概要
CV:千葉繁
従来同様に主役級で殆ど毎回登場だが、中盤で2話だけ例外的な未登場回(49話と59話)があった。また、登場しても顔見せ程度の回もあり、過去のシリーズより出番的には控えめになった。前作とは逆に再び本作より全話登場となった目玉おやじの方が目立っている。
アニメーションでは初めて衣装の色が原作と同じ黄色となった。全体的なデザインや表情も一番原作に近く、全身の皮膚病も前作より目立つ。
気付かれず瞬時に人前に現れるなどの、妖怪として神出鬼没さは健在。時折女装化傾向が出る。
相変わらず汚い商売や詐欺まがいの行為で生計を立てている。やはり最後には失敗して大損するので、多額の借金を抱えており、借金取りに追い回される姿も見受けられる(9話では鬼太郎を勝手に借金返済の保証人にしていた。鬼太郎に迫った借金取りは目玉おやじに驚いて逃走した)。
しかし、自作の妖怪シール販売で得た金にて鬼太郎に夕食をごちそうしたり、弁当の配達をしたりと時折真っ当な商売や仕事も行って、一時的に金回りが良くなる事もある。後半では比較的真面目にバイトをして生計を立てる事の方が増え、バイト先で妖怪事件に遭遇して鬼太郎に助けを求める傾向が多くなった。
鬼太郎との距離は総じてこれまで以上に離れており、仲良しとして描かれる場面はかなり少なかった。とはいえねずみ男が気まぐれにラーメンを奢ったり、逆にねずみ男がマンモスフラワーに寄生された時は、鬼太郎が必死になって救おうとするなど、ややドライながらも腐れ縁的な関係となっている。
敵妖怪と共謀して鬼太郎に手を組むように迫って拒絶されるのはシリーズ恒例だが、11話「毛羽毛現とがしゃどくろ」では人間側に非があったため事情を知った鬼太郎がねずみ男の誘いに乗り、(鬼太郎なりに)比較的穏便な方法で人間を懲らしめた(一応、毛羽毛現の封印を解いたのはねずみ男だが、毛羽毛現と和解したためお咎めなし)。
弟ができて喜んだり、結婚を報告した時は鬼太郎も喜んで祝っている。
ねこ娘との天敵に近い関係もこれまで通りで、4期ではねこ娘の容姿が幼いこともあって、大の男が自分より小さい女の子にタジタジになるというコミカルな外見となった。一方で一部の回ではねこ娘が荒れた生活をするねずみ男を気遣ったり、金の為とはいえ必死に汗を流す姿を馬鹿にする金持ち令嬢に激怒した事もある等、腐れ縁なりに絆を育む描写もあった(夜叉に魂を食われて死亡した時、彼女だけは悲しんでいた)。
一方、鬼太郎ファミリーとの関係はシリーズでも非常に険悪となっており、このシリーズから『ゲゲゲの鬼太郎』を視聴した者達から見れば「鬼太郎ファミリー+1人(ねずみ男)」にさえ見えてしまう程。ねずみ男の方は羽振りが良かった際に食事を奢ったり、結婚が決まれば式の招待状を送ったりもする等、他の妖怪達に比べれば親しみや気を許す様子も見せている。
しかし、鬼太郎ファミリー側…特に目玉おやじや砂掛け婆、子泣き爺等からは蛇蝎の如く嫌われており、第3話でねずみ男が夜叉に魂を食われた際には砂掛け婆と子泣き爺からは全く哀しまれないばかりか嫌味を言われ、更に少しでも生き返る素振りがあれば「今更生き返られても面倒なだけ」と言われた挙句に遺体を勝手に火葬されてしまう等、あんまりな扱いを受けている。その後も、鬼太郎ファミリー等を中心に親睦会が行われる事になってもねずみ男だけは仲間外れにされる(流石に妖怪ならば誰でも参加が許される「運動会」では、主義に反する為か誘われたが)のが半ば恒例になっており、逆に誘われても他の鬼太郎ファミリーのメンバーからは嫌味交じりの事しか言われない等、ねずみ男の行動に問題があるとはいえ、時として「鬼太郎ファミリーの方が少し冷淡過ぎるのではないか」と思わせる描写があった。
欲深いが、時に困ってる人を見過ごせない人情深さは歴代同様。孤独や人生観に踏み込んだエピソードも豊富で、4期の1年目ではねずみ男がメインの回=人情話であることが多い。金持ちの娘から「金のためならなんだってする」と嫌味を言われた際には、「その通り。金のためだったらなんだって我慢する。大したことじゃねえ。慣れちまってる!……でなきゃ、俺ぁ生きていけねえ。他に方法を知らねえんだ! でも……俺はこれでも必死に生きている!」と悔しささえ滲ませて語っており、自身の出自に関して苦しんでいる。また、自らの行いにも内心後ろめたさを抱いていた様で、マンモスフラワーに寄生され助かる見込みが無いと思った際は、鬼太郎親子に謝罪しつつ自ら死を受け入れようとしている等、差別を受け続け孤独に生きていた人生に嫌気がさしていた様子も見せている。
24話では跡継ぎに悩む寺の娘を真剣に愛した結果、なんと本人の表現では「けつこん」して住職になっている。尤もその後には過酷な現実が待っていたのだが…。
と、ここまでが4期のねずみ男の有名な概要。しかし実はあまり知られていないが、4期において人情的な描写をされているのは1年目が主。2年目以降は同情的に描きすぎたことを省みてか、どちらかと言えば救いようのないお調子者として描かれることが増えている。例えば迷子になった「百目の子」をたまたま拾った際、親元に届けようとするどころか「金儲けに利用できないか」ということしか考えていなかった。
ただし、妖怪王ぬらりひょんとの戦いでは終始鬼太郎側だった。
声を演じた千葉繁は、お得意のアドリブで狡猾ながらも間抜けで憎めないキャラ付けに一層の拍車をかけた。