概要
武論尊原作・原哲夫作画による漫画『北斗の拳』の数十年前を描いた漫画作品。原作は原哲夫、武論尊は監修を務める。「週刊コミックバンチ(新潮社)」にて2001年創刊号から2010年39号まで連載(全255話)。2006年10月4日から2007年3月14日までTVアニメも放送された(全26話)。
2017年から「月刊コミックゼノン(ノース・スターズ・ピクチャーズ)」にて第二部『蒼天の拳 REGENESIS(リジェネシス)』の連載が開始。原作は同じく原哲夫に加え、脚本に八津弘幸、作画は辻秀輝が務める。また、翌2018年には同名のTVアニメの放送も決定している。
舞台は、日本を含め海外の列強勢力が多く入り込んでいる1940年代の中国。当時の様々な社会的立場のキャラクターが登場する為、核戦争によって文明と秩序が崩壊し単純化された『北斗の拳』の舞台とは大きく違っている。また、それらのキャラクター同士の接触や対話の比重が多いため、北斗神拳を駆使して戦うといった場面は見られない。
ストーリー
1935年頃の日本。女子大で教師をしていた第62代北斗神拳伝承者霞拳志郎は、李永健が今際の際に残した言葉によって、朋友である潘光琳率いる青幇が壊滅したこと、そして恋人の潘玉玲が殺されてしまったことを知る。朋友のために上海に戻った霞拳志郎は、数々の強敵と出会いながら、北斗の宿命に突き動かされていく。
登場人物
主要人物
霞拳志郎(かすみ けんしろう)
CV:神谷明(ドラマCD)、山寺宏一(TVアニメ他)、山野井仁(CR第一作)
本作の主人公。第62代北斗神拳伝承者。かつて中国上海にて拳法修行を行っており、現地では「閻王」の異名で知られる。
潘玉玲(はん ぎょくれい)
本作のヒロイン。潘光琳の妹にして、拳志郎の許嫁。上海での修行中に傷つき倒れた拳志郎を介抱したことを機に恋仲となるも、結婚直前に拳志郎は人知れず日本へ帰ってしまう。その後、紅華会の増長により青幇は壊滅。自身も霊王・芒狂雲と婚約させられるも、なおも拳志郎を想い続けたため狂雲により記憶を奪われた。その後は馬賊の女頭目・李秀宝(り しゅうほう)として生きていたが、紆余曲折を経て拳志郎や兄・光琳と再会。正式に拳志郎の妻となった。
潘光琳(はん こうりん)
CV:てらそままさき(TVアニメ/成年期)、高城元気(TVアニメ/少年期)、石塚運昇(CR)
上海を牛耳る二大マフィアの一つ「青幇」の若頭で、「上海の虎」の異名を持つ侠客。妹が連れ込んだ拳法家・拳志郎と出会い、以後はたびたび危機を救われて朋友となる。2年後の上海では、紅華会頭目・呉東来によって監禁され、両足がネズミの餌にされる拷問を受け続けていた。拳志郎や元側近の葉親子によって救出されてからは、再びかつての同志を集い青幇を復活させた。
謎の道士
北斗の拳士たちの前に神出鬼没に現れる、薄汚い姿をした老人。飄々とした態度の裏で、拳士たちに対しては哲学めいた助言を与えたり、ときには死期の迫る者に暫しの命を与えるなど、謎めいた力を持つ。拳志郎の前にもたびたび現れており、運命を指し示すとされる「羅龍盤」を授けた。
北斗神拳
霞羅門(かすみ らもん)
CV:郷里大輔(ドラマCD)、麦人(TVアニメ/壮年期)、近藤隆(TVアニメ/少年期)
拳志郎の歳の離れた腹違いの弟で、後の第63代北斗神拳伝承者リュウケン。プロローグでは壮年期の姿で登場し、生まれたばかりの北斗宗家の血を引く赤ん坊に兄と同じ名前である「ケンシロウ」と名付けた。
霞鉄心(かすみ てっしん)
