615話ショック
ろっぴゃくじゅうごわしょっく
上記にもある通り、『ヒロイン交代!?』『ヒナタルート確定!!』などとネットでも騒がれた原作第615話においてのナルヒナ回のことである。
これは夢か?と思わず疑ってしまう程のナルヒナファン待望、そしてヒナタ大好きアニナルスタッフさん感激のナルヒナ展開。
ところがどっこい。
夢じゃありません、 現 実 です!
繋がれるもの
うちはマダラを長年騙ってきたうちはオビトとの戦いは続いていた。
大切な人だったリンを失い現実に絶望したオビトは、どこか自分自身に重ねあわせているナルトに対し絶望を語るも、それに対しナルトは集まってきた仲間達を「忍連合の術」と称してオビトに立ち向かう。
だがオビトの容赦ない攻撃からうずまきナルトと日向ヒナタを庇い、日向ネジが命を落としてしまう。
「ナルト……ヒナタ様は……お前の為なら……死ぬ……。だから……お前の命は一つじゃ……無い……。
どうやら……オレの命も……その……一つに……入ってた……ようだ」
オビトは仲間の死をナルトに突きつける。
「”仲間は絶対殺させやしない”と言ったお前のその言葉···さあ···辺りを見て···」
もう一度言ってみろ
強い決意の直後に直面した仲間の死という現実を前に、ナルトの信念はついに揺らいでしまう。
「これからコレが続く…お前の軽い言葉も理念も偽りになる。理想や希望を語った結果がコレだ、これが現実なんだ。ナルト…この現実に何がある!?父も母もいない、師の自来也も……そしてお前が対立する限りこれから仲間もそうやって次々いなくなる…お前を認める者が存在しない世界だ…その先に待っているのは…お前もよく知る最も恐ろしい…」
孤独だ!
長門と対話し、己の闇と向き合い、九喇嘛とも和解したナルトだが「誰からも認められなかった」というコンプレックスはナルトにとって大きな傷だった。そして目の前にいるオビトもまた「孤独」を最大の恐怖としている者であり、境遇や抱いていた夢…何から何までもが似過ぎていたオビトの叫びはナルトの心を大きく揺さぶり、そして重く圧し掛かった…。
オビトの誘いに手を差し伸べかけた時……
ペチィ!
そんなナルトの頬を叩き正面から諭し正気に返らせたのはヒナタだった。
命がけの覚悟と共に散って行ったネジや仲間の死を無駄にしない様、共に前へ歩もうと、ナルトに手を差し伸べる。その手を握り返したナルトは、命がけで自分を守ってくれたネジの死に報いるため、そして仲間たちを守るために、自らの横から叱咤して立ち直らせてくれたヒナタと共に決死の覚悟で立ち上がるのだった。
「私と一緒に立とうナルトくん···まっすぐ自分の言葉は曲げない···私もそれが忍道だから!」
ネジの言葉を思い出すナルト。
(ナルト···ヒナタ様はお前の為なら死ぬ···。だから···お前の命は一つじゃ···無い···)
ナルトの頬に手を添えるヒナタ。
(次はナルトくんの横にいてしっかりアナタの手を握ったまま······同じ歩幅で歩きたいんです!)
その手をぎゅっと握り返したナルト。
「ヒナタ···ありがとう!」
そのまま二人、手を繋いだまま立ち上がる。
「···お前がオレの横にいてくれたおかげだ···」
(ナルト君の手って···大きくて···強くて······何より···)
九尾モードのチャクラがナルトの手から伝わり、ヒナタをも包む。
(とっても安心する···)
「行くぞヒナタ!!」
「!!う···うん···!!」
そしてここから忍連合が反撃に転じることになり次回に続くが、ここで最後のコマに書かれた煽り文は、
この手は決して離さない!!
である。
この回が掲載された64巻は火の鳥のようになってナルトとヒナタを庇うネジと、手を繋ぐナルトとヒナタの表紙が掲載されている。
なおこの後ヒナタは九尾モードが切れピンチに陥ったナルトの前に連合軍の忍達を束ねて立ちふさがったり、ネジに教わった八卦六十四掌を十尾の分裂体にくらわせるなどかなりの成長を見せている。
この時オビトはナルトに対して仲間を失っていく場合「誰も認める者が居ない孤独」があると説き伏せようとしているが、ナルト自身もこの時点で気づいているかは不明だがヒナタはナルトが多重影分身を取得する話(第1話)の前からナルトの事を認めていたというのも対比になっているのかもしれない。アニメではネジを喪った状態でオビトの煽りに呆然状態のナルトを横で見守るヒナタが描かれている。
原作者は最後まで復活しなかった事について漫道コバヤシの中で「ネジにはナルトとヒナタがくっつくためのキューピッドになってもらいました」と言い、ネジがあまりにあっけない最期を迎えたことについては、『THE LAST』の上映を記念して行われたインタビューにおいて「死って意外なほど突然来るんですよ。それまで、例えば自来也の死のシーンとか、わりとねちっこく演出することもありましたが、ネジのときはそれをあえてやめました。死は突然だし、戦場の中で感傷に浸る余裕もない。いつ誰が死ぬか分からないという覚悟がないといけないし、丁寧に描き過ぎればウソくさくなる」とその意図を語った。しかし逆に読者からは多くの非難や批判が殺到してしまった。ちなみに奈良シカクや山中いのいちも復活していない。
この衝撃から約2年。
連載終了も決まり、最後の劇場版公開日や完成披露試写の日取り、新時代開幕プロジェクトなど続々と読者に情報解禁される中で、
・・・・・まさかと思う事態にNARUTOファンは驚愕した・・・!!
まさかの劇場版NARUTO最終作である映画『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』の主題歌、スキマスイッチ「星のうつわ」のジャケットにてナルトとヒナタの意味深なビジュアルが公開された。
またキービジュアルでナルトが巻いている赤いマフラーは作中のキーアイテムであり、今作のテーマが「愛」であるため「ヒナタの手編みではないか?」と噂されていたが、後に間違いなく彼女が編んだものと判明する。
これまでの劇場版NARUTOのヒロインはオリジナルヒロインか七班のサスケ、サクラである事が多かったが、『THE LAST』においてはヒナタも主要ヒロインとしてナルト最後の物語と銘打たれた作品に関わる事が示唆されている。
また11/10に原作では最終回を迎え、15年の長きに渡る歴史の幕を閉じた(奇しくもナルトの誕生日と1ヵ月違いである)。
最終回第700話では劇場版のメインヒロインに選ばれただけで浮かれていたファンも無限月読の術中にはまったと錯覚する驚愕かつ感謝感激のエンディングが用意されているが敢えてここに記すことはやめておく。是非皆様のその肉眼で確かめて頂きたい。
予告トレーラーにもある通り『THE LAST』はナルトとサスケの激闘から2年後の設定で、原作の最終話は更に約10年後の未来を描いている。
文字通り原作の『空白』を埋める最後の物語が、約束されたハッピーエンドであったとしても、アニナルファンの方や、まだ最終話を読んでいない多くの読者と一緒にまっさらな気持ちでNARUTO最後の物語を見届けよう。
当項目を凌駕する最後のナルヒナショックが世界中のナルヒナファンの前に迫っていた──!