概要
代表作は「レ・ミゼラブル」(ああ無情)、「ノートルダム・ド・パリ」(パリのノートルダム、ノートルダムのせむし男)。どちらもアニメ、映画、ミュージカルの題材とされることが多い。
生涯
ナポレオン軍の軍人ジョゼフ・レオポール・シジスベール・ユーゴー、ソフィー＝フランソワーズ・トレビュシェの三男として、父の任地だったフランス東部のブザンソンで生まれた。ユーゴー家はロレーヌの農民の出だが、父親はフランス革命以来の軍人。母親はナントの資産家の娘というブルジョア一家。
生まれたときは小柄で、背丈が包丁ほどしかなく、ひ弱な赤ん坊だったといわれる。生後6週間目に一家はマルセイユへ転居した。以降、コルシカ島のバスティア、エルバ島のポルトフェッラーイオ、パリ、ナポリ、マドリード、と主に母親らとともにヨーロッパのあちこちを転々とする。というのも、生粋のナポレオン・ボナパルト主義の父ジョゼフ・レオポールVS根っからの王党派の母ソフィーの間で、政治思想の違いによる確執が生じ、夫婦仲は悪かった。
この確執はのちに『レ・ミゼラブル』にて、マリユスの父ポンメルシー大佐とマリユスの祖父ジルノルマンの確執の原型となる。このせいでユゴーはマザコンになってしまった。
七月王政時代には詩人として成功し、オルレアン家の保護を受けて生活し、『ノートルダム＝ド＝パリ』で人気作家となった。
二月革命で成立した第二共和政では、はじめはオルレアン派の立憲君主政の立場だったが、次第に共和派に転じて行き、憲法制定議会や立法議会の議員にも選出されるようになる。議会で王党派が優勢になるとそれに反発し、大統領になったルイ・ナポレオンを支持。しかしルイナポレオンがクーデターで議会を解散してからは強く批判するようになった。
１８５２年、独裁権を握ったルイナポレオンが国民投票で皇帝ナポレオン３世になったことに強く反発し、武装蜂起を呼びかけ、それに失敗してイギリス・フランス海峡の小島・ガーンジー島に逃れ、その地で１８年にわたる亡命生活を余儀なくされた。この亡命生活中に代表作『レ＝ミゼラブル』を執筆。
普仏戦争に敗れたナポレオン３世が退位すると、ユーゴーは国民の歓喜の中パリに戻り、国民議会の議員となった。最後の小説はフランス革命を扱った『九十三年』であった。その死にあたっては国葬が営まれ、遺骸はパンテオンに埋葬された
世界一短い手紙
自分の著書の売れ行きが気になったユーゴーは、出版社にこんな手紙を送った。
「?」
そして届いた返事には、こう書いてあった。
「!」
「売れているか?」→「よく売れています!」ということである。(意思の疎通が取れている)世界一短い手紙としてギネス記録に認定された。
関連タグ
表記揺れ
参考
- 世界史の窓
- ウィキペディア
