島田愛里寿
しまだありす
概要(ネタバレ有り)
CV:竹達彩奈
島田流戦車道師範・島田千代の一人娘。
13歳だが飛び級しており、大学生である。誕生日は10月24日。
優れた指揮統率能力を持ち、日本戦車道連盟・大学選抜チームでは本隊長を務める。
大洗連合チームとの試合では、大隊長として3個中隊を指揮するばかりでなく単独でも戦果を挙げており、彼女の車両だけで計11輌(内1輌相討ちだったため、実質10輌)を撃破し、まさに単騎で戦局をひっくり返している。
搭乗車は、英国戦車・A41センチュリオン。第二次大戦最末期の車両であり、戦車道のルールで使用できる車両中最高クラスの性能を誇る。他の搭乗員たちの練度もケタ違いに高く、高度な操縦テクニックと射撃技術も持っている。
素の性格は内気で人見知りであり、口数は少なく表情は表に出さない。
しかし、戦車道においては、年上であろうとも物怖じせず的確に指示を下し、大洗女子の選手・戦車追加をあっさり認める度量の大きさを見せる。
一方、中須賀エミは機嫌の悪い時の彼女を「重戦車に砲身を突きつけられたよう」と評している。
飛び級しているため学園艦に馴れておらず、船酔いしやすい体質である。
好物は、目玉焼きが乗ったハンバーグ。逆に苦手な食べ物はチーズやトマト、オリーブオイルや(食べ物の)アンチョビなど意外に多い。
チームメイトからも慕われており、特にバミューダ三姉妹からは溺愛されている。
ぬいぐるみのボコられグマが大好き。
ボコミュージアムであんこうチームと出会った際、お土産コーナーで残り一つだった小さなボコの人形を譲ってもらった。その時は恥ずかしさのあまりお礼が言えず走り去ってしまった。
ボコミュージアムの廃館を危惧しており、大洗女子との試合の条件として、母・千代に「勝ったらスポンサーに就いてほしい」とお願いしている。
試合には敗れたもののその願いは受け入れられた(劇場版ノベライズでは「島田流の名誉を守り、堂々と戦ったから」と説明されている)ようで、後日談として『リトルアーミーII』2巻のオマケで島田流がスポンサーとなった後のミュージアムの様子が描かれている。
西住みほのことは「何度倒しても立ち上がってくる、ボコみたいな人」として高く評価しており、決戦後には友情を育んでいる。一方、彼女をライバルとしても見ており、決心しかけた大洗女子学園の入学も、チームメイトになってしまうことでみほと戦えなくなるとの理由から最終的にこれを断った。
『愛里寿・ウォー』では、高校生活を送ってみたいという理由で大洗女子学園に訪れるが、船酔いのせいで担架で運ばれて乗船する。角谷杏に酔い止めとして干し芋を額に付けられるが、その干し芋が気になるという理由で船酔いが改善される。
大洗女子の制服を着て学校中を見学し、夜はみほの部屋でボコの着ぐるみパジャマを着てボコ談義をしており、ぬいぐるみや秘蔵のビデオなどを見せてもらっている。みほから仲間と過ごす楽しさを教えてもらうが、上述の理由で別の学校へ転校することを決めた。
劇場版での活躍
- 序盤は大洗の主力ともいえる黒森峰・プラウダの重戦車部隊の殲滅を目標とする。まずM24チャーフィーを偵察に出して敵の動向を探り、みほの予想とは反して中央の高台(通称「203高地」)を敢えて取らずに意図的に大洗側に確保させ、自軍中央のメグミ中隊は牽制に留め、アズミとルミの中隊を高台の両翼に進軍させる。加えて、アズミには敵と交戦したら突破してそのまま高台に進軍し敵中央の後背を脅かし、ルミには敵と交戦したら突破せずに釘付けにするように指示した。
- ひまわり中隊が高台を確保したのを見計らい、隠し玉のカール自走臼砲の砲撃を浴びせる。砲撃の混乱でひまわり中隊が陣形を崩すと、即座にメグミ・アズミ両中隊を差し向けてこれを撤退に追い込む。これにより、計7両を撃破して大洗チームの出鼻を挫くが、プラウダの「捨て奸」とどんぐり小隊の活躍でカールとM26パーシング5両を失う。しかし、特に動揺することもなく(劇場版ノベライズではカールの撃破を聞いた後、「あんなのはいらない」と言い捨てたことから、むしろ厄介払い出来て清々した様子だった)、大洗チームが逃げ込んだ遊園地跡に向け、残り全車両を進軍させる。
- 遊園地跡の戦いでは、唯一園内に入らず外から指揮を執る。南正門に囮部隊を差し向けて煙幕を焚かせることで此処を主攻と思わせ(カルパッチョ曰く「兵法第六計『声東撃西』」)、T28重戦車を先頭にメグミ中隊を先鋒とする主力部隊を東通用門から侵攻させる。また、西裏門からも相手兵力を分散させるべく少数のパーシング部隊を侵攻させた。
