概要
東方Projectに登場する上白沢慧音、藤原妹紅、宇佐見菫子の三名による二次創作グループ。
慧音と妹紅は『東方永夜抄』、菫子は『東方深秘録』に初登場した。
慧音と妹紅は『永夜抄』EXステージで共にそれぞれEX中ボス・EXボスとして登場しており、『永夜抄』以前からの二人の結びつきを想像させるような言葉も登場している。さらに『東方儚月抄』では妹紅が慧音に寄せる強い信頼の様子が描かれているなど東方Projectの複数の作品で妹紅と慧音はともに在る事が多い。
一方妹紅と菫子は『深秘録』にて出会い、当初こそ互いに険のある様子であったものの弾幕を交わしぶつかり合うことで意気投合、その後の別れと再開も経つつ、両者が互いを気に入っている様子が描かれている。さらに菫子側からは信頼も寄せられているようである。
2018年現在においては妹紅と慧音、妹紅と菫子の両関係性はともに様々に描かれているが慧音と菫子が直接出会っている様子は描かれていない。同現在時点では二人の関係性または両者と妹紅を交えた三名の関係性は主に三名に関わる二次創作によって様々に想像されるものとなっている。
その際に中心となるのは妹紅である事も多い。
人間
三名はいずれも人間、または人間の性質を同時に備えている。
妹紅は今日でこそ不老不死の存在であるが、人間であることに変わりない。
菫子は「外の世界」の人間である。
慧音は「 普段は人間 」(『永夜抄』)であり、満月の夜にのみ「 白沢 」(ハクタク)に変身する「 ワーハクタク 」という獣人としての性質も備えている。
獣人は稗田阿求の記述によれば妖怪の部類ではあるが、その主たる生活拠点が人間と同様の場合もあることもあり、特定の状況下以外は「 人間と違いは殆どない 」(『東方求聞史紀』)。
加えて慧音は後天的な獣人であり、元々は人間で、何らかの理由でワーハクタクとしての性質を備えることとなったようである。
東方Projectには人間以外に多種多様な存在が登場しているが、慧音と妹紅と菫子の三名はいずれも人間であることに共通点を持つのである。
余談ながら、阿求は獣人が「 動物化 」した際の姿の一例に「 パンダ 」を挙げているが、菫子が『深秘録』で披露した攻撃アクションの一つに、パンダを模した遊具であるパンダカー(アニマルカー)を用いた攻撃がある。
それぞれの性格と他者との交流
慧音ついては阿求評によれば「 決して悪い人間ではない 」ので、必要以上に恐れなくても良い。
慧音の人間に対して友好的な姿勢は『永夜抄』での初登場時から現れており、人里にも影響した「永夜異変」において人間の里を妖怪から守るために行動した。
ハクタクとしての能力も「 人間の為になる事にしか使わない 」(『永夜抄』テキスト)とされており、「 常に人間側に立っている 」存在でもある。
人間を愛し、人里に住まいながら寺子屋で子どもたちの教育にも力を注いでいる。
その様子は射命丸文をして、「 巫女 」(博麗神社の巫女)以上に「 人間寄りに見える 」程(『東方文花帖』書籍版)。
妹紅は今日では「迷いの竹林」に迷い込んだ人間を妖怪から守り、安全なところまで導くという案内人として活動している。阿求執筆による「幻想郷縁起」における妹紅の二つ名は「 紅の自警隊 」であり、護衛の依頼も受け付けている様子が語られている。
例えば近年突如として解放された永遠亭に高度な医療を求めたい場合はその道中の迷いの竹林が障害となるが、妹紅に案内を依頼をすることでここを安全に往復させてもらえる。
慧音と妹紅は共に人間社会の輪の中にあり、それぞれの形で他者に貢献している。
とりわけ妹紅はかつては他人との関わりにおいてその不老不死性等から深く傷つき、千年単位で他者との縁を痛めた歴史を持つが、今日では幻想郷において慧音との縁をはじめ他者との繋がりを得る事が出来ており、これが妹紅の支えにもなっている。
菫子は『深秘録』の異変中でこそ険のある対他者関係を展開したが、一方で妹紅との関係に見るように気持ちの通った相手にはまっすぐで素直な一面もみせており、同異変の後で再び幻想郷に訪れるようになると幻想郷の住人と交流し、菫子の語る未知の「外の世界」の話題もあってか菫子はこの地で有名になったようである。
