オ前ノ血ハ山岡ノモノダ…
※タグに関して
「THE ONI」と半角スペースがあるタグが散見されており、別作品のONIシリーズのイラストと検索時に混ざる弊害が発生している。DbDの鬼のタグに関しては半角スペースの発生しない「THEONI」の使用を推奨する。
概要
『Dead by Daylight』に登場する殺人鬼(キラー)の一人。
2019年12月4日にリリースされたDLC『Chapter XIV: "Cursed Legacy"』にて実装された。
呼称の意味は、読んで字の如く「鬼(おに)」。
その名の通り本作二人目の日本人キラー。また先行して登場したTHE SPIRIT(スピリット)こと「山岡凜」の先祖で、彼女の経歴の中でも語られている山岡家の礎を築いた初代当主・山岡練次郎(れんじろう)の息子でもある。
人物
プロフィール
返り血でくすんだ禍々しい具足に、牙や三つ目のあしらわれた赤い鬼の面を身に纏った大男。
不気味になびく白髪は子孫であるスピリットにも似ている。
得物として手には日本刀(太刀)、背中には鬼の金棒を背負っている。
背景
鬼の山岡
侍として隆盛した山岡家に生まれた崋山は、その偉大な家名に病的なほどの敬意と誇りを抱いて育ったが、それだけでは満足できず、父の名声を越えんとする野心も内包するようになっていった。
農民たちが自らを「侍」と名乗るなど武士という立場が軽んじられる現状に強い憤りを覚えた崋山は、侍という文化を守るという独善的な思想の下、父の刀を手に野を駆け山を駆け、ニセ侍たちを殺害してはその備品を剥ぎ取るという凶行を繰り返すようになる。
いつしか人々から「鬼の山岡」と呼ばれ怖れられるようになるが、これにも崋山は「家名の侮辱」として怒り狂い、己を「鬼」と呼ぶ者を片っ端から惨殺するようになる。ついには、その悪名を付け世に広めた発端でもある当時の領主を殺そうとまで考え、彼のいる町に足を踏み入れた。
目的の町では、待ち伏せていた領主の手の者と思しき侍と対峙し刃を交えることになる。自身を上回る卓越した剣術に苦戦を強いられるも、トドメを討たんとする剣を躊躇する一瞬の隙きを突き、崋山は侍の頭を金棒の一撃で兜もろとも叩き割った。しかし、なんとその侍の正体は尊敬し続けた父・練次郎であり、気付いた崋山はその場で崩れ落ちる。息子を止められなかった後悔に滲む目を向けながら息絶える父の姿をみた崋山は慟哭し、後悔の涙を流した。加えて、父の遺体を見るや盗人たちが駆けつけ、その備品を亡骸もろとも奪い去っていく姿を目の当たりにした。
悪名から真の「鬼」へ
家名のため、侍のためにおこなってきたこれまでの行為の無意味さと、それに気付けず憤怒のままに盲進し続けた己の未熟さ、その結果招いた父の喪失など、多くの心痛を背負った崋山は、その後は宛もなく放浪し、行き場のない怒りの中に身を落としていく。そんなある日、とある森の中で鬼を象った奇妙な像を見つける。頭の中で去来する、鬼の像や父の嘲る声の幻聴を受けた崋山は、領主への怒りを再燃させ、その行き場のない怒りの矛先をすべて領主へと向けた。
領主の町へ再び赴くと、領主を守るために厳戒態勢で構える十数人の侍たちが立ちはだかるが、崋山はこれらをたった一人で叩き殺し、とうとう領主の屋敷まで押し寄せる。崋山を怖れ命乞いをする領主の言葉など耳を貸さず、彼の足の腱を斬って自由を奪い、拳を叩きつけ、偉大な山岡家を「鬼」と呼ぶその邪悪な舌を引き抜き惨殺した。
報復を済ませ、満足してその場を立ち去ろうとする崋山を、領主を慕う無数の農民たちが鎌や三叉、棍棒を持って取り囲んだ。四方八方から次々に襲いかかる農民たちを前に、ついに崋山は捕らえられ、その後も小さな石臼の中で農民たちから惨い拷問を受け続けた。拷問が止むと、最後には放置され、痛みと空腹、孤独による過酷な死が与えられた。
