概要
クリムゾンコミックスとは、R-18をメインとした同人サークルのひとつ。また、そのサークルを運営している作家自身の名前でもある。
読者からの通称は「クリ姉」。同人誌をメインにしていた90年~2000年代は「カーマイン」を名乗っており、他にも「雪月花正大」名義で非18禁漫画も手掛けていた。
以前は姉弟で漫画を描いていたが、弟が引退したため現在は姉が執筆活動を行っている。先述した愛称の「クリ姉」はもともと「クリムゾンの姉の方」を指すものという経緯がある。
pixivでは本人が描いたイラストや、その特徴的な表現を使用しているイラストにタグが付けられている。
作者について
1990年代後半から活動。当初は版権物の女性キャラクターが陵辱される成人向け同人誌をメインにしており、2000年代後半からはオリジナルも多数描いている。
同人誌のタイトルには「極」、「彩」、「ハード」を付けることが多い(「ティファハード」など)。
近年は同人誌だけでなく、携帯向けサイトを中心としたWeb版商業誌などでも執筆。
「クリムゾンガールズ」シリーズがOVA化、アダルトビデオ化されている。
更にはアダルトビデオメーカー・ムーディーズとも積極的にコラボを行い、漫画と実写版AV(ムーディーズ以外からも出ている)が多数発売されている。
自身のYouTubeチャンネルでは顔を隠した状態での実写、またはバーチャルYouTuberとして自画像を再現した3Dのアバターに自ら声を当てる形で出演しており、Pixivではこの姿を描いた作品も見られる。
長らく素性を明かすことはなかったが、2015年にイベント「Japan Adult Expo」では本人が登壇しインターネット上で大きな話題となった。なお、自身のTwitterでは「あれが本当に本人かどうかは皆様のご想像にお任せしますね。」と発言している。
作風
基本的に視点主はその作品内のヒロインであり、その心情を描写しつつ物語が進行する。
自分が望まない行為をされ、必死に抵抗しているにもかかわらず、体は反応してしまう。
その心情を表現した「くやしい…!でも…感じちゃう!」に代表される、独特な台詞回しが特徴。
また、作中の女性がよく稲妻が走るような刺激を受けてビクンビクンとなるのもおなじみとなっている。
その辺は他のイラスト作家によるパロディのネタになっている。
2000年後半からは凌辱者である男性を主人公とした作品も多数描いており、物語の合間合間に男側の心情も描写される。ただし凌辱パートでは今までと同じく専らヒロイン視点である。なお、「山本岬」の同人誌では完全男視点(痴漢視点)で描かれており、凌辱者がヒロインの心情を推察するなど新たな表現にチャレンジしていたことが窺える。
ちなみに美少女文庫版「アイドル強制操作 ~スマホで命令したことが現実に~」では、一貫して男主人公視点である(原作はクリムゾンだが著者は異なるため)。
命の危機や精神崩壊のような暗い要素はなく、心まで堕ちるシーンが描かれるのは稀である(ヒロインが諦めるところで終わるというのが多い)。2019年辺りからは絶頂時にアヘ顔のような瞳を描写することが多くなった。
ストーリーは真面目だが一部の作品ではキャラが三頭身になったりするなどギャグ表現も用いられる。
作風と裏腹に、後書きやtwitterではどこか律儀かつこだわりの感じられる生真面目な文体でのトークをしている。
「くっ、殺せ!」の元ネタと勘違いされることも多いが、本人曰く「クリムゾンの女性キャラは生に執着があるので自ら「殺せ」とは言わない」とのことである。(参照togetter)。
ただし例外として最初期の同人誌「紋章の傷痕」では、ヒロインが「殺しなさい! ドルーアの捕虜になるくらいなら死んだ方がマシよ!」と発言している。
なお、代表的な表現とされる「くやしい…!でも…感じちゃう!」についても元ネタではない。本人は「使った覚えがない」「ネットで(クリムゾンあるある、のように言われているのを)見てからは意識して使わないようにしている」と発言しており、実際に過去に発行した同人誌100冊を調べても同じようなセリフはなかったことがわかっている。(本人が検証した動画)
ただし、別の動画では過去作が300冊以上にも及ぶと発言しているため、この時検証に含まれなかった作品に同じ、または類似するセリフが登場している可能性はある。
かなり近い台詞として『繰り返す悪夢』ではヒロインが「くやしい! こんな醜態を…! でも…」と言っているのがある。
ちなみに初期の同人誌から「くやしい」という台詞がよく使われていた。凌辱者側が「悔しいか?」と口にすることもあった。
これらのことから「ヒロインは悔しがっているけど感じている」というイメージが生まれ、上記の台詞が誕生した可能性がある。
また、時折「感度3000倍の元ネタ」と間違われることがあるらしい(正しくは対魔忍シリーズ)。
クリムゾンでも感度が倍増するシチュエーションは存在するが「通常は2倍〜10倍程度で最大でも100倍」とのこと。対魔忍がぶっ飛びすぎてるだけでこっちはこっちで大概である。
「雪月花正大」名義の作品は、18禁とはまったく異なるシリアスかつ血生臭いストーリーとなっている。