拳志郎と羅門の父で、第61代北斗神拳伝承者。かつては拳志郎と同じく、分派である北斗三家をはじめ多くの拳士と激闘を繰り広げた伝説を持つ。現在は伝承者を長男・拳志郎に譲り、日本で次男・羅門と共に暮らしている。
プロローグに登場する赤ん坊で、後の第64代北斗神拳伝承者(前作『北斗の拳』の主人公)。拳志郎と同じくコメカミに北斗七星のアザを持つことから、誕生に立ち会った羅門により名付けられた。
CV:大塚周夫(CR)
前作『北斗の拳』でも触れられていた北斗神拳の創始者であり、拳志郎たちの祖先にあたる人物。かつて「北斗宗家の拳」を超える史上最強の拳法を生み出す過程で、月氏の民から経絡秘孔を扱う「西斗月拳」を学び、総ての技を修得した上で月氏の民を皆殺しにしたという血塗られた過去が明かされた。
北斗孫家拳
芒狂雲(ぼう きょううん)
北斗三家拳の一つ「北斗孫家拳」の使い手。かつてその拳の凄絶さに魅了され、主家である北斗神拳を超えようと、阿片に手を染め「秘孔変位」や「狂神魂」といった狂気の奥義を体得。制止しようとした師父を殺害し、以降は自らを「霊王」と名乗り裏社会で紅華会の下で暗殺依頼を受けつつ、北斗神拳伝承者の出現を待ち続けていた。
狂雲の同門で、同じく「孫家拳」の使い手。上海出身のフランス系ユダヤ人にしてフランス陸軍情報武官を務める。上海に流民たちの安息の地を築くため、潘や拳志郎に接近。強敵たちとの闘いに情報や金銭面で協力し朋友となる。
孫家拳の師父
CV:沢木郁也(TVアニメ)
北斗孫家拳伝承者で狂雲、ギーズの師父。狂気にかられた狂雲を止めるため、記憶を抹消する秘孔を突いて制止しようとするが、既に秘孔変位を体得していた彼には通用せず、逆に首を獲られ絶命した。
北斗劉家拳
劉宗武(りゅう そうぶ)
CV:玄田哲章(CR)
北斗三家拳の一つ「北斗劉家拳」の伝承者。その圧倒的な力に陶酔するとともに「天は世に乱を望んでいる」と確信し、祖国を捨てドイツ軍に入隊。戦争に傾く国際社会に揺さぶりをかけ、世界に戦乱を巻き起こそうと目論んだ。
劉玄信(りゅう げんしん)
宗武の師で、北斗劉家拳の先代伝承者。娘の月英は拳志郎の母であり、事実上、彼の祖父にあたる。
夏文麗(か ぶんれい)
CV:岡本麻弥(CR)
北斗劉家拳の尼僧で、宗武の元恋人。
宗武を深く愛し、世を乱すという大罪を犯そうとする彼を必死で止めようとするも「女であるから愛す、ならば女を捨てよ」と宗武に乳房を抉り取られた。その後、不治の病を患い余生を尼となって送るものの、それでも宗武への想いを捨てられず、拳志郎に彼の抹殺を依頼した(表向きは宗武への憎悪であったが、その本心はあの世で宗武と共にありたいという願いがあった)。
前作『北斗の拳』にも登場した北斗琉拳の使い手。本作では戦火で両親と妹を失った少年として登場している。公式ガイドにて、北斗劉家拳は後の北斗琉拳として説明されているが、今現在のところ彼と劉家拳との関係性は描かれていない。
北斗曹家拳
極十字聖拳
西斗月拳
その他
拳士以外
青幇
紅華会
溥儀
学校
ギーズの知り合い
馬賊
日本軍
国民党
ナチス
北斗関係者
天授の儀
その他
主題歌
オープニングテーマ
「薔薇が咲く 薔薇が散る」
作詞・歌 - 愛内里菜 / 作曲 - 小島久尚 / 編曲 - 葉山たけし
エンディングテーマ
「心のリズム飛び散るバタフライ」(第1話 - 第12話)
作詞・作曲・編曲 - 徳永暁人 / 歌 - doa
「Kissing til i die」(第13話 - 第26話)
作詞・歌 - 真中潤 / 作曲 - 後藤康二 / 編曲 - 大島こうすけ