概要
とある事情によりギガバトルナイザーを取り戻したウルトラマンベリアルが、地球へと侵攻して大きな被害をもたらし、さらには超兵器「超時空消滅爆弾」を使って宇宙そのものを破壊しようとしたというとんでもない出来事である。
これにより地球は一度崩壊し、地球を中心に発生した断層(地震のようなものだと推測される)によって宇宙全体も危機的な状況に陥りかけたが、すんでのところでウルトラマンキングが駆けつけて修復を行ったことで事なきを得た。
当然ながら宇宙警備隊はベリアルの蛮行を阻止すべく地球でこれを迎え撃ち、ヒカリに命じてウルトラカプセルを開発させるなどの対策を取ったものの、以前よりはるかに強大な戦闘力を得ていたベリアルには成す術もなく、(結果的に修復されたとはいえ)第二の故郷とも言える地球の崩壊を自力で止めることができなかったという屈辱を味わわされることになってしまった。
なお、地球においては「クライシス・インパクト」に関する資料はほぼ全て失われてしまったとされており、隕石衝突によって起きたという説が有力視されている。
事件の影響
ウルトラマンゼロの弱体化
地球でのベリアルとの戦いの際、ゼロが重傷を負い、この時ウルティメイトイージス=ウルティメイトブレスレットを損傷してしまう。
これによりゼロはウルティメイトイージスを用いた様々な能力に制限がかかり(第3話でジードの世界に次元移動を行った際に完全に壊れてしまった)、さらに負傷の影響もあって地球上でわずか2分間しか活動できなくなるという大幅な弱体化を強いられた。
もっともこれはクライシス・インパクトそのものの影響というよりベリアルとの戦いの影響といったほうがいいかもしれない。
ウルトラマンキングの消息不明
宇宙の崩壊がキングの尽力によって免れたのは事実であるが、キングですら宇宙全体を修復するにはとてつもない力を必要としたらしく、宇宙と一体化するという苦肉の策により何とかそれを成し遂げたものの、代わりにキングそのものは宇宙に拡散してしまい、音信すらもつかない状態になってしまった。この時発せられたエネルギーは幼年期放射と呼ばれ宇宙の傷を癒しながら人々や惑星を循環している。
AIBの結成
一度崩壊しかけた宇宙の秩序を取り戻すべく、宇宙規模の連合組織AIBが結成された。このため、AIBではクライシス・インパクトに関する克明な記録が保管され、情報が共有されているようである。
残された謎
現段階では「クライシス・インパクト」での出来事は断片的にしか描写されていないため、謎に包まれた部分も多い。
起きた地球はどの世界の地球か
メイン監督の坂本浩一はインタビューにて光の国の世界観(M78ワールド)を踏襲していると語っている。
それにより当初はM78ワールドの地球が先述のような状況になり、何千年もかけて怪獣災害を根絶し、一時は宇宙を開拓できるほどまで進歩していた文明レベルが現代と大して変わりないほどまで後退し、かつて地球で起こったウルトラマンたちと怪獣や侵略者たちとの闘いの記録も殆ど失われ都市伝説と化してしまった、ある意味ポストアポカリプスな世界観になってしまったと考えられている。
しかし燃えているビルが普通の文明レベルのビルにしか見えなかったり、第3話でゼロが(光の国から行くなら必要ないはずなのに)なぜか次元移動して地球へ来ているという上記と矛盾するような描写があったため、「M78ワールドの地球そのものが舞台と言っていたわけではないのではないか」という反論が出てきた。
更に補足するとウルトラの星から地球まで300万光年あるが、ウルトラの星から出発する時は多めにエネルギーを貰ってワープを繰り返し短時間で駆け付けることもできるので、絶不調のゼロを派遣させるより、タロウやレオなど歴戦のウルトラ戦士を派遣した方が合理的なのにしていないという指摘もある(実際、第8話での描写を見る限り、ゼロが地球へ向かっていた事を光の国は把握していなかったようである)。
他にもシャドー星人ゼナが「この宇宙には宇宙警備隊も注目している」とジード世界が別宇宙のような発言をしていたり、第3話にてリクたちが発見したネット動画画面に映る年号は遥か未来では無く、現実と同じく2017年となっていることも確認できる。