しかし、農民たちが様子を見に戻ると石臼は不気味な黒い霧に包まれており、霧が晴れると中に居たはずの「鬼」の姿と、多くの血を吸った彼の金棒は忽然と姿を消していた。そしてそれは、憤怒に駆られた鬼の闇伝説の始まりでもあった。
性能
基本情報
移動速度 | 4.6m/s(通常)、3.45m/s(血玉吸収)、7.82m/s(鬼の進撃) |
---|---|
心音範囲 | 32m |
視点 | 高い |
凶器 | 山岡の刀 |
父・練次郎から継承した切れ味鋭い日本刀。幾多もの腐敗した侍たちを屠ってきた。 | |
固有能力 | 山岡の怒り |
根城 | 怒りの聖所(Sanctum of Wrath) |
山岡邸内にある、周囲に複数の地蔵が建てられた神社。 |
スピリットが「扱いやすくしたナース」なら、こちらも例えるなら「小回りの利くヒルビリー」。
彼に比べると能力発動に準備が必要なかわりに高速巡回と一撃ダウン攻撃が別々に使えるようになり、少し使い勝手が良くなっているという性質になっている。
一方、血の怒りを発動するまでは全く無能力の徒歩キラーであり、能力の補助なしに生存者を負傷させなければならないためプレイヤーの地力が求められる。
メメント・モリは、刀で地面に串刺しにして身動きを取れなくしたサバイバーから舌を引きちぎり、さらに棍棒で執拗に叩き潰すというもの。子孫であるスピリットも執拗なまでにトドメを刺すあたり、山岡家の血筋の残虐さがうかがえる。
固有能力
山岡の怒り(Yamaoka's Wrath)
無傷の生存者を攻撃を当てるか、負傷した生存者が出すオニにのみ見える血の玉を回収することでゲージを貯め発動できる。
発動すると雄叫びを上げ、一定時間怒り状態となり武器が棍棒へと変化し、赤いオーラに包まれる。このときオニは「鬼の進撃」と「鬼の一撃」の二つの能力が使用可能となる。
「鬼の進撃」は棍棒を振りかざし高速で移動する能力。ヒルビリーのチェーンソーダッシュと似てはいるがぶつかってもスタンしないなどまた別物。
「鬼の一撃」は棍棒を振りかざし叩きつける技。生存者を一撃でダウンさせることができ範囲も広い。
ヒットした場合、強制的に棍棒を2回叩きつけるが、このモーション中にも攻撃判定がある。このためフック下で救助者にヒットさせると救助された側にも攻撃を食らわせることができる。この二つの能力は併用可能。
「山岡の怒り」は生存者を担ぐとゲージが減ってしまうため、生存者をダウンさせたら次の獲物を探しに行くとよい。
血の玉は生存者が治療しない限り出続けるので、回収しなければ追跡にも使える。そのためたとえチェイスでオニを撒いても治療しない限り追い回され続けることとなり、それを避けようと時間のかかる自己治療を行うと大量の血の玉をその場に残してしまう。
このため目立つ場所で治療するのは考えもの。救急セットや「植物学の知識」「調剤学」「きっとやり遂げる」などで時間をかけずに素早く治療することが望ましい。
固有パーク
2024年10月現在の効果。
残心の戦術(Zanshin Tactics)
範囲内にあるパレットと乗り越え可能な地形を見えるようにするパーク。「ウィンドウズ・オブ・オポチュニティ」のキラー版。ただし生存者を負傷させると解除される。まだマップに慣れていないときなどに有効だが、やっていくうちに覚えていくため重要性はあまり高くない。
血の共鳴(Blood Echo)
生存者をフックに吊るすと、他の負傷している生存者に出血効果を与え45秒間疲労状態にする。負傷状態をばら撒く。疲労状態では発動不能な移動速度を上昇させる系のパークを使用不能にできる。
天誅(Nemesis)
