概要
RPGツクール2000製のフリーゲーム。「ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース」がメインの世界を舞台に、スタンド能力に目覚めた主人公が空条承太郎たちと共にエジプトへ旅をするという内容の二次創作RPG。最新版はWindows版、ブラウザ・Android・タブレット・スマートフォン版共に、2017年12月に更新されたVer2.5.0。
試作版であるver0.0から公開されていたが、2010年12月25日にver1.0が完成。2011年7月18日にver1.8が公開され、原作である三部ほぼ全てのイベントが再現された。2006年の開発開始から、途中での開発データロストを経て実に4年の月日が掛かった事になる。様々な困難を乗り越え作り上げたあなたの命がけの行動ッ!僕は敬意を表するッ!
ストーリー
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主人公は謎の声と運命に誘われ、ジョースター一行の7人目の同行者として彼らの旅に加わる事になる。時間軸のズレた異質な世界は“何巡目かの世界”なのか?
全ての謎を解く鍵は、100年の眠りから覚めた男が握っていた。
(公式サイトより)
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承太郎の学校に通う同級生が、とある事情でスタンドを授かった事で第三部の物語に巻き込まれていく。ストーリーはジョジョ第三部を忠実に再現しつつ、主人公の存在は原作を破壊せず自然な形で紛れ込んでいく。メインストーリーは第三部だが、第一部から第七部までのネタが絡んでいるので、ジョジョを読み込めば読み込むほど物語の本質を理解できる。
逆にジョジョを全く知らない人でも、「スタンド」が初めて登場した第三部の冒頭で、スタンドが何か、DIOが何者かなどを詳しく説明する場面を使ったチュートリアルが採用されているので、未読であってもすんなりとジョジョの世界観に入り込める仕様になっている。
グラフィック
ゲーム画面は全てモノクロ4色で構成されている。
これは原作連載当時(1989年)に発売された任天堂の『ゲームボーイ』を意識したもので、同時に漫画原作の雰囲気を壊さない為の仕様である。(荒木先生は公式カラーを決めない為)
ちなみにマップチップ等のドット絵はGBサガシリーズをベースに作られており、ゲーム中にもしばしばサガ関連のネタが出てくる。サガ好きなら更に楽しめる事請け合いだが、RPGとしての完成度も高いのでジョジョもサガも知らなくても楽しめる。
ゲームシステム
敵とはおなじみのターン制バトルで戦う…が、攻撃方法となるスタンドには、主人公専用のオリジナルスタンドを含め、遠くの敵には攻撃がほとんど通らない「近距離パワー型」、力は弱いが貴重な回復役となる「遠距離補助型」など総勢18種類ものタイプがあり、敵との相性や状況に応じて戦略を練らないとザコ相手にも苦戦する戦闘システムになっている。更に、序盤を過ぎると仲間と一緒に行動できるようになり、それを前提にしたバトルとなるので仲間との連携も必須になってくる。
主人公を細かく設定できるのも特徴で、ゲーム冒頭の性格占いによって主人公のスタンドが18種類の中から選ばれ、主人公の性別、体格、名前だけでなく口癖や語尾まで好きに設定できる他、「主人公特性」で好きな物や苦手な事、体質まで付加する事ができ、それらがゲーム中で反映される。(例えば女好きで美女に靡いたり、泳げなくすると水中戦で溺れたりもする。病弱や悪役にもできる。)
なお口癖や語尾はゲーム中、自由に変更可能。
スタンドごとに性格が異なるため、旅の途中のイベントではそれぞれスタンドに応じた展開やセリフが楽しめる。(その種類は最大36パターン)
スタンドによるイベントの違いに加え、二周目以降でないと発生しないイベントもあり、一周目だけでは全てのイベントを網羅することはできない。周回プレイ推奨。周回すればするほどイベントが変化したり増えたりもする。
