貞千代
さだちよ
「ルパン三世…あなたの命いただくわ」
CV:野沢那智
アニメルパン三世TVスペシャル『トワイライト☆ジェミニの秘密』に登場するオカマの殺し屋。通り名は蠍の貞千代。
実は石川五ェ門と同門流派の出身であり、剣客から殺し屋に成り果てた現状から五ェ門に追われていた。
その名前や五ェ門との関係から日本人と思われる。
忍者のような身なりに変わったアーマーを装備し、主な戦闘術は電磁波を発するムチによる鞭術であるが、五ェ門に追いつめられた時の様子からも、本来の戦闘スタイルは小太刀を使った剣術であるとうかがえる。
特定の組織に属さずフリーランスで活動しており、本作でもある組織に依頼されて、戦闘員達の指揮を執る形でルパンの命を狙っていく。
コミカルな一面もあるが殺し屋としての腕は確かで、ルパンを後一歩の所まで追い詰めたり、斬鉄剣を有する五ェ門と刃を交えても一歩も後れを取らない。また、SMの様な拷問等を自ら好んで行う等、残忍なサディストとしての気質も持ち合わせる。
殺し屋としてのプライドか流派の教えの名残なのか、自身はムチや小太刀を使った遠近距離を問わない戦い方を行い、銃等の火器は使わなかった(部下達には使わせたり、その目的に合わせて武器の変更を指示して攻撃させている)。
作中の冒頭からルパンを殺す為に特殊な装甲、ガントレットを纏った部下を使って奇襲をしかける。
一瞬の隙を突かれ逃げられてしまうも、その後もしつっこくルパンを狙い続ける。ルパンとの会話の内容から依頼を受けたのは報酬よりも「裏の世界で有名なルパン三世を殺せる」とする、己の殺し屋としての名声を轟かすのが目的に思える。
ゲルトのゲリラメンバーが隠れているアジトを突き止めると、全員を捕縛しゲストヒロインであるララを人質にして(他のメンバーは結社のアジトに連行させた)ルパンと真っ向勝負を仕掛け、持ち前の腕とムチ捌きでルパンを追い詰めるも、流派の教えに背いた同門を討つべく現れた石川五ェ門に邪魔をされ、またしても取り逃がしてしまう。
その後、五ェ門から逃れて結社のアジトに帰還するが、結社の内部事情を調べる為アジトに潜入していた峰不二子を発見。スパイとしての腕を立つ不二子に気付かれずその背後に素早く移動し懐に潜り込むと、気付いた彼女の手を動かしただけで手にしたムチを見せつけて脅し、睨むしかできない不二子を拘束する(ルパン一味に関してはルパンと五右衛門は名前で呼んでいたが、不二子に関しては名前を知らないのか興味ないのか等理由は不明だが、名前では呼ばず終始「あんた」「ルパンの女」「お前」「女」等と呼んでいる。これは首領も同じ)。
その後は捕縛した不二子を首領同席の元に尋問。最初は言葉で脅し目的を聞くがそっぽを向く不二子に対し、得意のムチを使いなぶるように正確に衣服を引き裂いていく。これに怒った不二子に突っかかられるが、その表情を見て再度脅しながらも挑発し、彼女の怒りを露わにする度にムチで叩き、不二子の乳房を露わにしていく。その後、首領から手段を選ばずに情報を聞き出す命令を受けて表情が喜びに変わる。不安になっていく不二子とは対照的に、貞千代はムチをしならせて喜びながら仕事にかかろうとする。
ルパン達がゲルト族の遺跡に向かっている間は、不二子を「たっぷりと可愛がって」拷問をしていたのか、首領や他のメンバー共々アジトに待機しており、外で活動をしていなかった。早朝にルパン達の行動に焦り始めた首領により、結社全員を連れて出撃を命令を受けて出陣。
貞千代本人は捕虜の不二子の扱いを気にするが、財宝に頭が支配された首領から「ほっとけ」と指示され、時間がなかったのか下着一枚になった不二子を自身の手で始末をせず吊るし上げて置き去りにする。ララの時とは違い「利用価値がない」との判断なのか、半裸の彼女をそのまま死が待つだけの状態にしてアジトから去り、ゲルトの遺跡へ向かう。
その後はゲルトの遺跡にてルパン率いるゲルト族と結社との戦いのなか、自身の目的の為に戦闘の指揮を執らずにルパンの命を執拗に狙うも、用済みとして捨てた不二子が駆るバイクと共に五ェ門が参戦、彼との雌雄を決する最後の一戦を繰り広げる。
得意のムチを斬られ追い詰められるが、自前の小太刀を使ってなんと斬鉄剣を根元から折る。
折れた斬鉄剣は空高く舞い上がり、勝利を確信した貞千代は「お死にィィイっ!」と勢いそのままに五ェ門を一刀両断にかかるも、真剣白刃取りを決められる。
更に勝利した慢心から貞千代は、不覚にも空から弧を描きながら落ちてきた斬鉄剣に気付かず背後を貫かれてしまい、それが致命傷になってしまう形で息絶えた。
『五ェ門の、馬鹿野郎……』
『貞千代……許せ……』
嘗ての同門で、共に修業した貞千代の死を看取った五ェ門であるが、どうやら彼はあくまでも『貞千代の改心』が本懐で殺す意図は無かった模様(実際、貞千代の背中に斬鉄剣の刃が突き刺さった際は、五ェ門自身も驚愕の表情を浮かべている)。その為、図らずも命を奪ってしまった貞千代に対し詫びる彼の表情は、暗く悲しそうな顔であった。
また、これまでの戦いと違い戦闘の指揮を執らなかったせいか、結社はゲルトのゲリラに制圧されて事実上の敗北になった。
上記の様に終盤でこれまでのルパンワールドでびっくりする程の行為を仕出かすが、設定として “貞千代の使った小太刀は斬鉄剣と同じ素材で作られた小太刀である” と判明した。同じ流派に所属していた過去もあり、設定としても違和感はない。
また、戦い方を見ていると小太刀を使用するのは対五右衛門の時のみであり、日頃はそのドSな性格を満たす為かムチを多用して、有事の切り札や本気で戦わないといけない時のみ使用するような描写である。
不二子のお色気シーンの8割程度は貞千代による功績が大きい(ホテルの襲撃、敵アジトでの尋問、アジトにて放置)。『トワイライト☆ジェミニの秘密』がシリーズでもお色気要素が高い作品と見られることになった功績者でもあった。