特徴(本編の軽いネタバレを含みます)
主にG1キャラクターたちの活躍する正史のストーリーではあるが、脚本家であるJames Roberts氏の濃いキャラ付けや独自の設定により、キャラ萌えしながらもその世界観を楽しめるシリーズ。「宗教」や「娯楽」等と言った文化面の掘り下げも試みられている。ユーモラスな場面もあるが基本的には「ホラー要素を含んだミステリー」であり、(見た目にも精神的にも)凄惨な描写が含まれるため覚悟して読んでください。
なお「More than meets the eye」も「Robots in disguise」もTFを象徴するコピーとして古くから使われてきたが、ここでは特に現在刊行中のシリーズを指す。
本編に関わるシリーズ
MTMTEは基本的にそれまでのシリーズを知らなくとも楽しめる作りとなっているが、同じ脚本家の手がけた「Last Stand of the Wreckers(巻末小説Bullets含)」や「Chaos Theory」とは関わりが深い。MTMTEで活躍するオリジナルキャラクターやヘッドマスターズのキャラクターもこの二編で「顔見せ」をしている事が多かった。
用語集
MTMTEには独自の用語が多く使用されている。序盤で言及された主な用語についての簡潔な説明は以下。
Knights of Cybertron
サイバトロニアンの始祖と呼ばれる存在。サイバトロン星を平和にしたのち、宇宙を教化すべく旅立ったとされている。長年その存在は架空のものとされてきたが、ダイアトラス率いる「サークルオブライト」のように彼らを深く信奉する集団も存在する。この集団を探し出し、ユートピアの作り方を教えてもらうのがこの旅の目的。たぶん。
NAIL
「RID」にも登場する「オートボットにもディセプティコンにも所属しないサイバトロニアン」。A NON-ALIGNED INDIGENOUS LIFEFORMの頭字語。メタルホークなどが属する。
LOST LIGHT
「Knights of Cybertron」を探す為にサイバトロン星から旅立った船。「中立の立場」の者達から購入した安全なものであったはずだが……
乗員がアレな人ばっかりなので、ファンからは「空飛ぶ精神病院」などと呼ばれたりする。発射直後からいきなり爆発するが、その後何ら問題なく航行を続けているらしい。
主な船員(後にあの御方も加入)
- ロディマス(船長)
- ウルトラマグナス
- ドリフト
- パーセプター
- サイクロナス
- ラチェット
- フォートレスマキシマス
- クロームドーム
- スキッズ
- リワインド
- レッドアラート
- ホワール
- ラング
- スワーブ
- テイルゲイト
- ブレインストーム
- トレイルブレイカー
- サンストリーカー
- ホイスト
- ファーストエイド
- ブラスター
- ハウンド
- インフェルノ
- ブローン
- ギアーズ
- スモークスクリーン
- パワーグライド
- コスモス
- パイプス
- アンブロン
DJD
「Decepticon Justice Division」。罪人への処罰を専門とするディセプティコンの一部隊であり、脱走兵であるスカベンジャーズと交戦した。今後もストーリー上、大きく絡んでくることが予想される。
詳しくは記事参照。
Triple M
「Militant Monoform Movement」。Adaptus神による「トランスフォーメーションコグ授与説」を否定するために、自らトランスフォームコグを取り除いて宗教テロ活動をする集団。Chaose Theoryの頃からその名前は言及されていた。
Delphi
雪の惑星Messatineにあるオートボットの医療施設。MessatineはDJDのホームグラウンドでもある。
ファルマ、ファーストエイド、アンブロンが医師として所属していた他、フォートレスマキシマスもかつて入院していた。
Forged
地中から自然発生したスパークより誕生したTFの総称。
ホワール、ラチェット、スキッズ、サウンドウェーブ、ブリッツウィングなどが挙げられる。
Point One Percenter
Forgedの中でもごく稀にしか発生しない特殊な緑色のスパーク。
メガトロン、オーバーロード、ターン、ショックウェーブ、シックスショット、グリムロック、フォートレスマキシマス、ウルトラマグナス、オプティマスプライムなどが挙げられる。
これらのスパークは非常に希少価値が高く、オーバーロードのスパークの発見者はそれだけで上院議員に成り上がれた程。
Constructed Cold
以下CCと表記。人工的に作られたスパークを持つTFの総称。
スタースクリーム、プロール、クロームドーム、ラヴィッジ、DJDのケイオンなどが挙げられる。
生まれて初めて変形するまで何のオルトモードを持っているか分からないForgedに対し、CCはあらかじめオルトモードや就ける職業を決められている。
(例:社会に警官が不足していた場合、警官に就職するよう決められたバイクやパトカーのCCが製造されるなど)
他のTFのスパークを元にして製造される、いわゆる模造品のようなものと一般人に認識されていたが実は……
M.T.O.