- しかし、大洗チームが予想外にも組織的な遊撃戦を繰り広げ、パーシングたちに多少の被害を出したため、愛里寿は各個撃破作戦に固執する事無く柔軟に作戦を変更し、逆に相手が一塊になるよう巧みに誘導し、その大半を野外音楽堂に追い詰めて包囲することに成功する。本来ならば、この時点で試合はほぼ詰んだ状態であり、メグミ・アズミ・ルミの要望や彼女らの指揮官としての育成の目的もあってか、愛里寿は隊の指揮をこれに一任する。この慢心との謗りも免れない判断が、圧倒的優勢だった大学選抜チームに陰を差すこととなる。
- 決したかと思われた戦局だが、ウサギさんチームが呼び起こした観覧車先輩の乱入によって包囲網が崩されてしまい、大洗チームの脱出を許してしまう。
- その後、大洗チームの怒涛の反撃が始まり、ゲリラ的な各個でのチームワークによる抵抗で大学選抜チームは次々と撃破され、ついには当初の三分の一以下の9両にまで減ってしまう。愛里寿は、ここに至って大洗チームをボコと例えてその実力を認め、面子から愛里寿に助けを求めるのを躊躇していたメグミたちを尻目に、ついに自ら出陣。『おいらボコだぜ!』を歌いながら遊園地跡へ進撃する。愛里寿無双の始まりであった。
- 遊園地跡に侵入してすぐに知波単チーム及びアヒルさんチームと遭遇し、突撃して来る彼女らを瞬く間に計5両返り討ちにした。この時点で今試合最多撃破数を記録する。
- 次に、チャーフィー2両を撃破した直後のウサギさんチームを不意打ちで撃破。さらにカメさんチームとアリクイさんチームを発見して追跡し、この2チームも容易く撃破。そして、「T型定規作戦」が成功して浮かれ立つアンチョビたちとカモさんチームを撃破した。その後、中央広場へ向かい、メグミとアズミと共に西住姉妹との最終決戦に臨む。
- 西住姉妹の連携により、メグミとアズミが撃破されてしまい、ついに大学選抜チームは自らただ1両となってしまう。しかし、単独ながら西住姉妹と互角以上の実力を見せ、双方一歩も引かない激しい砲撃戦を繰り広げる。(この時、自車の乗員への行動指示を言葉を使わずにハンドサインのみで済ませている描写があり、直接戦闘時の動き方を高度にパターン構築して効率化していることが見て取れる。さしずめ「これが島田流…」といったところであろうか。)
- ついには一瞬の隙を突いてあんこうチームの背後を取り、仕留めたも同然の状況を作り出す。しかしその矢先、中央広場にあったクマの乗り物が横切った(砲撃で飛んできた遊具の破片が当たり誤作動で動き出した)。愛里寿はそれにボコを連想したのか、一瞬動きを止めてしまい、砲撃のタイミングが外れ、千載一遇のチャンスを逃す。
- そして、遊具の富士山の山頂に陣取っていた西住姉妹が突撃を敢行してくると、それを迎え撃つ構えを見せる。が、西住まほから放たれた空砲を推進力に猛スピードで突っ込んできたあんこうチームに一瞬怯み、砲撃を浴びせて右履帯を破壊するも仕留め切れず、そのまま激突したのと同時に砲撃を受けて走行不能に。あんこうチームとは相討ちの形になったものの、まほのティーガーⅠが残存していたため、大学選抜チームはここに敗北した。
- 試合後、敗北の一因であるクマの乗り物に乗ってみほたちのもとに現れ、以前ボコミュージアムで譲ってもらった小さなボコの人形を「勲章」と称してみほに手渡し、彼女たちの勝利を称えた。
- その後、約束に反してスポンサーになってくれた千代のおかげで、ボコミュージアムがリニューアルされ、その際試合後に乗っていたクマの乗り物を贈呈し、「ヴォイテク」と名付けた。
センチュリオン被害車両一覧
- 九七式中戦車×3:丘上から一気に駆け下り奇襲を試みた細見、玉田、西絹代のチハの初撃を躱し3両を瞬時に撃破。愛里寿無双の始まりである。
- 九五式軽戦車:アヒルさんチームと共同で挟み込み回避を封じようとするが命中せず。直後に撃破。
- 八九式中戦車:福田が撃破された直後に至近距離で砲撃を仕掛けてくるが、左サイドスカートにかすらせたのみでこちらのダメージにならず。逆に返り討ちに(まあセンチュリオンに対して57㎜でどうにかなるものでもないのだが…)。
- M3中戦車リー:ほとんど不意打ちだったため、澤梓以外のウサギさんチームは状況を理解できず。
- 38(t)戦車(ヘッツァー仕様):固定砲塔だったため応戦されず難なく撃破。
- 三式中戦車:回避を試みたももがーがレバーをへし折ってしまいそのまま被弾、沈黙。
- CV33:「T型定規作戦」でパーシングを撃破した直後だったところを吹き飛ばす。
- ルノーB1bis:CV33撃破直後に反撃を受けるも砲撃をものともせず返り討ち。ここまで八九式以外からの被弾なし。
- IV号戦車D型改(H型仕様):ティーガーⅠの空砲射撃で肉薄され、相討ちの形で撃破される。
関連イラスト
髪型はサイドテールなので、絵を描く際はツインテールではないことに注意されたし。