概要
ドイツおよびその周辺国でしか話されないマイナー言語のドイツ語で、楽曲の殆どを作りながら全世界に熱狂的なファンを持つことで知られる。ハリウッド映画にも楽曲を多数提供している。
メンバー全員が東ドイツ出身、長身(最長身203cm、最低身長178cm)という異色のバンド。通常東ドイツ出身者は歴史的経緯や方言の響きからドイツにおいてしばしば田舎者、ひどいときには二級市民扱いされるのだが、彼らに限って言えばドイツを代表するバンドとして多くの人々に受け入れられており、その点でいかに特異な存在かわかるであろう。
楽曲としては正統なメタルの"Ich will"、"Feuer frei!"などが高く評価されているが、ホモビ同然のPVを採用した"Mann gegen Mann"、卑猥&国辱モノのPVのためアダルトサイトで発表された"Pussy"、どう聴いてもニートソングの"Keine Lust"などネタに走った曲でも評価を得ている。
ライブでもそのぶっ飛びぶりは変わらず火炎放射器を振り回したり、ホモセックス(流石にボディアクトだが)をやらかして逮捕されるなどネタに事欠かない。
そのマッチョな曲調と風貌からネオナチと誤認されることもあり、それに対する返答を曲で以って応えたこともある("Links 2-3-4")。この歌詞の通り彼ら自体は左派を自認しており、メンバーの一人に至っては旧東ドイツでの生活に満足していたことをまるで隠さない人物もいる。
メンバー
- リヒャルト・Z・クルスぺ(Richard Zven Kruspe, 1967/5/24~) リードギター。バンドの結成者。2005年にエミグレイトを結成し、兼業している。布袋寅泰やVAMPSとの合作も発表しているなど、日本人アーティストとの関わりもある。
- ティル・リンデマン(Till Lindemann, 1963/1/4~) リードヴォーカル。バンドのフロントマン。1988年ソウルオリンピックにも控え選手として出場した水泳選手。2015年からはソロとしても活動している。詩人でもあり、父親のWerner Lindemannに勝るとも劣らない詩をインスタグラムなどで投稿したり、詩集を出版している。ライブの火炎放射などの演出は彼がパイロの資格を持っているから。
- パウル・ランダース(Paul Heiko Landers, 1964/12/9~) リズムギター。ライブではリヒャルトとのダブルギターということもあり、イチャイチャしてることが多い。一部の曲ではギターソロのラストでキスするパフォーマンスもあり、それを題材にしたカップリングはPaulchardと呼ばれる。
- クリストフ・ドゥーム・シュナイダー(Christoph "DOOM" Schneider, 1966/5/11~) ドラム。ドゥームの名付け親はパウルで、由来はFPSゲームのDOOMから。長髪だったり短髪だったりする。その髪型からか、MVでは女装することも。
この左端。
- クリスティアン・フラーケ・ローレンツ博士(Dr. Christian "FLAKE" Lorenz, 1966/11/16~) キーボード。ライブではルームランナーをステージに埋め込み、歩きながら演奏する。MVやライブでのオチ要員。ティルに料理されたり、アフリカの辺境に取り残されたりしている。2024年にいきなりソロデビュー。
オリジナル・アルバム
- ヘルツェライト / Herzeleid (1995年)…収録曲の内2曲がデヴィッド・リンチの映画『ロスト・ハイウェイ』に劇中歌として使われた。また、その内の1曲は空耳としても有名→混ぜて飲んでぇ
- 渇望 / Sehnsucht (1997年)…"Du hast"、"Engel"など、バンドの中でもトップクラスの名曲を収録。
- ムター / Mutter (2001年)…2020年の東京パラリンピックのドイツ選手の応援歌にもなった"Ich will"、ウクライナのプロボクサー・ビタリ・クリチコの入場曲候補だった"Sonne"、映画『xXx(トリプルX)』劇中歌の"Feuer frei!"など、バンドの黄金期ともいえるアルバム。
- ライゼ・ライゼ~南船北馬 / Reise, Reise (2004年)…日本では曰くつきのアルバムであり、一時期は検索してはいけない言葉にもなっていた。1曲目の0秒から巻き戻すとあの音声が…?
- ローゼンロート / Rosenrot (2005年)
- 最愛なる全ての物へ / Liebe ist für alle da (2009年)…「生きてるか?痛ぇー」「やった アスパラです」など、このバンドにおいて空耳アワーに投稿されたネタの約半数はこのアルバムから。
- タイトルなし (2019年)
- ツァイト / Zeit (2022年)