2012年3月、ver2.0にて条件を満たすと第四部「ダイヤモンドは砕けない」の主人公・東方仗助でプレイできるようになった他、RPGツクールによる対戦機能まで実装された。
更に同年5月にver2.1が公開、新たに主人公が敵勢力に寝返るルートまで用意され、DIO様の手下になる事も、そのDIOすら裏切る事もできるようになった。それに伴い、『邪悪度』という概念が追加され、旅の途中で悪い事をすると上昇していき、その度合いに応じて物語の選択肢や主人公の立ち振る舞い、果ては仲間の主人公への態度まで変化するようになった。
そしてver2.2ではその裏切る理由や主人公の立ち振る舞いもスタンド18種類全てで異なるようになり、おまけに同じエンディングでもスタンドによって展開が微妙に変わるようになった。
ver2.3で仲間とのエンディングに最低でも54パターンの後日談が追加され、実質60種類以上のエンディングを楽しめる事になった。ver2.45では新たな体格も増え、絵などの一部も一新された。
2014年には有志によって翻訳された英語版・韓国語版(外部リンク)が公開されている。
また、現在はPLiCyを介してWindowsだけではなくMacのブラウザやスマホ・タブレットでもプレイできるようになった。
ver2.5.0からカオスモードが搭載された。このモードは様々な場面で通常の展開とは大幅に変わる可能性を秘めた“通常プレイに飽きたプレイヤー”向けの特殊なモードで、例えば花京院の当て身で○○が本当に気絶したり、ネタエンディングが追加されたりなど、名前通りカオスな状況が巻き起こる。
作り込みの数々
このゲームは無料公開されているが、その内容は非常に充実している。下記はその一例。
- ジョジョ第3部、単行本12巻-28巻の計16冊分の物語をほぼ全てテキスト化して再現してある。
- 主人公の18種類のスタンドごとに発生イベントも会話も違う。性別、友好度、習得した技、主人公特性で変わる場面もあり、そのパターンは異常に豊富。
- ジョースター一行には友好度が設定されており、親しい仲間がピンチの時は力になれる か も。また、友好度の高さによって様々な場面で仲間の反応が変わってくる。
- 条件を満たすと使える主人公と仲間の合体技は、18種類のスタンド×仲間6人+共通技1種の全109種類。しかもラッシュ技の際のセリフ(例:オラオラ)まで設定可能。
- 19種類のマルチエンディング。しかもスタンド・性別・邪悪度で同じエンディングでもセリフが違う。エンディング後の後日談は更に54パターンに分岐する。
- MAP総数約400、技総数約600種類以上、ミニゲームも複数開発して収録されており、そのボリュームはもはやフリーゲームとしては類を見ない。
- 周回プレイ、イベントスキップ機能、特典、隠しルート、隠しキャラ、親切機能&やりこみ要素完備。カオスモードの導入により、作者曰く「ノーリセットなら二度と同じ物語にならない」という。
- RPGツクールなのに対戦機能までついていて、プレイヤー同士で交流できる。
- オリジナルキャラは全部荒木風に書き下ろされたもの。
- イベント総数に至っては、作者自身も数え切れなかったぐらい多い。
主人公用のオリジナルスタンド
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レッド・ガーランド(近距離パワー型)
赤い鎧の闘士のような人型スタンド。両手の拳で攻撃する。また殴った相手の精神を過敏・愚鈍にすることができる。ただし、パワーがありすぎるため命中精度はあまりよくない。逆に言えばパワーだけなら間違いなく最強クラス。
ハウリン・ウルフ(中距離パワー型)
狼型スタンド。遠吠えを衝撃波として放つことができる。狼型なので、もちろん噛み付いたり爪でも攻撃できる。パワーが強く瞬発力もあり、瞬間的な破壊力に富む。全体的にバランスの良いタイプ。犬?系スタンドの為イギーとのイベントがある。
