ち楕円回転体には当てはまらない図形も含まれてくる。
展開図
曲面で構成されるが、球とは異なり、円柱や円錐同様、展開図を考える事ができる。
展開図の計算は一般的に困難だが、球に外接・傍接するタイプは簡単であり、上図もそのタイプである。
体積
体積(V)は、赤道面の面積をS、極から赤道面への垂線の高さをhとし、
V=4Sh/3
で求まる。これは球とも共通する式であり、球の場合はS=πr^2、h=rである。
一般球
柱や錐が、円や多角形以外の平面図形に対しても考える事ができるように、角球・円球における多角形や円も、一般的な図形に拡張する事ができる。単に球と呼んでしまうと球になってしまうため、ひとまず「一般球」と呼ぶ事にする。「般球」と略す場合は、「半球」との混同を避けるため、「ぱんきゅう」と読むのが好ましいと思われる。
斜球
柱に直柱と斜柱が、錐に直錐と斜錐が有るように、一般球にも斜球と呼べそうなものが存在する。ただし柱や錐に比べると厄介な問題がある。これは双錐にも共通する問題である。
斜錐の定義に従えば、直双錐・直球と呼べるものは、極軸が赤道面の重心で直交するものであり、斜双錐・斜球と呼ばれるものはそれが直交しないものであろう。極軸が重心を通らないようなものは歪双錐・歪球とでも呼べそうだが、折れた柱に相当して来るため、もう少し複雑な段階の図形と見る事ができる。
しかし、重心がはっきりしない場合はどうなるか。密度にばらつきのある図形や、無限に広がる図形の場合はどうなるか。そうなると、重心を通るか否かに固執するのはナンセンスに思えて来る。極軸が赤道面に対して垂直か否かで判別するのが妥当そうだ。そしてその定義によれば直錐と斜錐の区別は無くなってしまう。
ただ、特定の双錐や一般球に対する直や斜ならば、極軸の交点が変化しないように変形してやれば得られる。一般球の場合は更に、極に接する面にも注意が要る。これが赤道面と平行を保つようにして変形させる。そうしないと恐らく、赤道面となる場所まで変化し、赤道面が歪に変形したもっと別の一般球になってしまう。
角球座標系
三次元における座標系には、直交(デカルト)座標系、円筒(円柱)座標系、極(球)座標系が有り、それぞれ「xyz(平面位置×高さ)」「rθz(距離×方位角×高さ)」「r'θφ(距離×方位角×仰角)」で表現される。しかし下のようにまとめると、枠に穴がある事がわかる。
zを使う | φを使う | |
---|---|---|
xyを使う | 円柱 | ? |
rθを使う | 直交 | 球 |
即ち、「x'y'φ(平面位置×仰角)」で表現する座標系である。これも座標系として使用が可能であり、円柱座標や球座標に対し「角球座標系」と呼べそうである。
同様の考え方では、n次元において2^(n-1)種類の座標系を考える事ができる。