広島燃ゆ
ひろしまもゆ
まず、2024年のセ・リーグのペナントレースについて説明する。
この年のセ・リーグは序盤から大混戦。巨人、阪神、広島、DeNAの4球団が首位争いを繰り広げていた。しかし、7月にDeNAが、8月には阪神が優勝争いから一旦脱落し、この時点でセ・リーグの優勝争いは巨人と広島の一騎打ちに。
広島は9月1日時点で首位。マジック点灯も近い中、9月4日にこの本が販売された。
しかし発売後はDeNAに3タテ、そして優勝争いの天王山だった巨人3連戦でもマツダスタジアムで3タテを食らうなど、これまで耐えてきた投手陣がついに崩壊。野手陣も完全に勢いを失ったことで、広島が急失速。優勝争いから脱落するどころか、DeNA、阪神が再び調子を取り戻したことでCS争いが激しくなる。
広島の失速は止まらず、9月20日に4位に転落、23日にはリーグ優勝の可能性が消滅。そして、28日に巨人戦で敗れたことで目の前で巨人の胴上げを見る羽目になってしまった(しかもマツダスタジアムでのビジターチームのリーグ優勝はこれが初めて)。またCS争いについても、24日の敗戦をきっかけにDeNAとの差が広がり、10月2日ヤクルトに敗れCS進出の可能性が完全消滅、Bクラスが確定してしまった。
9月首位からBクラスで終了は史上初の屈辱であり、9月にあった貯金14は25日に消滅。CS消滅とともに、借金フィニッシュが確定してしまった。9月の広島の成績は5勝20敗、また、勝った5勝は全て本拠地のマツダスタジアムで記録された勝利である。
この失速はネット内でも大注目され、広島が大量失点する、敗戦すると「広島燃ゆ」の言葉が流行し、広島ファンからは怒りの矛先としても向けられた。
このように「広島燃ゆ」は「週刊ベースボールの呪い」の一種だが、ここまで強力かつ、長期化するのは稀である。
また同年9月1日放送分のTBS「サンデーモーニング」にて、広島OB・達川光男氏の「(混戦を)抜け出すチームは広島。ホームで圧倒的に強いから。」という発言もフラグとなり、呪いが強化されたとも言われている。
広島の失速により、DeNAがリーグ3位の座に滑り込みCS進出。すると、CSファーストステージでは2位阪神に2連勝して突破。続くCSファイナルステージではリーグ優勝を果たした巨人に一時3連勝し王手をかけると、そこから連敗し逆王手をかけられた状況下での最終第6戦をものにし日本シリーズへ進出。そして最後の戦いでは、福岡ソフトバンクホークスを4勝2敗で退け、26年ぶりの日本一の座を掴み取った。
9月頭の時点ではCS出場圏外の4位だったDeNAが、終わってみれば日本一まで駆け上がったことでこの話題が再燃。あとにファンの間で残ったのは「微妙な気まずさ」だったという…。