作風やジャンルからすると少々意外だが女性ファンが多いらしく、たびたびTwitterやYouTubeでその旨について言及している。また、アシスタントも女性である。
電車内の痴漢モノが多数刊行されているが、初の電車レイプが描かれたのは最初期作品の「詠美散華」。正確にはクリムゾンではなくゲスト作家の「かなや送水」が描いている。ヒロインが相手のモノに噛みついたり、男子高校生がヒロインをビンタして力尽くで犯すなど、クリムゾンではあり得ない作風である。
傾向
登場するヒロインはスタイル抜群の美女が多く、年齢も女子高生~20代となる(基本的に年齢は明言されていない)。イヴの同人誌(実物提示教育)のあとがきによれば「ロリは苦手。おんぷちゃんを描こうとして挫折した」「胸のあるキャラの方が書きやすい」とのこと。実際にロリキャラは少なめで、オリジナル作品においては「百田みここ」くらいしかいない(ロリというより幼児体型の女子高生だが)。
シチュエーションには媚薬、輪姦、痴漢、レズ、乳首責め、拘束などの要素が多く見られる。ただし肉体改造要素は「感度が上がる」程度であり、それも時間で収まる程度である。オチでもヒロインが盛大に絶頂するシーンで終わることが多数だが快楽堕ちするという展開は非常に少ない(7000回近くイカされ続けたヒロインもいるが屈した様子はない)。大体は凌辱者が満足して解放するか、ヒロインが自力で逃げ出すという展開が殆ど。
特に「戦闘力を持った強い女性」が「実力を発揮できない状況に追い込まれ、格下相手に凌辱される」という内容がかなり多い。戦闘シーンもこだわりがありヒロインの強さを示すためか度々描かれる。これは同人誌メインの頃から今に至るまで用いられている。
自身のTwitterでは「クリムゾンの漫画の流儀」として
- 後に残るような傷は負わない(ダメージ描写がない、リョナ要素もない)
- 妊娠しない(中出し描写自体はある)
- 廃人にならない(快楽に屈すること自体は稀にある)
- 気持ちよくなる前に挿入はしない(胸や局部に対する前戯が長い)
- なるべく顔は汚さない(よだれ、鼻水、精液など。ただし泣き顔やアヘ顔は描かれている)
- 女性が寝る床面はなるべく柔らかい場所にする
と言及し、表現における配慮を行なっていることを明かしている。
(6ヶ条の上3つと先述の「死なない」は後の作品でキャラが使えなくなるのを防ぐ意味もある)
他に「男性が乱暴すぎない」というルールもあり、「死なない」と合わせ「掟」として
自身の作品が実写版AVやゲームになるときも徹底させている。
同人誌を描いていた頃は、原作のストーリー展開をエロピンチ(ヒロピン)に改変するということが多々あり、作者なりにこだわりを持っていることが窺える(原作を読んでいないと描けない展開のため。また原作の設定を基に独自設定を加えたことがある)。
初期の同人誌ではフェラチオがかなりの頻度で描かれており、最初期の同人誌『繰り返す悪夢』では服ビリもあった。
責めキャラは上記の「レズ」「格下」以外にもたまに「ゲスなイケメン」が出ることもある。
同人誌時代もこの傾向が見られ、クールな主人公でありながら幼馴染のヒロインを脅迫して痴漢レイプするという展開があった。また別の話では、ヒロインが様々な相手から凌辱を受けた末に父の仇に犯され抵抗することを諦めるという展開も描かれている。
同人初期の頃はこのように原作のイメージからかけ離れたキャラを凌辱者として描写していたが、すぐに原作のイメージに沿った描き方がされるようになった。
上記の話のリメイク版が出た際は終盤の展開が変わっており、これについては作者が「父の仇が急に出て来るのは不自然ですし、ヒロインに性欲を抱くキャラでもない」と原作のイメージを優先したことを語っている。また上記に書いた主人公に関しても別の作品でヒロインを凌辱しているが、これは凌辱者が化けた偽物になっている(容姿も影が掛かったようになっており明確に偽物とわかるようになっている。顔も描写されていない)。
しかし需要のためか2000年代後半からは「キモオタ」「汚っさん」が責めキャラになることが多くなっている。ちなみに責めキャラは顔が描写されなかったり、人外だったりすることもある。意外にも触手責めはそこまでない(全く無い訳ではない)。
2022年現在では、退魔師モノである「退魔士カグヤ」シリーズを連載しているため、責めキャラには妖魔が多く用いられる。『新』からは人間の責めキャラも多くなった。
2022年には、FANZAGAMESで「退魔士」シリーズがブラウザゲーム化した「クリムゾン妖魔大戦」が配信される。
クリムゾン作品のキャラクター
同人作品ではティファ・ロックハートとセフィリア=アークスが最もよく題材にされる。
その影響はオリジナル作品のヒロインたちである「川澄カグヤ」「加賀美マリア」「鈴峰キョウカ」などに現れている。
バーチャルYouTuberデザイン
ポケモンユナイトに特化したVTuber、蘭堂ララを生み出している。
余談
アニメ版スナックバス江3話でクリムゾン氏の描いたティファそっくりの女性が登場した事でネット上で話題になった(権利対策として髪形を変えている)。後日、それを聞きつけたクリムゾン氏によって補足された(外部リンク)。
関連イラスト
pixivに本人のアカウントが存在し、イラストも投稿されている。