フェンリル

ふぇんりる

北欧神話に登場する怪物。邪神ロキの息子で、やがて世界を呑みこむと目され恐れられた巨大な灰色狼。その暴走を予防すべく、魔紐グレイプニルに縛られて封印されることとなった。神々の黄昏〈ラグナロク〉において、その戒めを解いてオーディンを食い殺すとされる、北欧神話最強の魔獣の一角。

フェンリルとは北欧神話に登場する怪物、あるいはそれをモチーフにしたキャラクター。

曖昧さ回避

本記事では北欧神話におけるフェンリルおよび以下のうち独立記事がない項目について記述する。

ゲーム『女神転生シリーズ』に登場する悪魔。派生作品『真・女神転生デビルチルドレン』の漫画版・アニメ版にも登場した。
アニメ『聖闘士星矢』アスガルド編に登場する神闘士。→イプシロン星アリオトのフェンリル
ゲーム『ファイナルファンタジーシリーズ』に登場する、召喚獣またはモンスター。映像作品『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』ではクラウドが乗っているバイクおよび彼が振るう剣の名前になっている。
ゲーム『ゼノギアス』に登場する、シタン・ウヅキが搭乗するギア。→E・フェンリル
ゲーム『ヴァルキリープロファイル』に登場するモンスター。
漫画『魔探偵ロキ』に登場するキャラクター。
ゲーム『テイルズオブシンフォニア』に登場するキャラクター。
ゲーム『エースコンバットX』に登場する架空機、Fenrir。→フェンリア
ゲーム『ゴッドイーター』に登場する組織。
パチスロ機『マジカルハロウィン』に登場するキャラクター。
メディアミックス作品『ダンボール戦機』に登場する青島カズヤの操るマシーン（LBX）。→フェンリル（ダンボール戦機）
ソーシャルゲーム『わグルま!』に登場するキャラクター。
ソーシャルゲーム『神撃のバハムート』に登場するキャラクター。
アダルトゲーム『VenusBlood-FRONTIER-』に登場するキャラクター。
ソーシャルゲーム『ヒメキス』に登場するキャラクター。
同人ゲーム『ドラゴンブラスト』に登場するキャラクター。

神話におけるフェンリル

破壊神ロキと女巨人アングルボザとの間に生まれた巨大な魔狼。つづりはFenrir。その名は北欧古語で「沼に棲む者」を意味する。別名にフローズヴィトニル（Hrodvitnir　悪評高き狼）やヴァナルガンド（Vanargand　ヴァン河の怪物）など。

兄弟に冥府の女王ヘル、世界蛇ヨルムンガンドがいる。

生まれた当初は普通の狼だったのだが、次第に力を付けて神々も慄くほどにパワーアップし、神々に災いをもたらすと予言されたこともあり、主神オーディンの命により封印されることとなった。

だが神々が慄くほど強く賢いフェンリルは中々捕まらず、最初のレージングと呼ばれる鉄鎖の封印を易々と引きちぎってしまう。次に用意されたドローミと言う拘束具も同様だった。困窮した神々は次にレージングの数倍の強度を誇る拘束具グレイプニルを用意し、それを軍神テュールに持たせた。

グレイプニルは神々が地底の小人族ドゥエルグに命じて「6つの有り得ない者」即ち猫の足音、女の顎髭、山の根元、熊の腱、魚の吐息、鳥の唾液を材料に作られた、一見細い紐のようにしか見えない拘束具であった（この拘束具を作る為に、前述の6つの存在はこの世から消えたとされる）。テュールは甘言を弄して巧みにフェンリルを説得し、フェンリルを信用させるために敢えてフェンリルの挑発に乗り、その片腕をフェンリルに噛み切られた。然しこうした犠牲によりテュールはフェンリルの封印に成功したのである。

因みに、後にテュールはこの功績を讃えられ、ドゥエルグ達が作った魔法の義手をオーディンより授かった。

だがラグナロクを迎えて封印から解放され、魔槍グングニルを失ったとはいえ主神であるオーディンを食い殺した。

しかし直後にその息子であるヴィーザルに倒され、口を引き裂かれて絶命した。