テナルディエ
てなるでぃえ
パリ郊外のモンフェルメイユで宿屋を営む、やせぎすの小悪党の男。
テナルディエは苗字であり、下の名前は作中最後まで明かされていない。
過去にワーテルローの戦いで酒保商人兼かっぱらいをやっており、「戦利品(戦死した軍人らの死体からかっぱらった時計といった遺品)」を質屋に売り捌いた金で宿屋を開いた。この時にたまたまマリユスの父の命を救ったことがある。
宿屋の経営は順調とは言い難く、日を追うごとに借金がかさむばかりだったが、元々その性分から真面目に働こうとせず、どうやったら効率よく他人から金をむしり取れるかばかりを考えていた。
ファンティーヌから預かっている娘コゼットに対しても虐待同然にタダ働きさせた挙句、彼女の私物を質屋に入れてしまい、その上で養育費と称してファンティーヌに金をせびり続けていた。
だがコゼットを預かって5年経ったクリスマス・イヴの日、謎の男が現れて自身の借金と同額の金でコゼットを引き取ってしまったのを契機に、とうとう商売が立ち行かなくなってしまい、その男に当時抱えていた借金と同額の額面でコゼットを「売って」しまったことを、彼は後後まで後悔することになる。
その後1824年から1826年の間に宿屋が破産した事で、宿屋を畳んだ後は一家でパリのボロ家に移り住み、「ジョンドレット」の名で悪事を働きながら乞食まがいの生活を送るようになる。
ある日娘を伴って彼のもとを訪ねた慈善家「ルブラン氏」を、暴力で脅しつけて大金をせびり取ろうと画策するも、その男の正体は彼が良く知る人物であり、最終的にジャベールの手で家族や仲間共々逮捕されてしまう。
ラ・フォルス監獄に収容されていたが、息子ガヴローシュらの助力で脱獄に成功し、「男爵になり損ねた男・テナール」として、コゼットと結婚したマリユスの前に姿を現す。
脱獄を助けた息子ガヴローシュの顔を覚えていない上に(暗い中で見えなかったこともあったとはいえ)、感謝の言葉ひとつかけなかった。その後は下水道に潜伏し、警察の追っ手から逃れていた。六月暴動で重傷を負ったマリユスを抱えたジャン・バルジャンと交渉するときも、バルジャンが持っていた金を「山分けしよう」と言いながら独り占めし、ヴァルジャンとの遭遇を自分が有利になるような口実にしようとした。
「テナール」と名乗った彼は、マリユスに嫌悪感をもって出迎えられた。妻と娘を連れて植民地の村へ向かうために2万フラン欲しいと言って、ジャン・バルジャンの悪党ぶりを証明しようとする
も、それはバルジャンの偉業を讃えることになってしまい、同時に自身の立場を悪くする結果に繋がってしまう。
それはマリユスの逆鱗に触れる結果となるが、アメリカで貰える2万フランの手形と大量の紙幣をせしめることができた。
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