概要
ドラえもんプラス1巻及び、藤子・F・不二雄大全集16巻に収録。
スプレーのような容器に入った道具で、何かをしている者に向かって吹き付けるとシャボン玉になってその者の頭に被さり、被った者はやっている事に集中して取り組むようになる。
ただし、一度被ると時間を問わず延々とやり続けるハメになってしまうため、やめさせるには第三者にシャボン玉を割ってもらう必要がある。
ストーリー
ママに帰宅が遅くなった理由を聞かれまいか困ったのび太は、こっそりと塀を登って庭に入るが、そこには硬くなった地面に苦戦しながらも穴を掘るパパの姿があった。せっかくの休みに...とぼやく彼をよそにのび太は部屋に帰り、ドラえもんに宿題を忘れて残されてしまったことを話すと、だから帰ったらすぐにするよういつも言っていることを言われてしまう。
だがのび太はそのことはよくわかっているが、机に向かったとたんに、勉強が難しいやおやつはまだか、遊びに行こうか、漫画を読みたいと言ったことを考えてしまいどうして調子が出ず、少し頭を冷やそうとすると昼寝に至ってしまうことを説明。
これにドラえもんはつまり集中力がないことを指摘し、「集中力増強シャボンヘルメット」を取り出しのび太に使用すると、すぐさま集中力を発揮し勉強を始めた。ドラえもんがおやつやマンガを勧めても集中力は全く途切れず、「ただいま」を言わなかったことを怒鳴りに来たママものび太のこの姿を見ると、頑張ってちょうだいと機嫌良く帰って行った。
そしてちょうどのび太も勉強を終えたのでヘルメットを割ると、のび太本人もこんなに早く終えられることに驚いていた。だがのび太がこの道具を面白がり持ち出すと、穴掘りがちっともはかどっていないパパに使用。
だがその後のび太は空地でジャイアン、スネ夫と遭遇したことで追いかけられてしまい、転んだ拍子に捕まってしまうが、そこに蟻の行列ができていたため、2人に道具を使用。2人が大きな虫を運ぶ蟻を夢中で観察している隙にしずかの家に向かい、去年から編んでいるセーターが中々完成しないことを聞かされると、彼女にもこれを使わせてあげた。
そして更にのび太は集中力が欲しい人を呼び集め、集まってきた人々にもこれを使わせてあげ、人の役に立てたと上機嫌で帰路につく。だがその一方でジャイアン、スネ夫の母親が子供達が帰って来ないことに騒いでいて、やって来たドラえもんからも上記の注意事項を聞かされ皆の元に向かうと、やはり蟻の観察や編み物を続けている状態だった。更にパパもまだ穴掘りを続けていたため、庭に大穴が開いきこれにママはパニックになっていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1986年9月26日に、水田版は2021年6月12日にそれぞれ放送している。
1986年版
- のび太が帰宅するまでドラえもんは漫画を読んでいた。
- ドラえもんはどら焼きを出したり、派手に踊ったりのび太の勉強を邪魔しようとしている。またこの騒ぎを聞いてママは部屋にやって来ていて、のび太が勉強に集中しているのを見た際には嬉し涙を流し、そばにいたドラえもんには勉強を邪魔しないよう注意している
- のび太は公園のベンチの上に立ち、集中力が欲しい人を呼び集めている。ちなみに横には「しゅうちゅう力のない人」という看板も置いてあった。
- ドラえもんは昼寝から目覚めた後のび太を探しに向かっていて、ジャイアン、スネ夫の母親から夜になっても子供達が帰って来ないことを聞かされた。
- しずかの母親は呼んでも返事がないので彼女の部屋まで見に行っていて、そこにドラえもん達が駆け付けヘルメットを割った。またその後もドラえもん達が町の人々のヘルメットを割る様子が描かれている。帰宅後夕食を食べようと思ったが、両親がいないことに気付いて庭に出ていて、ラストではパパの掘った穴に落ちてしまった。
2019年版
- のび太が帰って来るまでドラえもんはどら焼きを食べていた。
- ドラえもんがのび太の勉強の邪魔をし出したのは、ママがのび太の集中力がどうせすぐ終わると思ったからだった。ちなみにママもどら焼きを使ってのび太の集中力をそごうとしている。
- のび太は、ドラえもんがドラミの呼び出しで22世紀に言った隙に、道具を持ち出している。
- 蟻が運んでいたのは大きなクッキーの塊だった。
- のび太は集中力が欲しい人を集めるまえに、ピアノの練習、キャベツの千切り、漫画の仕上げに身が入らない少女、調理師、漫画家にそれぞれ道具を使って作業に集中させている。ちなみにこの後集まって来た人の中には剣の道を究めたいと言う竹刀を持った男性もいた。
- 今回ジャイアンとスネ夫の母親は登場しておらず、ドラえもん達が来た時先述の3人は、まだピアノの練習を続けていたり、千切りのキャベツが店の外にもあふれかえっていたり、漫画の展開をいつまでも悩み続けている状態だった
- ラストではパパが掘り過ぎた穴によって野比家が地面に沈み傾いてしまう事態となった。