概要
『ウマ娘シンデレラグレイ』においては、一握りの競走ウマ娘が己の走りを究めた末に到達し得る領域(ゾーン)として描かれる概念。
スポーツ用語のゾーン(運動中による精神の集中が限界まで達した際に起きる現象)が、ウマ娘がレースで見せる伝説的なスパートとしてアレンジされたもの。
シンボリルドルフ曰く「時代を作るウマ娘が至る、当人も知らない剛脚」「限界の先の先」。規格外のパフォーマンスの代償として消耗は凄まじく、多くは他の競走者を捩じ伏せるかのような獣のごとき末脚として発揮される。
「領域」に至った競走ウマ娘達には「何も聞こえない自分だけの世界」「生まれ変わったような感覚」などと語られ、競走ウマ娘にとっては一種の悟りに近い経験のようだ。
この状態を体験するウマ娘がごく一部であるためか、トレーナーの間でも噂や都市伝説の類とされており、中央のベテラントレーナーとして活躍している六平銀次郎にすら“可能性”の一つとして扱われるなど、理論としては甚だ曖昧であることから意識的なトレーニングはほとんど行われていない。
「領域」という呼称やその効果を把握しているウマ娘もいれば、感覚のみでそれを理解する者、強敵との競り合いの中で独自に「領域」を会得する者、その一瞬に全てを懸けたがゆえの一度きりの発現など、境地に至る道は様々。練度によっては意識的に「領域」を制御することも可能で、レース全体を支配するかのような振る舞いも見せる。
爆発的な豪脚を発揮できる一方、元のスペックがいきなり上昇しているわけではなく、あくまでも極限の極集中力でポテンシャルを限界まで引き出しているようなもののため、「領域」発現者同士がぶつかり合えば当然ながら地力に勝る方が勝つ。また、レーススタイルとの齟齬から敢えて「領域」を捨てる選択をするウマ娘も居り、必ずしも絶対的なアドバンテージとして認識されているわけではない。
劇中でデータ戦術家の側面を見せるメジロアルダンも「領域」については把握していない様子から、読者の間ではその在り様を様々に考察されているが、ゲーム版『ウマ娘プリティーダービー』に登場する類似の概念「固有スキル」の存在もあり、謎はまだ多い(固有スキルの映像は演出であることが判明している)。
「領域」によるスパート描写には個人差があり、瞳が光を帯びる、オーラを纏うなど、バトル漫画のような派手な演出がされるのが特徴。タマモクロスの「領域」を初めて目にしたオグリキャップは驚愕の表情を浮かべているが、タマモクロスの加速に対する反応か、稲妻のようなオーラを見たことによるものかは不明。
闘志や昂揚の度合いによって「領域」が放つ圧力やオーラは強くなるようで、近くを走るウマ娘を委縮させるばかりか、先行するウマ娘にとっては強大なプレッシャーとなって襲い掛かってくる恐怖の対象となる。
またメンタルや体調に問題があると扱いに慣れた者でも発現しない事がある他、全盛期を過ぎると「領域」も衰えていくような描写が見られる。
関連項目
ZONe(ゾーン):エナジードリンクのブランド。2022年2月より『ウマ娘プリティーダービー』とのコラボで、ウマ娘が各々の領域を発動したイラスト付きデザイン缶を発売している。