大雑把に言えば国のこと。
国家の定義
この言葉の定義は歴史や文化の違いで形式も様々で、時代によっても基準は定まらず、前近代ならさらに色々な定義や状況が発生する。
現在の定義としては次の二つが挙げられる。
国際法上の国家は、主権国家、国民国家とも言われ、領土・国民・主権が明確であり、強力な中央政府が一定の地域に排他的支配を行う形式をとる。
現在における国家は中世からの封建的国家( 宗教勢力や有力な君主などの支配者による承認を得、領地を統治するもの。王国や公国など )や古代以来の専制国家( 古代帝国など )が存在したのち、基本的に市民や敵対する国が支援する革命を経て成立した。
なお、近代国家を確立できなかった地域、あるいは外国に依存して近代化しようとした地域、それ以前に他国に征服された国および地域のほとんどは第一次世界大戦までの間に他国に併合されるか、植民地化、あるいは傀儡とされた。例外として一部の地域は緩衝地帯として残されたところもある( アフガニスタンやタイなどが事情は異なるがそれであるとされる )。
日本では明治維新によって樹立され、廃藩置県によって確立した中央集権的な天皇制統一国家が『近代国家』に当たる。
現代の国家の形
脱植民地化が進んだ現代では近代国家体制が世界のほとんどを覆っているものの、現代に至っても国民や主権の範囲が明確ではなく( あるいは通常の主権国家と相違しているため )、国民国家としての要件を満たさない「国家」も存在する。
- イラクとシャームのイスラーム国( ISIS )やクルディスタン地域( イラク北部に存在するクルド人が支配する地域 )などイラクからの事実上独立した地域
- ソマリランドやプントランドなどソマリアからの独立地域
- モルドバからロシア系住民の多い地域が独立した沿ドニエストル共和国
- イスラエルの自治領として存在するパレスチナ
- スペイン領サハラの跡地に設立されたものの、現在大半の領土をモロッコに実効支配され、政府も支援国であるアルジェリアに存在するサハラ・アラブ民主共和国
- イギリスおよびポルトガルの植民地として発展しその後共産主義国である中華人民共和国に返還され、返還以前の制度が維持された香港およびマカオ
これらは自治地域や都市国家、事実上本来の国家から独立したが本来の国家が認めていないなどの理由によるものである。
なお、冷戦終結後の現代においては、「国際資本が国境を越えて世界中を植民地化し、新しい「帝国」体制を形作りつつある」と論じるものも存在している。