※注意
この記事はモンスターハンターストーリーズ2の終盤のネタバレを含みます。
概要
紅蓮の炎で 滅びの定めを焼き尽くせ
茜の空が 蒼く染まる前に
地の底に潜み、各地に大穴を開けて茜色の怪光を発し、モンスターを凶暴化させる『凶光化』を起こしていた。
幼体は蛇を思わせる体を持つ3体の怪物のような姿だが、成長した姿は上記のイラストの様な6つの翼を持つ白いドラゴンの様なものである(外見はクシャルダオラやテオ・テスカトル等の所謂ドス古龍タイプ)。翼には眼を思わせる発光する鱗を持つ。
その姿を現すのは作中の終盤であり、ヌア・テ村に向かう道中でリオレウスを地中に引き摺り込んで捕食していた所を主人公達と遭遇する。作中では明らかにリオレウスを狙って襲いかかっていたが、あくまでもリオレウスを優先しているだけで、人間も捕食対象として襲う事もある。
各地からリオレウスが消えたのは、レウス達がアルトゥーラの復活が近いことを察知し、アルトゥーラが放つ光を追いかけ、返り討ちにあって捕食された事が原因であった。
破滅の翼の伝承との関係について
『破滅をもたらすリオレウス』の伝承では、ルトゥ村の壁画の内容から破滅の力を持つレウスが世界に災いをもたらす様な内容に見えるが、実は下の部分が欠如しており、ヌア・テ村の壁画には下部分にアルトゥーラの姿がある。
これでも、やはりリオレウスが世界を滅ぼそうとしているように見えるが、水辺に落ちたナビルーを助けようとした主人公が水面で反射した壁画を見た事で、アルトゥーラが世界を滅ぼそうとし、リオレウスがそれに立ち向かうように見える事に気付いた。これにより、破滅をもたらすのはリオレウスではなくアルトゥーラであり、破滅レウスはそのアルトゥーラに対抗する力を持つ特別なリオレウスであるという真実に気付くことになった。
何故アルトゥーラの伝承が伝わらず、破滅レウスの伝承だけが後世に伝わったのかについては、アルトゥーラが倒れて強大な力を持つリオレウスが残ったことで、いつしか人々の間に特別な力を持つレウスが、世界に災いをもたらすという誤解が産まれ、伝承も誤った形にねじ曲がってしまったのではないか、と作中で考察されている。ヌア・テ村の村長であるユム=ラナはこの事について、「この絵がどんな答えを導き出すかは、見る者の心しだい」と述べている。
この事実についてユム=ラナはエナから問い詰められたが、ユム=ラナ自身は当初アルトゥーラを伝説の存在として認識していて、実在するかどうか懐疑であったため、主人公からアルトゥーラの存在を報告されるまで、アルトゥーラの事を語らなかった。
アルトゥーラは主人公の祖父であるレドが幼少期の頃から既に活動しており、長年凶光化事件を追って年老いたレドはアルトゥーラの産声を聞き、大穴の中にモンスターがいる事に気付くが、大穴の光に誘われたと思われるネルギガンテの襲撃により、エナの目の前で大穴へ転落してしまい消息不明(実質死亡扱い)になってしまう。
アルトゥーラの存在を知った主人公達も、凶光化事件を追いながらアルトゥーラを探すが、主人公達が得た情報を元に文献を漁った書士隊により、アルトゥーラの本体は主人公の故郷であるハコロ島の禁足地にいる事が判明した。
実は本編序盤から伏線が張られており、ハコロ島のマハナ村には世界を滅ぼそうとした凶暴なモンスターを護りレウスが封印したという伝説があり、島にはそのモンスターが封印された場所が禁足地として立入禁止になっている。また、マハナ村の祭りで使われた熱風船に描かれた絵はアルトゥーラの成体であった事が発覚する。
これだけならば、破滅レウスへの誤解が今回の事件の発端になるが……実はもう1人、この事件を裏から引っ掻き回した黒幕がいた。
生態
生態については謎が多く、成長の過程や食性、繁殖方法、ハコロ島を棲み処にしていた理由さえわかっていない。生態が不明なのは古龍種ではよくある話だが、扱う属性が不安定かつ不明瞭であったり、あまりに生物離れしたその力は、かの千剣に巣食う蛇王や、黒き光を纏う神にも共通する点がある。
幼体は地面に大穴を開けるほどの凄まじい力を持ち、モンスターを凶光化させる光を放つ。凶光化しないのはリオレウスの他、ライダーと絆を結んだモンスター、またはアプトノスの様な草食種や小型の甲虫種、自浄作用の化身たるネルギガンテ、(ストーリーの都合上)サブクエストで討伐するモンスターなどである。
当初は光の近くにいたモンスターを凶暴にするだけだったが、成長していく内に光が茜色から蒼色に変わっていくに連れて凶光化の範囲が広くなり、穴周辺だけでなく、一部区域を除いた大穴の周辺地域全体のモンスターを凶光化させる事ができるようになる。
また、大穴から放つ光は並のモンスターでは触れる事すらできず、作中でも光に阻まれて返り討ちにあったリオレウスの死体を確認することができる。そして、返り討ちにあった獲物が動けなくなった所を見計らい、大穴から幼体が出現し、獲物を穴の中へ引き摺り込んで捕食する。
また、作中の人物の会話からアルトゥーラが開けた大穴に飲まれて壊滅した村が多く存在し、ゲーム中に大穴で滅んだ村の1つを見ることができる(この村はアイルーたちの集落で、ナビルーの旧友であるオルゴたちが住んでおり、オルゴは事件の後、ポモレ花園の外れにある隠れ穴に仲間のアイルーたちと共に避難していた)。作中では言及されていないが、大穴の発生により人間・アイルー共に相当数の犠牲者を出していた可能性がある。