“Made to Order Soldiers”の略。Constructed Coldの中でも戦時中に兵役目的で作りだされたTFを指す。
ブレインストーム、ゲッタウェイ、リップタイド、ディップスティック、アンブロンなどがこれに該当する。
製造後は戦地へ投入する前に教養を与えるプログラムを受ける。最初の世代は10段階の教育プログラムを受けていたが戦争が進むにつれ文化的な教養など戦う上で不要な部分は削減され、最終的に3段階へ減らされた。
IDWコミックにおいて一般的なTFは自身の出身地を姓として名乗るのに対し
(例えばターン出身のメガトロンのフルネームはメガトロン・オブ・ターンとなる)
MTOは出身地が無いので投入された軍事作戦名を姓として「○○作戦の△△」という形式をフルネームとしている。
ブレインストームの本名“Genitus of Operation: Solar Storm”のように姓の部分にOperationが付く者と付かない者が居る。
Innermost Energon
スパークの周囲を循環している特別な液状エネルゴン。
燃費の良い食糧や船舶の燃料として利用できる他、見舞いや追悼で他者に献上する等、血液や涙を流す代わりとして宗教的・儀式的な行為にも使用される。
ただし人間や動物が血液や涙を流してもまた体内で作られるのとは違い、このエネルゴンは使い過ぎると尽きてしまってもう増えないらしい(無くても命に別状は無い)
Conjunx Endura
以下CEと表記。“Significant other”とも言い換えられ、単語としては「伴侶」「恋人」という意味になる。
つまり「とても深い繋がりの関係」なのだがこの関係を結ぶ事について詳細な目的や内容は不明。
ほとんどのTFはCEを持たなくても生きていけるのが普通とされている。
Amica Endura
Conjunx Enduraと類似したパートナー制度で、ウィンドブレードたちの出身地Caminusで施行されている。
「10メガサイクル以内に親友を持ち、相手と誓いを立てなければならない」という決まりがあり、これを守れない者は周囲から見下される。
つまり人間でいえば「○○歳にもなって恋人も居ないのか」という状態。
ロストライト内ではノーティカが同郷の友人ファイアスターとアミカエンデュラの関係を持っている。
(ファイアスターの元ネタは初代アニメにおけるインフェルノの恋人だが、この作品世界では二人は無関係である。)
各巻の概要
刊行済みの各巻タイトルと概要。ネタバレを含みますのでご注意ください。
TPB1
【#0 The Death of Optimus Prime】
現行シリーズであるMTMTE、RID共通の前日譚(MTMTEのTPBにのみ収録)。ナイツオブセイバートロンへ導く地図の発見と、オプティマスの失踪。
【#1 Liars, A to D Part 1: How to Say Goodbye and Mean It】
ロストライト号がサイバトロン星を出発。テイルゲイト、ホワールの思いがけない乗船と、量子エンジンのトラブルによる出発早々の事故。
【#2 Liars, A to D Part 2: Hangers On】
事故により船外に投げ出されたメンバーの救出と、スキッズの乗船。「スパークイーター」が船内に潜んでいると判明するが……。
【#3 Liars, A to D Part 3:The Chaos of Warm Things】
"Liars,A to D"編の完結。スパークイーターを退治。
TPB2
【#4 Life After the Big Bang】
デルファイ編前半。謎のメッセージを受け取ったラチェット、ドリフト、パイプスが大病院デルファイへと救出に向かう。
【#5 How Ratchet Got His Hands Back 】
デルファイ編後半。一連の事件の真相と、DJDの影。フォートレスマキシマスの乗船。ロストライト船内ではテイルゲイトがオートボットになるべく講義を受け、アラートが謎の「声」をラングに相談する。
【#6 Interiors】
船内でのトラブル。フォートレスマキシマスがホワールとラングを人質に取り、サイバトロンへ帰還することを要求。ラングが瀕死の重傷を負ってしまう。事件後、アラートが船の「地下」でオーバーロードを発見。
【#7 Scavengers:Rules of Disengagement】
DJDとスカヴェンジャーズの戦い、前半。スカヴェンジャーズは本体からはぐれた下級のディセプティコン兵の集まり。メンバーはクロック、クランクケース、フライホイールズ、ミスファイア、スピニスター、そして彼らに拾われたフルクラム。ロストライト船内ではスキッズの銃の謎と、アラートが昏睡状態のラングに「声」を録音したチップを託すシーンがある。チップは何者かによって持ち去られてしまうが……
【#8 Scavengers:Who's Afraid of The DJD? 】
DJDとスカヴェンジャーズの戦い、後半。グリムロックがスカヴェンジャーズに合流。船内ではクロームドームがスキッズの記憶を引き出そうとするが、失敗に終わる。
TPB3
【The Transformers: More than Meets the Eye Annual 2012 You, Me, and Other Revelations】
増刊号。ウルトラマグナスをめぐるエピソードと、クリスタルシティへの到着。そこにサークルオブライトの騎士たちの姿はなく……。
【#9 Shadowplay Part 1: Post Hoc】
ラングを目覚めさせるために「実際に起こった事件」を語る形で、過去の物語が進行(シャドウプレイ編)。政府の陰謀を阻止しようとするオプティマス、ラチェット、クロームドーム、ある上院議員の奮闘。過去のドリフトやプロールも登場。一方船内では、あるキャラクターが何者かにより首を刎ねられた状態で発見され……。
