概要
DD51 507号機から改造されたディーゼル機関車。
それまで豪雪地域の除雪列車に使用されていたDD14が単独では排雪能力や速度面に不足があり、DD13やDE10を補機として連結したり、DD14を2両連結した背向重連で運転したりするなどしていた。しかしこれらの措置は効率が悪く、機関車1両で1,000馬力クラスの出力を持ち、自走可能という条件を持つ新型除雪車が望まれてDD17は誕生した。
構造
代車・エンジン・ブレーキ・電気機器などは種車のものを流用し、液体変速機には除雪ロータリー用の出力軸を増設した。軸重は14トンに固定。
エンジンを2基搭載するが、1基は1常に走行用、もう1基は除雪用として固定。雪のない時期に走行する場合、ラジエーターの能力の関係上エンジンは1基のみ動かす。また除雪作業中にエンジンが故障した場合、エンジン1基で走行と除雪装置の駆動を行うこともできる。
除雪装置の配置は両頭式で、後補機の連結には対応しない。
車体は種車の凸型を放棄し、箱型の両運転台式を新造している。
運用
老朽化したDD14初期型の置き換えに使われることとなったが、降雪量の減少に伴う除雪列車の運転頻度低下やローカル線の相次ぐ廃線で置き換え需要が減り、1両が改造されたに留まった。
この1両は郡山に配置され、1984年冬から奥羽本線板谷峠区間の除雪に投入されたが、除雪作業中に脱線する。1度は復旧するも再び脱線し、脱線対策工事を行って常駐先を会津若松へと変更。磐越西線や只見線などの除雪に用いられたが、DD19形へ改造されるため運用を外れた。
DD19への改造
1992年より奥羽本線福島-山形間を狭軌から標準軌へ改軌して新幹線から直通列車を走らせることになり、当該区間の除雪車として1両1形式のDD17が抜擢された。
主な改造点は標準軌台車への交換で、この時にDD51から引き継いだ部分は外観からほぼ消えている。
改造後はDD17として登場した際に使用された板谷峠区間の除雪に主に使用され、豪雪時の切り札として山形新幹線の運行の安定を守った。
老朽化により動力車操縦者免許の要らない保線機械扱いのENR1000形が後継車に就役したため、2007年冬シーズンの終了とともに運用を離脱。2008年9月に廃車された。