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上白沢慧音

かみしらさわけいね

上白沢慧音とは、東方Projectのキャラクターである。初出は『東方永夜抄』3面ボス。EX面でも中ボスで登場する。

概要

種族ワーハクタク白沢人間のハーフ)
登場作品東方永夜抄Stage3ボス EX中ボス 東方文花帖 LEVEL3ターゲット 『弾幕アマノジャク』3日目
二つ名知識と歴史の半獣 歴史喰い) 堅苦しい歴史家) 歴史喰いの半獣) ※
能力歴史を食べる(隠す)程度の能力(人間時) 歴史を創る程度の能力(白沢時)
テーマ曲プレインエイジア 懐かしき東方の血 ~ Old World エクステンドアッシュ ~ 蓬莱人(永EX道中)

東方儚月抄にも登場している。また東方鈴奈庵にも1シーン(2コマ分)他複数の機会に登場。

半分妖怪の身でありながらも人間を愛しており、常に人間側に立って行動している。

その能力も人間の為になる事にしか使っていない。神主のコメントでも「すごく頭いい」とされているぐらいには頭が良く、現在は子供たちの為に人間の里寺子屋を開いている。

だが、難解で退屈なことに定評のある授業らしく、求聞史記でも阿求に「私が授業した方が面白いと思う」と書かれる始末である。また、宿題を忘れたりするとお仕置きとして頭突きが待っている。すごく痛いらしい。

満月の夜に白沢になったときには幻想郷中の知識を持ち、幻想郷の歴史の編纂作業を行なっている。一夜漬けの編纂作業の為か、はたまたハクタク化によって好戦的な性格に変わった為か、不用意に近付くとのある頭で頭突きをされる恐れがある。ものすごく痛いらしい。

永夜抄Extraステージでは、「あの人間」の護衛のために変身した姿で再登場。「あの人間」と言うが誰の事なのかは、永夜抄の中では明言されないが、その後に登場するEXボス藤原妹紅であるため、二次創作では仲の良い相手として妹紅が描かれる事が多かった。

その後儚月抄で慧音は妹紅にとって数少ない理解者であるという設定が明らかになり、二次創作で補完されていた部分が公式によって後付けされた形になる。

妹紅によると、慧音は中性的な話し方をするらしく、永夜抄での会話もそのような言葉遣いである。

しかし、妹紅にはいわゆる「ですます」口調の丁寧語で話しており、書籍版文花帖でものインタビューに対して丁寧語で応えていることから、誰に対しても中性的な口調ではないようだ。

先述の寺子屋に関連して、『鈴奈庵』では実際に慧音と思しき人物が教室で教鞭をとる光景が描かれている。この機会では授業時間中の他に授業時間外の慧音と生徒たちの様子も見ることができる。その様子を見る範囲では生徒たちには慕われている様子である。

一方『月のイナバと地上の因幡』(後述)で描かれた授業風景ではその授業内容に飽きて多くの生徒たちが居眠りをする様子も描かれているなど、複数の作品で教師としての慧音の多様な表情が描かれてもいる。

種族

ワーハクタクと呼ばれる半獣人。狼人間(ワーウルフ)の白沢(ハクタク)版。

普段は人間だが、満月の夜になると角と尻尾が生えて、イメージカラーもからへと変化する。

求聞史記によると、彼女は元々人間であったが、何らかの原因で獣人になったとされる後天性の妖怪である。

 

ちなみに白沢とは、中国に伝わる聖獣。牛のような体に人面を持ち、人語を解し、徳の高い為政者の前に姿を現すと伝えられている。また白沢に遭遇するとその家は子々孫々まで繁栄するといわれている。

性格

面倒見がよく、生真面目で他人を放っておけない性質。大事なもの(人間など)のためなら命も張る熱血娘である。ただし、少々思い込みが激しく先走りするところがあり、物事を決め付けて掛かる癖がある。

また自分勝手な部分もあり、「月のイナバと地上の因幡」では

  • 鈴仙への説教を自身で実行できず、はぐらかす。
  • 偶然居合わせた鈴仙をこき使おうとする。

などの行動が見られた。

ZUNは「月の~」では原案であり、ネタ出しは作画のあらたとしひらによるもの)

容姿

腰まで届こうかというまで長い、青のメッシュが入った銀髪。頭には頂に赤いリボンをつけ、六面体と三角錐の間に板を挟んだような形の青い帽子を乗せている。この帽子は赤い文字のような模様が描かれている。

