概要
北朝鮮の航空事業は、1950年に発足したソ連との合弁会社SOKAOが発端であり、同年に始まった朝鮮戦争を挟んだ1953年に朝鮮民航に改められて運行を開始した。その後1993年に航空営業部門が高麗航空として独立した。
1980年代にはモスクワなどへの長距離路線も運行されていたが、東西冷戦終結によって路線は大幅に縮小され、現在は国内線と中国の北京・瀋陽・成都・咸陽線、マカオ、ロシアのウラジオストク線のみ運行されている。どちらも定期便として運行しているのはわずかで、国内線は平壌~元山線のみ、国際線は北京・瀋陽・ウラジオストクが週に2,3便飛んでいるだけ。残りは全て不定期便で、日曜日は飛ばない。かつては名古屋空港や新潟空港にチャーター便が飛来していた。現在は騒音規制に対応できる機材がTu-204くらいしかないことと経済制裁の影響から、日本で見ることは無くなった。
1960年代にはターボプロップ機が導入されたものの、ジェット機が導入されたのは1975年と遅かった(韓国の大韓航空は1969年導入)。
現在の航空機材で国際線に使用できるのはTu-204とAn-148が2機ずつのみであり、他は1960~70年代に開発されたIl-62やTu-154が数的に主力となっている(と言っても機数は合計10機以下だが)。その全てが小型機かナローボディ機で、ワイドボディ機は運用したことがない。政治的に対立しているため、西側の航空機は一切導入したことがない。
その機材の古さからEUはおろか中国でさえも安全基準に達していないとの理由から、Tu-204以外の機体の乗り入れを禁止している。国際線で使えるわずかな機体も現在はロシアのウクライナ侵攻で部品供給に難を抱えるようになってしまい、安全面で不安を抱えている。そもそも経済制裁下で乏しい予算を軍事、特にミサイルや核兵器に優先して回しているお国柄だけあり、端から整備状態が悪かったのでロシアが戦争を始めなくても安全性に不安がある状態だったのだが…
なお、金日成の指示で独立したという体裁を取ってはいるものの、国営企業であることは変わりない。そのため有事の際は軍用輸送に使われるものと考えられている。
サービスレベルも他国に比べると相当に見劣りする。アライアンスに加入していない上マイレージサービスなどは一切無くコードシェアなども行っていない。機内サービスやエンターテイメント設備も整備されておらず、個人用モニターや電源などは備わっていない(一応、北朝鮮の映像や音楽を視聴できるが、内容はお察し下さい…)。機内食に至ってはハンバーガーらしきものが出されるなど、お察しくださいレベルで粗末だった。
これには流石の金正恩も看過できなかったようで、直々に改善の指示が入り多少はマシになった。それでも英国スカイトラックス社の格付けでは唯一の星1(最低評価)、というのは変わりないが。
中外旅行社
在日朝鮮人向けの旅行事業と日本人向けツアーを取り扱っている。
関連タグ
ウマ娘プリティーダービー - 名前のみ登場。この作品では朝鮮民主主義人民共和国主導で朝鮮半島統一が実現されている設定なのか釜山発の路線が存在する。