曖昧さ回避
- 西洋悪魔学で言及されるデーモン。本項目で解説する。
- 女神転生シリーズに登場する仲魔(悪魔)。→堕天使シャックス
- 『メギド72』の登場人物。→シャックス(メギド72)
- 『魔入りました!入間くん』の登場人物。→シャックス・リード
概要
『ゴエティア』では44番目、『悪魔の偽王国』では37番目に記される、30の軍団を率いる悪魔。
『ゴエティア』によると爵位は侯爵。『悪魔の偽王国』では侯爵と公爵を兼任する。
マクレガー・メイザースとアレイスター・クロウリー版『ソロモンの小さな鍵』ではシャン(Shan)、シャズ(Shaz)、シャズ(Shass)の別名が記される。
『悪魔の偽王国』の表記はチャックス(Chax)、で異称はスコクス(Scox)。
シャクス、スコクス、シャン、シャス、シャズとも呼ばれる。ソロモン72柱の魔神の1柱で、30の軍団を率いる序列44番の地獄の大侯爵である。ヨーハン・ヴァイヤーの『悪魔の偽王国』では、公爵にして大侯爵とされる。
『ゴエティア』ではヒメモリバト、『悪魔の偽王国』ではコウノトリの姿で現れるとされる。
『地獄の辞典』ではコウノトリ説が採用され、第六版ではコウノトリにそのまま人間の両腕が生えた鳥人みたいなスタイルの挿絵が追加された。
後述の馬を盗んでくる様を描いているのか、片手で傍らに居る馬のたてがみを撫でている。挿絵担当のルイス・ル・ブルトンはシャックスを人間大のサイズで現れる悪魔と捉えたようだ。
彼はしわがれた、それでいてとらえがたい(subtill、かなり多義性のあるsubtleの古語版)声で話す。
召喚者から命じられれば、男性または女性から視覚、聴覚、理解力を奪い、王の家(複数形)からお金を奪い1200年後に元に戻すという。
『ゴエティア』ではこのほか馬や他の物を盗んでくる事や、邪悪(ウィキッド)な精霊に守られていない全ての隠された物を見つけ出す事ができるとある。また、彼はときどき良質な使い魔を与えるという。
彼は『ゴエティア』と『悪魔の偽王国』の解説文で直接的に警戒すべき点が記述される悪魔の一人である。
召喚の際には最初にトライアングル(三角形)の魔法陣の中に行かせなければならない。そうしなければシャックスは騙し、多くの嘘をついてくるという。
「ラッド博士のゴエティア」によると、彼に対抗する天使の名はイェラヒヤ(Ielahiah)。
日本での創作
怪奇作家佐藤有文が『悪魔全書』などにおいて、上記の権能を脳を啜ることで知能を奪い正気を失わせるという解釈で紹介しており、さらに人を襲って目や耳を食らう金庫破りが十八番の人面鳥であると描写している。
関連タグ
ハルファス:しわがれた声で話し、『ゴエティア』ではヒメモリバト、『悪魔の偽王国』ではコウノトリの姿をしている。
ベレト フールフール:三角形(トライアングル)の魔法陣による束縛の必要性が説かれる悪魔。
カイム:『地獄の辞典』第六版で鳥人スタイルの挿絵が追加された。