また、仮にM78ワールドの設定を用いた作品であったとしても、マルチバースの記事にもあるように『ウルトラマン物語』や『アンドロメロス』のようなレベル3マルチバース(パラレルワールド)である可能性もあるので現状は確定できないと言える(極論を言ってしまえば『ゼアス』、『ネオス』、『マックス』なども光の国の世界観を踏襲した作品である)。
現状、坂本監督をはじめとする制作サイドもどちらの説が正しいのかについて公にはコメントしていないため、今のところは「どちらとも解釈できる」という形に落ち着いている。
起きた時期はいつか
ある児童書には「6年前に起きたらしい」と書かれている一方で、「ゼロとベリアルは100年前のオメガ・アーマゲドンで相打ちになった」という記述もある。
記述を見る限り、このオメガ・アーマゲドンの末クライシス・インパクトが起きた可能性が高いが、それだと6年前に起きたという児童書の記述と矛盾する事になる。
第9話にてスカルゴモラが6年前に出現していた事が判明したため、これと混同された可能性がある。
またライハが生まれた時、つまり19年前の時点でキングが既に宇宙に拡散していたのは確実であるため、少なくともこれより以前に起こっている事は確かだと思われる。
もっとも、児童書に書かれている設定が後でなかった事にされるのは珍しい事ではないので、まだ鵜呑みにしない方がいいと言えるだろう。
「らしい」と予防線も張られている事だし。
ベリアルの目的
劇中ではベリアルが光の国に再び攻め込んだようなシーンもあるものの、なぜこのタイミングで地球へも手を伸ばしてきたのか?
さらには、これまで一貫して宇宙の支配を目論んできた彼が、なぜ宇宙そのものの破壊を目論んだのか?
わざわざ「地球」という場所を選んだこと、「支配」ではなく「破壊」という手段に打って出たことには何か重要な意味があるものと推測されるが…?
事件後のベリアルの動向
爆発に巻き込まれたベリアルは、行方不明になっているとされる。
その後ベリアル融合獣となって再び地球に姿を現すが、爆発の後いかなる経緯でベリアル融合獣となったのだろうか?
その後、4話の伏井出ケイの発言から、宇宙のどこかに潜伏していることが示唆され、第6話の終盤で、ベリアルと交信している様子が描かれたことで、生存している判明した。ただし、先の戦いの影響でベリアルは肉体を失ってしまったらしく、新たな肉体を手に入れるために必要となるウルトラカプセルを伏井出ケイが収集しているというのが真相であった。
ただ後にカプセルが集まらないままベリアル自身が地球に到来しているため、「大ダメージを負っていたものの、肉体を失うまでには至っていなった」と言うのが実情らしい。
なお、ベリアルの有力な部下達に関しては、(そもそもベリアルと共に戦っていたかどうかも含めて)全く描かれていない…
ウルトラカプセルの行方
「たった1個で戦局を大きく変える可能性を秘めていた」とされるウルトラカプセルだが、今のところベリアル襲来時に使用されたような描写はない。それどころか、ベリアルの所有物だったとされる「星雲荘」にはライザーと共にいくつかのウルトラカプセルが保管されていた。なぜ、対ベリアル用に開発された切り札が、ベリアルの作り出した拠点に存在していたのか?
ゼロがレイトに語ったところによると、混乱に乗じて何者かに盗まれてしまったとのことらしいが…。
その後、11話で光の国からライザーとウルトラカプセルを盗み出したのは伏井出ケイであったことが判明した。
ジードの出生の秘密との関係
物語の根底に関わる大事件であるため、ジード=朝倉リクが誕生した経緯とも何かしら繋がりがあるのではないかとする見方もあった。
そして、第11話でジード誕生の真相が語られることになる。ただそれとクライシス・インパクトがどう関係があるのかについてはまだ明かされてはいない(ベリアルが肉体を失った原因がクライシス・インパクトである可能性が高いので無関係でないだろう)。
関連項目
ウルトラマンジード ウルトラマンベリアル ウルトラマンキング 惑星破壊
ダークスパークウォーズ ウルトラフレア:過去作の冒頭で描かれた大事件。