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怪奇と謎の殺人事件!姿無き戦慄、透明人間の正体?

概要編集

1954年東宝が『ゴジラ』に次ぐ特撮映画第二弾として製作した特撮ホラー映画。

戦時中の人体実験によって自分の存在を物理的に消された男が普通の人間として生活しながら、彼の名をかたって暗躍するギャング集団に立ち向かう姿を描く。


着ぐるみとミニチュアによる特撮を主体としている『ゴジラ』とは異なり、光学合成が多用されている。

また主人公の透明人間は戦時中の人体実験の犠牲者という設定ではあるが、『ゴジラ』とは異なり反戦は主題となっていない。

後に製作された「変身人間シリーズ」の先駆的作品という扱いになっている。


あらすじ編集

銀座四丁目にて、奇妙な轢死体(中島春雄)が発見された。すぐ近くには遺書があり、それによると彼は太平洋戦争時に結成された旧日本軍の特殊部隊「透明人間特攻隊」の生き残りであり、透明人間がもう一人いるというものだった。

この事件が報道されると、各地で透明人間を名乗るギャング団の犯罪が多発し始めた。

一方、キャバレー・黒船でサンドイッチマンとして働く南條河津清三郎)は、一緒に暮らしている盲目の少女まり近藤圭子)のために「金髪のジェニー」のオルゴールを買ってあげようとする。

新聞記者の小松土屋嘉男)は、襲撃された宝石店を訪れていた南條に着目し彼のマンションを訪れ、そこで驚愕の光景を目にする。

なんと、南條こそが遺書にあったもう一人の透明人間だったのだ。南條は自分の名誉を汚してまりの祖父(藤原釜足)を利用した挙句に殺害したギャング集団の正体を暴くべく、小松の協力を得て独自捜査を開始する。やがて2人の調査の結果、ギャング事件の黒幕は「黒船」の中にいることが判明し…


幻の続編(?)編集

1970年代の東宝のリバイバルブームの流れに乗り、本作の主人公と同じくサイクロトロンにより身体を透明化された透明人間が登場する『透明人間対火焔人間』の企画が立てられたが実現しなかった。詳細は「変身人間シリーズ」の項参照。


関連項目編集

東宝特撮

透明人間現わる…本作より5年前に公開された類似したテーマの作品。『虹男』と共に戦後の日本初のSF特撮作品であり、どちらも大映が制作している。円谷英二が参加しており、円谷は当初はこの映画で大映に入社しようとしていたが叶わなかった。その後、大映は他の映画会社とは異なり、自身のガメラシリーズに円谷の助力を得なかった。

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