最終的に、破滅レウスを庇った護りレウスを捕食すると、蒼い光と共に遂に成体へと成長し、禁足地奥の祭壇にて戦うようになる。
成熟し双翼を広げるアルトゥーラは、前述の通り、ドス古龍に似た骨格を持つ容姿になり、古龍種としても破格の強大さを秘めた強大なモンスターと化す。しかしこの姿はアルトゥーラにとって通過点に過ぎず、時間の経過とともに成長していく。成長に合わせて扱う属性が変わることから、本種は全ての属性を体内に宿していることが認められる。また、既存のどの属性にも属さない蒼く発光する粒子のような物質をばら撒く姿も見受けられる。成長を繰り返したその真実の姿は妖しい凶光を纏った3対の翼を広げた姿である。
モンスターハンターのモンスターに於いて重要視される生物的な側面が希薄に見える、宛ら神か悪魔かのような異質な存在だが、れっきとした生物であり、その根底には誕生への欲求と生への執着がある。しかしながら、その力は間違いなく全ての生命体にとって脅威となるものであることは疑いようのない事実だろう。
戦闘の流れ
最初は翼が2枚の状態で戦い、通常攻撃のみを繰り出してくる。
この状態ではまだ本気を出しておらず、ダブルアクションを狙いながら攻撃していけばそこまで大きなダメージを負うことはない。しかし、攻撃可能なのがダメージの通りが極端に悪い胴体のみとなっているので、この段階ではこちらからもまとまったダメージを与えることは不可能となっている。
その後、怒り状態になって一定のダメージを受けるとムービーが入り、翼が4枚になる。そして、翼に力を集約し、ムービーが終わったと同時に巨大な茜色の光弾を飛ばす全体攻撃『フィアムトゥーノ』を繰り出し、こちらの体力を残り1にしてくる。
その後は、属性攻撃スキルを混じえた連続攻撃も使用してくるようになる上に、長引くとチャージを行い、再び全体攻撃を繰り出し、こちらをやけど状態にしてくる。
この形態になると翼へダメージを与えることが可能となり、4枚すべての翼を破壊することで最初の2枚の翼の姿に戻すことができる。
再び怒り状態になって一定のダメージを受けると、今度は2枚の凶光翼を含めた計6枚の翼の姿となり、ムービー後巨大な蒼色の光弾を飛ばす全体攻撃『アクアギアーシオ』を繰り出し、こちらの体力を再び残り1にしてくる。
こうなると最大3連続攻撃を繰り出してくるようになる上に、こちらも長引くとチャージを行って全体攻撃を繰り出し、こちらをスキル封じ状態にしてくる。
そこからダメージを与え続けると遂に倒れ伏す……と、思いきや光と共に青々しい体を持つ真の姿となり、禍々しい赤紫の光弾を飛ばす全体攻撃『ドゥラーゴ』を繰り出し、またもやこちらの体力を残り1にする。
4~6枚の翼状態と攻略法は同じだが、この姿になると単発攻撃しなくなり、連続攻撃ばかり使用してくる。
そして、ある程度ダメージを与えるとこちらにトドメを刺そうと、今までの比ではない強力且つ超巨大な光弾を形成し、ラストスパートに入る。こうなるとアルトゥーラはチャージ技『インジェスディオーネ』しか使ってこないが、エナ達の忠告が来たターンが終了すると、縮小させた光弾を発射する必殺技『ルーチェ』を繰り出してくる。
その威力は全体に9999ものカンストダメージを与えるという、もはや即死攻撃である。もちろん、ライダー側はオトモンがいる関係でライフポイントが満タン状態でないと全滅不可避である。
アルトゥーラ戦では如何に素早く部位破壊ができるかが重要になるため、三竦みや使用武器の見極めも重要だが、単体へのキズナ技を持つオトモンで最終決戦に挑む事も重要である。
成長しながら、強力な攻撃を連発するアルトゥーラだったが、主人公達と行動を共にするハンターのカイルは、アルトゥーラの姿とマハナ村の祭りの関連性、そしてエナの身に着けていたお守りがアルトゥーラと共鳴していることに気づき、そこに最後の活路を見出すのであった……。
余談
全属性を操り、世界を滅ぼすという伝承から、伝説たちと比較したくなるところだが、飽くまで本作は外伝作品であり、本編とは異なるものであることを念頭に置きたい。
角を力の源とすることの多い古龍種の中では珍しく翼を力の源としている。これは今作のサブタイトルである”破滅の翼”を意識したものだろう。
古龍種には通例として象徴する自然現象や災害が存在するが、アルトゥーラは単純明快に破滅だろう。自然現象の体現者たる古龍種も、その大多数が生物の枠組みを超えることはなく、それ故に絶対的な”悪”の存在は前提としては存在しない。その前提に於いて、”世界の破滅”という絶対的な破壊を象徴するアルトゥーラは非常に異質であると言えよう。ただし、破滅を齎すと幾度となく言われているアルトゥーラだが、実際にその力が世界を消滅に至らせるに足りうるものなのか、世界を破滅に導く程の破壊衝動の持ち主であるのかどうかは定かではない。少なくとも過去に世界が消滅した事はなく、破滅の翼の伝承も当時の人々による推測等から書き記されたに過ぎず、悪意によるものとは断定できない。存在しているその事実が大災害を招くものであるが為に討たれた龍は前例がある為、アルトゥーラも悲しき運命の古龍なのかもしれない。
「アルトゥーラ」という名はイタリア語で高地などを意味する言葉で、その他技名などもイタリア語で命名されている。英語版では「Oltura」と呼称される。
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