衣服は胸元が大きく開き、上下が一体になっている青い服。袖は短く白。襟は半円をいくつか組み合わせ、それを白が縁取っている。胸元に赤いリボンをつけている。下半身のスカート部分には幾重にも重なった白のレースがついている。長い。

ZUN曰く「それにしても、慧音はなんで変なスカートをはいているのだろう。帽子も。

能力

彼女の能力はゲームのストーリー中で使用されている場面がある割に、抽象的な部分が多く分かりづらい。

単純に字面だけを読んでも理解できない部分が多いが、「ハクタク」と言う妖怪が元々中国の妖怪であり、その時代の中国の施政に関する文化がどういうものであったのかまで考慮に入れると理解がしやすくなる。

(参考:求聞史紀)

  • 歴史を食べる(隠す)程度の能力(人間時)

簡単に言うとある出来事を「無かったことにする」能力。

しかし本当に過去の出来事が消滅するのではなく、文字通り「無かったことになる」だけである。

古代中国では政権を担う有力者が交代するたびに、前の政権での歴史を全て焼き払い、自分に都合のいいように書き換えられた歴史書を作り直す、と言う事を繰り返してきた。

つまり歴史とは「過去の事実」ではなく、「その当時の施政者が書き記したもの」であり、事実がそのまま記されているものもあれば、そんな出来事無かったのに事実のように記されている事、実在したのに抹消されている事も当然ながらあった。

当たり前だがこういう事をしても、前の政権の時代の歴史を実体験で知っている年寄りにはあまり意味が無い。そこまで年寄りではなくとも、前の政権の時代に歴史を少しでも学んだことがある者であれば違いに気づくことが多い。しかし、書き換えられてから初めて歴史を学ぶ者は、その書き換えられた歴史が全てとなる。

慧音の能力によって「無かったことにする」とは、ちょうどこの作られた歴史のように、本当は実在した出来事なのに、そんな事は無かったのだと周りに広めるようなものと言える。

なので、強い妖怪(≒長く生きており、歴史書に頼るまでもなく実体験として歴史を多く知る者)には効果が無い。また、自身の体験ではないものの、独自に歴史をまとめ続けている稗田家の歴史書にも効果が及ばない。

慧音の能力はただの歴史書の改ざんよりもちょっとだけ発展性があり、能力の効果がある相手には無かったことにしたものが物理的に見えなくなるなど、現実での認識にもいくらか影響を及ぼす。

永夜抄の該当シーンでも、いずれも100年以上生きている者ばかりである妖怪サイドのキャラに対しては人間の里は無かったことになっておらず、普通に見えていた。

そこまで長く生きておらず、自身の中に歴史を持っていない人間サイドのキャラクターは、影響を受けて里が見えなくなってしまっていたものの、「そこに人間の里があった」と言う改変前の歴史は知っているため、改変後の「里を無かったことにした歴史」との食い違いを自覚していた。

  • 歴史を創る程度の能力(白沢時)

こちらの能力はゲームのストーリー中で使用された場面が無く、書籍でいくらか紹介で触れられているに留まるが、同じ「歴史書の改ざん」と言うテーマに基づいて考えると理解が早い。

先述の通り歴史書が改ざんされると、「実在したのに無かったことにされている、誰にも知られないまま終わっている出来事」が出てくる。

ハクタク化した慧音は幻想郷中の歴史を一時的に知ることができるため、無かったことにされている出来事をサルベージして歴史書に記し直すのである。

求聞史紀での阿求の言葉を借りるならば、「事実は事実ではあるが歴史ではない。誰かに書き記され広められて初めて"歴史"になる」のだ。

ただし記している内容がすべて事実だとは限らない。慧音と言えど一個人であるため彼女の主観がどうしても入る。

また、彼女が歴史書を編纂する目的が「間違った歴史を学んでしまう事で人間と妖怪が不要な争いを起こしてしまうのを防ぐため」である事から、逆に無かったことにしておいた方が争いを避けられる事実は恐らくサルベージしても記さずに再び無かったことにしているだろう。