かつては真正面からぶつかり合った博麗霊夢や霧雨魔理沙とも、その後は夏の縁側でお茶を楽しむ様子が描かれている(『東方茨歌仙』)。
菫子はまだ幻想郷を訪れて間もない事や本人の主たる生活が「外の世界」に所在する事もあって幻想郷の輪の中にある様子は描かれていないが、すでに一定の顔の広さをもっているようである。
三者はそれぞれの形で今他者との繋がりの中にあるのである。
ただし慧音と妹紅と菫子の三者にはそれぞれに気難しいところもあり、慧音の場合寺子屋で宿題を忘れると頭突きの制裁があり、挨拶をしない人物は嫌う。
妹紅は自分の事を殆ど語らず、竹林などで人間を助けても何も語らずに立ち去るようである。
菫子は『深秘録』時点では他人を見下し、拒否していた経緯を持つ。
性格的に堅かったりぶっきらぼうだったり一時は自身の能力を過信したりと、関係性における取っつきにくさがその一面でもあるのである。一方でそれが人間味ともなって様々なエピソードにもつながるなど、これらの性格要素は重要な個性の一つでもある。
なお他者に自身の話を伝えるという視点では、先述のように菫子はその語りを通して輪を広げており、霊夢もまた菫子の話に興味をもつなど話題性もあってか他者を惹きつけている。
一方で慧音は寺子屋で授業場面に限って言えばその内容を難解に伝えてしまうようで、阿求は慧音について「 人を楽します事は苦手の様 」と評している。
妹紅によれば慧音は説明熱も強いようで、語りだすと止まらないようである(『儚月抄』)。
その妹紅はそもそも自身から語る事は多くない様子であるが、一方で語りかけると喜んで聞いてくれるようである。ただし時には経験の深さをうかがわせるような他者を翻弄する対話術も披露している。
三者は先述のように他者との繋がりを持つ一方でその具体的な対人関係の姿は三様であり、それぞれの個性があるものともなっているようである。
二次創作では
二次創作では、先述の現在時点においては三者の接点が妹紅を通したものであることもあって、妹紅を軸とした関係性が描かれる事も多い。
例えば『深秘録』の一件で縁を結んだ菫子の幻想郷への再訪問と妹紅との再会の際には妹紅が慧音に紹介したり、または菫子が人間の里を訪ねた折に妹紅と慧音に出会う、などのストーリーが一例としてある。妹紅が紹介するというケースを見る時、妹紅にとって慧音は「 理解者 」(『儚月抄』)でもあり、妹紅が自身が深く信頼する慧音に先の異変の出会いを通して気に入った菫子を慧音に引き合わせる、といった視点である。
ただしこれはあくまで出会いのケースであって、個々の心情とそこから生まれる交流の姿が具体的にどのようなものとなるかがそれぞれの創作において重要な問題となる。
それは例えば妹紅に収斂される三角関係であり、概念的に例えるならば二次創作的表現で言うところの「もこけーね」(けねもこ)と「もこすみ」(すみもこ)が「もこ」を巡って真正面から衝突するケースといったようなただならぬ感情のうねりや時には激情をも伴うものでもある。
特に慧音は原作においてもゲームや各書籍作品で妹紅とともに行動する様子が描かれている事が多いため、創作によっては菫子と出逢うその心情にはとても複雑な想いがあるのでは、と想像される事もあるのである。
一方作品によってはこれまでの経緯やその生きざまもあって妹紅を心配し続けてきた慧音が妹紅に心を割った友達が新しく出来た事を心底喜ぶといった方向性で三名を描くものもあったり、三名がそろって人里を探索したり、あるいは慧音や妹紅が行うような妖怪から人間を守ることに菫子が助力するという創作のあり方もある。妹紅や慧音がその感情の主格になる事もあるが、妹紅と慧音との間柄を通して菫子自身の心の成長などが描かれるなど、菫子が主体となる作風も同時にある。
三者が出会い、あるいは三者が出会う以前に各メンバーがどのような人間関係を醸成しているかによって「けねもこすみ」へのアプローチも多様なものとなっており、「けねもこすみ」にまつわる想像のあり方もまた多方面の可能性を備えた広がりと、人の心の奥底まで求めていくような深みとを同時に備えている。
関連タグ
関連カップリング
※空白または赤字はピクシブ百科事典にまだ記事が無いもの
- 各々のカップリングフレーズ
- もこけーね:もこけねは神の国(もこけーねは神の国等)
- もこすみ:もこすみは結界を越える秘蓬