オーシャン・ブルー(遠距離パワー型)
体液にパワーを与えて撃ち出すスタンド。汗、唾、涙などにスタンドパワーを込められる。込めた体液に触れるとスタンドで殴ったような打撃パワーや衝撃パワーを与えられる。体液が媒介の為、本体の消耗も激しいのが欠点。
ザ・ジョイキラー(近距離スピード型)
手斧を持った人型スタンド。某殺人鬼風のイメージ。斧は切った物を徐々に腐らせることができる。パワー自体は然程高くないが、その手斧は物質を透過し物体の硬度を無視して内部を切り刻むことができる。ただし、スタンドは透過できない。
ソニック・ユース(中距離スピード型)
音を操るギタリスト風の人型スタンド。弾いたメロディを真空刃にして飛ばすことができる。また、メロディを調節すれば音の波紋化もできる。音の反射を使ったレーダー機能も持つ。音による催眠効果で様々な効果を生み出せる。
ワイルド・ハーツ(遠距離スピード型)
大きな獣人型スタンド。狼男風のイメージ。高速で動き動物を捕らえる肉食獣のようなスタンド。パワーは強くないが、鋭い爪と牙を持っている。自動追尾能力と自我を持っているが知性は低く荒々しい。本体の意志と関係なく飛び出す事もある。また、唯一2回攻撃するスタンドでもある。動物型スタンドのハウリン・ウルフと同様、イギーとの専用イベントがある。
ディープ・パープル(近距離操作型)
煙状スタンド。空気中の気体密度を操作できる。気体を毒性の物に変えたり、気圧を変化させたり空気中の水素と酸素で爆発をさせたりできる。その性質上特に多人数の相手を得意としているが、射程は自分の付近のみと短い。煙はドクロ顔のついた壷から出入りする。
ピクシーズ(中距離操作型)
小さな物や生き物に侵入し操作する樹木型スタンド。アンテナの役割を果たす妖精型スタンドパワーを放つ。妖精型エネルギーが侵入した物体を操る事ができる。ただし子供が持てる程度の重さしか動かせない。妖精を複数送り込めば、その数だけ力や操作点が増える。また、根を地中深くまで降ろして地面を操作する事もできる。
ミラクルズ(遠距離操作型)
他人の意識を操作する事ができるスタンド。生体電気を相手に取り付かせて操作する。それにより他人に自分の存在を気付かなくする事ができる。更に強い暗示を掛けてダメージを与える事もできる。また、拒絶する事で攻撃を反射する事も可能。現時点で最も多くのスタンド専用イベントがある。その為か、pixivでは最も多く作品がある。
ナパーム・デス(近距離特殊型)
『爆』の文字をナパーム弾に変えるスタンド。スタンド体のペンで書いた『爆』の文字が爆弾になる。文字が大きければ爆発も大きくなるが、射程距離は同じ。爆発は10秒以内であれば時限爆破もできる。また、成長すれば更に文字のレパートリーが増える。
カーペンターズ(中距離特殊型)
スタンド工具で物体を作り変える人型スタンド。生物・無機物問わず改造・分解などが出来る。改造後の相手にダメージ等はなく、普通に活動できる。パワーは然程強くはないが、スピードはある。ただし精密度はあまり高くない。
クイック・シルバー(遠距離特殊型)
金属や鉱物をエネルギーに変換するスタンド。本体の腕にスタンド体の砲台が現れる。スタンドエネルギー体に作り変えて発射できる。言わば金属を燃料にするスタンドレーザー砲。単純な破壊力だけなら間違いなくトップクラス。ちなみに一応着脱可能。
カーディガンズ(近距離補助型)
ナースの姿をした補助系スタンド。スタンドパワーで医療器具や薬品を生成して人や動物を治療する事ができる他、それらを使った攻撃も可能。クレイジー・ダイヤモンドと異なり病気の治療も可能で本体にも有効だが、治療はあくまで医学的措置のため、本体の知識及び技量を上回る措置は不可能。純粋なパワーは弱いので注意。
キャラバン(中距離補助型)
アイテムを作り出せる商人型スタンド。物質の原子配列を変えて、別の物に組み替えられる。完全に自立思考し、本体とは商売関係として接する。本体の精神力を代金代わりに、物質を生成する。