スペルカード

東方永夜抄

人間時

スペルカード名ENHLEX備考
産霊「ファーストピラミッド」
始符「エフェメラリティ137」
野符「武烈クライシス」
野符「将門クライシス」
野符「義満クライシス」
野符「GHQクライシス」
国符「三種の神器 剣」
国符「三種の神器 玉」
国符「三種の神器 鏡」
国体「三種の神器 郷」
終符「幻想天皇」
虚史「幻想郷伝説」
未来「高天原」LastSpell
「日出づる国の天子」LastWord

白沢時

スペルカード名ENHLEX備考
旧史「旧秘境史 -オールドヒストリー-」
転世「一条戻り橋」           
新史「新幻想史 -ネクストヒストリー-」 
「無何有浄化」             LastWord

東方文花帖

スペルカード名ステージ
光符「アマテラス」LEVEL3 SCENE2
包符「昭和の雨」LEVEL3 SCENE4
葵符「水戸の光圀」LEVEL3 SCENE6
倭符「邪馬台の国」LEVEL3 SCENE8

弾幕アマノジャク

スペルカード名ステージ
「20XX年 死後の旅」3日目 シーン3
大火「江戸のフラワー」3日目 シーン6

二次創作

きもけーね

ワーハクタク状態を二次では「きもけーね」または「キモけーね」と呼ぶ。

Extraステージでの慧音に対して霊夢が「これが肝試しの肝?」と言ったためか。今となっては「キモ」は気持ち悪いの略にあたるので、蔑称のつもりで連呼すると先生に頭突きを喰らうかもしれない。

悪い教師

基本的に熱くて思いやりを持つ良い先生として描かれるが、時折その真逆の性格として描かれる事もある。

具体的には生徒に対しすぐ頭突きを放ったり、妹紅に対し変態的な性欲を常に爆発させていたり、生徒に対し嘲るような態度と口調だったり。

当然これはギャグの範囲内で済ませるべきなので、行き過ぎには注意されたい。

けねもこ/もこけーね

慧音の永夜抄Exでの「あの人間には指一本触れさせない!」発言に端を発する妹紅とのカップリング

pixivでは「けねもこ」と「もこけーね」(もこけね)の二種類があるが、特に違いは無い。ちなみにもこけーねの方がタグ登録が多い。ただし、違いに意味をこめて使い分けられるケースもあり、作品のストーリーや背景部分でこの違いが重要となるものもある。

小説版儚月抄では、妹紅が慧音を指して「数少ない私の理解者」と評している。

不養生な妹紅を心配する慧音、相思相愛のけねもこ、慧音のボケに妹紅のツッコミ、幼い慧音を見守る妹紅と、純愛からシリアス年齢差にコメディまで何でもござれ。

慧霖

東方香霖堂主人公の森近霖之助とのカップリング。

原作では東方心綺楼人間の里ステージで共演したものの、距離が離れすぎているため根拠には欠ける。

しかし霖之助は人里に一時滞在していたため、互いを知らないのは不自然、寧ろ幼馴染や昔馴染だったのではという説が浮上。半人同士という相性の良さも背中を押しており、かなり根強い人気を誇る。

フラグクラッシャーの霖之助相手に慧音が空回りするのが基本スタンスだが、成就した場合の物語では通い妻や熟年夫婦のような息の合い方を見せてくれる。

ちなみにとある少女を混ぜると恐ろしく違和感が仕事しない素晴らしいワンセットが完成する(なお二次創作である事には留意するように)。

その他

  • 「上白沢」という苗字は、「ワーハクタク」のもじりらしい。つまり上は妖怪で下は人間ということか。
  • ドイツ語で「keine」という言葉は「何もない」「なかったこと」という意味がある。発音は「カイネ」。
  • 頭の帽子(ZUN帽)はよくアレンジされる。しかも落下しない。元ネタは中国の常礼の冠である「弁」と思われる。弁当ではない。
  • 二次創作ではしばしば高身長に描かれるが、原作立ち絵を見る限りでは霊夢たちよりも小さい。
  • 胸は大きめに描かれることが多い→でっけーね
  • 永夜抄スペカプラクティスのオールドヒストリー&ネクストヒストリーの神主コメントから、けーねが言ってたネタが広まる。どんな話も説得力があるっぽく聞こえる、ってけーねが言ってた
  • pixivに投稿された東方Projectに関連する最古のイラストは上白沢慧音である。(東方最古シリーズ

関連タグ

東方Project 東方永夜抄

慧音 上白沢 知識と歴史の半獣 ワーハクタク 白沢 きもけーね 寺子屋

コラボレーション

慧音!

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