クレイフェイス(初代)
べいじるかるろ
DCコミックの発行するアメコミ『バットマン』に登場する悪役(ヴィラン)の1人。
同じ「クレイフェイス」の異名を持つヴィラン達は何人も存在し、その中でも初代に当たる。
本名は、ベイジル・カルロ。
元・映画俳優であり、登場当初は自身が演じたホラー映画に登場する仮面の殺人鬼〈クレイフェイス〉に扮して実際に殺人を行う犯罪者であった。
しかし、後に自身と同じく〈クレイフェイス〉の異名を持つヴィラン達が登場し、自由自在に姿を変えられる泥状の身体を持った彼等からの輸血を受けた結果、自身も同じ泥状の身体を得る形で再登場を果たし、バットマンと幾度にも及ぶ形で激突している。
元・俳優なだけあってか、演技力もそれなりに高く、時折芝居染みたセリフを漏らすのも特徴。
泥の怪物になる以前は、ナイフ等の凶器を用いて殺人を行うスタイルであった。
だが、泥の怪物になって以降は様々な姿へ変身出来る能力を駆使する形で相手を欺き、身体の一部を複数に分裂させてそれらも個々に異なる姿・形状に変形・硬化させ、独立した意志をも持たせる事が可能となっている。泥状となっている自身の身体は、数mにも昇る巨人の様な体躯自体も脅威と言えるのだが、泥故にいかなる物理的攻撃のショックも吸収し逆に相手を体内に取り込んで窒息させる事が出来、何らかの理由で破損した身体も土や水分を吸収する事で簡単に再生させてしまう等、驚異的な防御力を発揮する。また、攻撃面に関しても、両腕や両脚をトゲ付きの鉄球やハンマー等の凶器に変形・硬化させ、大質量による物理的攻撃は分厚いコンクリートの壁等も軽々と粉砕する破壊力も発揮する。例え危機的な状況に陥ったとしても、液状の身体になる事で排水溝等の狭い所からの緊急離脱も難なくこなしてしまう為、人海戦術での包囲網も通用しない。
泥状の身体になった事で実質的に人間である事をやめてしまったと言える〈クレイフェイス〉ことカルロであるが、その代わりとして得たのは、半ば不死身に近いと言える身体と、驚異的な応用力を兼ね備えた自由自在な変形能力であった。数多くのヴィラン達を降してきたバットマンでさえも、狡猾な演技力を備えたカルロが変貌した〈クレイフェイス〉の制圧には常に苦戦を強いられる事になっており、サイドキックのサポートだけでなく、ゴッサム市警とも協力し対〈クレイフェイス〉用とも言える特殊なツールや設備等を用意しなければならなくなってしまっている。
〈クレイフェイス〉は「カルロを始めとして複数の人間が変貌している」というバットマンに登場するヴィランの中でも特異な存在であるが、歴代の中でもキャラクターが最も深く掘り下げられている事情もあって、現在においてカルロの変貌した初代が〈クレイフェイス〉の代表格となっており、様々なゲームやメディアで登場する際も、大抵の正体はカルロとなっている。
2024年末期において、クレイフェイスが『メインヴィラン』ではなく『主人公』として描かれた映画の製作が発表されており、卑しくも作中では無くリアルで脚光を浴びる展開となっている。
劇中の様相
カルロは元々、映画俳優として活躍していた男だった。
しかし時が経つにつれて映画での活躍機会は失われていき、すっかり落ちぶれてしまったカルロはある日、自らが主演として活躍していたホラー映画がリメイクされる噂を耳にする。
「自身が再び映画の主役である〈クレイフェイス〉を演じるオファーが来るのではないか?」と期待していたカルロであったが、映画の製作人は誰も自身に見向きもせず、新人の花形俳優に役を奪われた事実を知り激怒。自身の映画俳優としての唯一のアイデンティティでもあった〈クレイフェイス〉を奪われるのだけは許せなかったカルロは、自ら〈クレイフェイス〉の役に扮する形でキャストやスタッフ達を次々と殺害していくが、最終的にバットマンに阻止される。
その後は、囚人として収監される身となっていたが、自身と同じ〈クレイフェイス〉の異名を持つプレストンとサンドラから輸血を受け、2人と同じく泥の怪物の〈クレイフェイス〉として復活。そして、2人以外のクレイフェイス達も集めて『マッド・パック軍団』を結成する。
他のクレイフェイス達と共にバットマンへの復讐を目論むも、逆に追い詰められたカルロは他の個体達から能力を奪い取り、全ての能力を統合させた最強の〈クレイフェイス〉である〈アルティメット・クレイフェイス〉へと変貌した。
しかし、一時はバットマンを追い詰めるものの、今度はバットマンによって自らの能力を暴走させられてしまい、地面に溶け込んでしまう形で敗北する。
後に能力の源となる結晶を全身に着ける形で復活し、再度バットマンへの復讐を目論んでいる。