Mr.BIG(遠距離補助型)
大きなライフル銃型のスタンド。スタンド体の弾丸を発射する。弾丸は特殊効果があり、攻撃よりむしろ補助用。状態異常を引き起こしたり、逆に回復したりできる。一応、スタンド銃で直接殴ったりもできる。|
スペシャルズ(近距離群体型)
人間サイズの武装した覆面黒服のSP型スタンド。全部で6体いて本体の指令に忠実に動く。自我を持ち、それぞれ性格が違う。しかしパワー自体は通常の人間程度なので弱い。ダメージはそれぞれ相当部位に1/6で伝達される。
ファラオ・サンダース(中距離群体型)
雷で出来たエジプト従者型群体スタンド。全部で30体。触れれば感電させる事ができ槍で突き刺して攻撃する。ただし電圧も低く破壊力はそこまで高くはない。スタンド体は電気の塊で、物理攻撃は通用しないしスタンドの攻撃自体も分散化できる。
アダム・アント(遠距離群体型)
小さな虫型群体スタンドで全1000体。生物に侵食する。個々に意志はなく、近くの生物を食らう事に執着する。破壊力は低いが、敵の戦意を奪う事には特化している。尚、虫がやられても本体にフィードバックはない。しかし本体も放つだけで細かな命令は与えられない。
pixivにおける7人目のスタンド使い(三次創作)
上記の設定によってオリジナル主人公を作れるためか、pixivでは主人公イラストが多い。
また、いわゆる「よその子」描き合いが自然発生しているため、「7人目のスタンド使い」タグでは今のところ 企画目録などもなく交流が進んでいる。
(※2012/03/11追記)
現在、あまりにも主人公イラストが増え、ゲームキャラやゲームネタに関するファンアートの検索が困難になっている。そのため「うちの子」主人公が主体となるイラスト・漫画について、描き手は「七人目の主人公タグ」をつけるなど、タグ検索を意識し投稿することが望ましい。
(追記終わり)
(※2013/3/13追記・7/30修正・10/15再修正)
「7人目のスタンド使い」自体はあくまで一般向けのゲームであるが、女主人公が存在し友好度も設定されていることから、NL要素を見出す楽しみ方も存在する。しかし、特に女主人公とメンバーのカップリングは原作キャラ×非公式二次創作キャラのCPであり(フーゴ×シーラEなどは原作キャラ×公式二次創作キャラのCP)、かつメンバーに人気キャラクターが多いためかなり微妙な立場にある。加えて、オリジナル要素の強い主人公とのカップリングは夢に近いものとなる。
これらの事情を踏まえ、「7人目のスタンド使い」「七人目の主人公」タグではCP要素を含む作品の投稿は推奨されていなかった。
そこで、そういった作品を投稿する場として「7スタNL」タグが設けられた。
主人公のオリジナル要素が強い(夢に近い)・強くない(NLに近いに関わらず、
①キス・抱き締め合う(友情ととれる程度のボディタッチや原作の範囲内での接触除く)・押し倒す・R18など、明らかに友情ものとは解釈できない要素を含む作品
②①に含まれなくとも、投稿者が明確にNLと認識している作品
は「7スタNL」タグで投稿することがのぞましい。
なお、「7人目のスタンド使い」「七人目の主人公」タグとの併用不可。
また、過去にトラブルが発生したため、「この作品にはNLタグをつけるべきではないか」といった類の議論をコメントで行うことは一切禁止されている。
詳しくは「7スタNL」の記事を参照のこと。作品を投稿する場合は一読されることを強くオススメする。(追記終わり)
主人公にはスタンドに応じたデフォルト名(名前設定で空白で入力すると出てくる名前)もあるため、特に設定がない場合はデフォルト名が名づけられている。攻略wikiにて確認可能。
ちなみに作者のクレイマン氏も、スタンドやキャラの設定解説を兼ねたイラストや漫画を投稿している。なお、原作の女っ気が薄かったせいか、男主人公よりも女主人公の方がイラストは多いようである。
関連リンク