パレットやライトで目くらましをしてきた生存者をオブセッション状態にし、一定時間忘却状態(心音が聞こえずステインも見えなくなる)にする。またその生存者のオーラが4秒間見えるようになる。
パレットによるスタンやライト煽り対策になるパーク。他には「弄ばれる獲物」等オブセッションを対象としたパークとの相性も良く、単体ではなくコンボパーツとして使うと面白い活躍を見せてくれる。
アドオン
盃や采配、家紋入りの幟旗、父の籠手など、戦国時代を彷彿とさせる物品が多い中、指やら頭皮のついたちょんまげなど、彼のおこなった凄惨な凶行を思い起こさせるものも存在する。
特徴
長所
なんといっても怒り状態の強力な爆発力。鬼の進撃は障害物にひっかかっても止まらないうえ、やや大回りながら旋回性能も悪くないため狙った場所に向かって止まらず一気に走り抜けられる。
板を倒されても鬼の一撃で素早く壊し、離れた距離も鬼の進撃で一気に詰めていくので追われる側に強く圧力をかけ続けられる。
一撃ダウンで負傷者を作れば血の玉がどんどん溜まっていくうえ、負傷のまま発電機に触っていると大量の血の玉補充先を作ってしまう。
いかに負傷を作り治療に意識を向かせるか、攻勢を続けることが重要になる。
短所
まず初動が不安定。シェイプと異なり序盤からノーマルなチェイス能力を持っているとはいえ、初撃を当てるまでチェイスを補助する能力は一切ないので板を出し惜しみせず使われると苦しい。
無傷の生存者を2人斬ればだいたいゲージが最大になるため、チェイス途中で標的を変えるのは基本的に悪手なのだが彼に限ってはその選択にも有意な価値がある。
二つ目は生存者を吊るすと即座に怒りが解除されてしまうこと。せっかくの怒りでも一撃で1人倒してすぐ吊るすだけではあまりプレッシャーを与えられない。
かといって欲張りすぎて誰も倒せなければゲージが足りず、その間に立て直されてしまうだろう。
「伝播する怖気」があると近くの生存者を連鎖的に狙いに行けるので好相性。
余談
練次郎について
マップの解説にて、彼の父であり一族の祖である山岡練次郎の経歴についても少し触れられている。練次郎は元々は四国の生まれではなく、遠く離れた「灰だらけの島(現在の鹿児島県桜島?)」で生まれ、経緯は不明だが乗っていた船が難波し現在の香川県に流れ着いた。そこではちょうど政治的緊張感が高まり戦が始まっており、練次郎も刀一振りを握り参戦。生々しい怒気と鬼の形相で暴れまわり、両方の陣営で人を斬り続けたとされ、辛くも生き存えた者でさえ以降も夢でうなされるほどであったという。
つまりは崋山の持つ気性の荒さは父親からの遺伝であったとおもわれる。
子孫について
崋山はニセ侍狩りという凶行を働く以前から苛烈な側面をみせており、ある日、自身の息子(アドオンの名前から察すると「彰人(あきと)」というらしい)が転落事故で脚に障害が残るほどの大怪我を負った際、そのとき一緒に遊んでいた子供とその親を処刑する事件を起こしていた。
この崋山の息子はどのような人物であったかは不明だが、以降も彼(もしくは代わりに家を継いだ他の兄弟?)によって山岡家の血筋は守られ続け、近代のスピリット(凜)の代まで続くことになる。
崋山の付ける鬼の面も、スピリットの専用マップ「Yamaoka Estate(山岡邸)」にも登場しており、壁にかけられながら両脇に線香が焚かれて丁重に祀られている。
凜との関係
原作ではスピリット(凜)との面識については触れられていないが、スピンオフ作品『Hooked on You: A Dead by Daylight Dating Sim』では、攻略対象キラーの一人である凜の口から「ひいひいひいひいひいおじいちゃん(great great great great great grandpa)」と7世代差があることが明言されている。ちなみに本作での崋山は子孫バカである。