【#10 Shadowplay, Part 2: Patternism】
シャドウプレイ、中編。プロールとクロームドームが目撃した「研究所(the institute)」の実態。「盗人」作戦の開始。船内では前述の事件の犯人としてサイクロナスが疑われる。
【#11 Shadowplay (Conclusion)An Intimate Beheading】
シャドウプレイ、完結編。作戦の成功により多くの命を救う事ができたオプティマス達であったが、大きな犠牲を払ってしまう。
TPB4
【#12 Before & After】
騎士たちの誘拐に関わったとされるディセプティコンと、ロストライトメンバーの戦い。クロームドームとリワインドの過去。サイクロナスとテイルゲイトの和解。
【#13 Cybertronian Homesick Blues】
口うるさいウルトラマグナスに少しはリラックスを覚えさせようと、ロストライト一行は娯楽施設の充実した惑星ヘドニアへと向かうが結局ウルトラマグナスは酔って愚痴って倒れて何一つ変わることなく帰還するのであった。ソノモンダイノホロアバター(実体を伴った投影アバター。ここでは人型のアバターが使われている)が登場するのはこの巻です。巻末小説のおまけ(どちらかと言うとこちらが本編。アラートに託されたチップをラングがロディマスに報告する)つき。
【#14 Remembrance Day】
船内に拘束されているオーバーロードの記憶を読み取るクロームドーム。オーバーロードの過去、クロームドームの過去。メガトロンが生きていると知ったオーバーロードは……。
【#15 Under Cold Blue Stars】
ロストライト内で暴れるオーバーロード。圧倒されるクルーたち、傷つき倒れるウルトラマグナス。クロームドームの計略と、フォートレスマキシマスの活躍。だが、クロームドームは彼にとって最も重い犠牲を払ってしまう。
【#16 The Gloaming】
謎めいたウルトラマグナスの過去。犠牲者たちの弔い。ドリフトは一連の事件の責任を負い、船から追い出されてしまう。クロームドームは痛みを受け入れることができるのか。
TPB5
【#17 Remain in Light 1 of 5: The Fecund Moon】
消えたウルトラマグナスを追って、サイバトロンの伝説の衛星「ルナ1」に降り立ったロディマスたち。そこには彼らの生命の秘密とでも呼ぶべきものが隠されていた。そこに現れたロックダウンらタイタンハンターズに追われるロディマスたち。一方ロストライトはスキッズを追っていた「レジスレイター」の襲撃を受ける。
【#18 Remain in Light 2 of 5: House of Ambus】
レジスレイターたちの攻撃を受けるロストライトクルー。スキッズは強く責任を感じ、オイル貯蔵庫で孤軍奮闘するが……。一方、ロディマスらはロックダウンに捕えられる。ルナ1のディセプティコンやレジスレイターに指示を出していたのは裁判官タイレストだった。独房にいたミニマス・アンバスとの出会いと、彼の口から語られる衝撃の事実。
【#19 Remain in Light 3 of 5: The Divided Self】
ウルトラマグナスとは、タイレストによって作られたマグナスアーマーを装着し、代替わりしながら演じられてきた存在で、ミニマスはクルー達の知る今代のウルトラマグナスその人だという。
そして自分はロストライトクルーの無実を証明しようとしている事と、タイレストが追っている罪人はスキッズだと明かした。
新しい法の執行官スターセイバーの登場と、記憶を失う前のスキッズの相棒ゲッタウェイとの邂逅。スキッズの犯した罪とは。そしてタイレストの過去と恐るべき計画が明らかになる。
【#20 Remain in Light 4 of 5: Arm the Lonely】
タイレストは遥か過去にConstructed Coldを作り出した罪悪感から気が狂い、贖罪のために彼らをユニバーサル・キルスイッチによって皆殺しにし、セイバーユートピアに繋がるというポータルをくぐろうとしていた。
クルー達は無事脱獄し、狂気に満ちた行いを止めようとするがタイレストの新兵器によって麻痺させられ・・・キルスイッチが作動してしまう。
【#21 Remain in Light 5 of 5: This Calamitous Life】
タイレストのセイバーユートピア到達はすんでの所でテイルゲイトによって阻止され、タイレストはミニマスによって倒された。
「罪の無い者」しか通れないポータルへ、記憶喪失のため唯一通過できるスキッズは進む。その先で見たものとは。
一方、ロディマスはキルスイッチを無効化するために自身のマトリクスを使おうとする。しかしそれはマトリクスの破損を意味し、同時に彼自身の命を危険に晒す行動でもあった・・・
【付属小説 The Sound of Breaking Glass】
過去の自身の軽率なリーダーシップを反省するロディマス、フォートレスマキシマスの昇進と離脱、改めてクルーへと受け入れられるウルトラマグナス。
ロディマスはオーバーロードの一件でドリフトが自ら全ての責任を負ったことを思い出していた。
連絡をとろうと修理した通信施設がセイバートロン星と繋がり、セイバートロン共和国のシンボルが表示される。しかし、直後に映ったのはスタースクリームの顔だった・・・
一方ルナ1でも異変が起こる。昏睡状態だったタイレストが消えてしまったのだ。
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