ーーだね、神様が居るって人間が信じてた時の幻でしょ
CV:横溝菜帆(8歳時)/村中知(15、25歳時)
概要
ニューホンコンを拠点に地球連邦政府とも密接な関係を築く大企業「ルオ商会」会長・ルオ・ウーミンの次女(養女)にして特別顧問。25歳。
略筮法での占いに長け、グリプス戦役期には、ウーミン会長がエゥーゴへの出資判断に対して、その“易”を材料としたという逸話もある。
宇宙世紀0097年においては、広く政財界から絶大な信頼を得ており、地球連邦軍高級将校クラスですら、彼女の“助言”を得るために頭(こうべ)を垂れる。
ヨナ・バシュタ、リタ・ベルナルとは幼馴染であり、幼少期は正式に地球のオーストラリア区に暮らすことのできるアースノイド(特権階級)として何不自由なく暮らしていた。
しかし一年戦争開戦(宇宙世紀0079年1月3日)を前に、コロニー落としを幼馴染3人で“視る”という不可思議な体験をする。ミシェルらは幼いながらも必死でその『未来』をシドニー近郊街へ伝え、後に「奇跡の子供たち」と呼ばれる事となるも、結局は自分達の両親を救えず孤児となってしまう。
やがてその“奇跡”に目をつけたティターンズ直属のオーガスタ研究所(ニュータイプ研究所)へと引き取られる事となるが、とある事情からリタのみと離れ離れになってしまい、共に生き残ったヨナとの関係はやや冷え込んでいる。
ラプラス事変において、絶大な力を見せた「シンギュラリティ・ワン(技術的特異点)」、即ちユニコーンガンダムに並みならぬ興味を抱いており、その3号機フェネクスを我が手にせんとマーサ・ビスト・カーバインの護衛部隊を兵士の殺害すら躊躇わずに襲撃。
さらに協定違反兵器であるナラティブガンダムまでも調達して『不死鳥狩り』作戦を展開するクラップ級宇宙巡洋艦ダマスカスに乗り込む。
その異様なまでの執着が目指すのは………。
魂の『仮説』
“易”を視るミシェルは、ニュータイプおよびサイコミュ技術に対して、既存の観念やミノフスキー物理工学とは異なる『仮説』を立てていた。
この『仮説』によれば、宇宙世紀の人間には認識の及ばない高次元に、魂が集う場(フィールド)が存在しており、ニュータイプは生きたまま、魂から発する未知のエネルギーを操って現実に働きかける者。そしてサイコミュは時に魂のエネルギーを集め物理的なエネルギーに変換してモビルスーツに作用させる装置として定義している。
加えてミシェルは、サイコフレームとは「高次元と繋がって刻を操る力を引き出す媒体」であると見なし、かつて己が積み上げてきた“罪”を精算する為に、フェネクスの捕縛に強く拘ったのである。
当該仮説に対しては、下記のように肯定的要素と否定的要素の両方が存在しており、その真偽は全くの不明である。
刻(とき)の知覚
宇宙世紀0096年に生じたラプラス事変の最終決戦において、フル・フロンタルはネオ・ジオングに備わった「サイコシャード」という、サイコフレーム(サイコミュ)の最上位となる“システム”を介して、バナージ・リンクスに宇宙の終焉(熱的死)の“像(イメージ)”を垣間視せている。
しかし、宇宙世紀0079年の一年戦争末期には、ララァ・スンがメガ粒子に焼かれて蒸発する瞬間、彼女とアムロ・レイとが、あたかも『密会』での秘め事のように“刻”を垣間視ている。なお、このとき付近にはエルメスに搭載された最初期型のサイコミュが存在してはいたが、サイコフレームのような高度な“システム”は存在していなかった。
サイコフレームへの魂の集積とサイコ・フィールドの発現
機体のムーバブルフレーム全体にサイコフレームを採用した、フル・サイコフレーム機の場合は、一人の人間の“魂”全体とでも言うべき容量の意思を集積、留めておく事が可能なようであり、バナージ・リンクスを取り込んだ“ユニコーンガンダム【光の結晶体】”や、リタ・ベルナルを取り込んだフェネクスという、『真のニュータイプの形のひとつ』を生み出している。この“形態”となったフル・サイコフレーム機は、コロニーレーザーの照射を一分間に渡って防ぎきり、あるいは光速に近い速度での機動を実現している。
そしてまた、フェネクスに宿ったリタの意思は、幼馴染であったヨナ・バシュタにハルユニットの破壊を『呼び掛けている』。
しかし、上記のフル・サイコフレーム機が発生させたエネルギー量は、サイコフレーム搭載量としては小規模のνガンダムが、多くの兵士(生きている人間)達の意思を集積させて起こした「アクシズ・ショック」の、宇宙世紀史上他に類を見ない天文学的なエネルギーと比較すれば、極めて微々たるものである(文字通り「桁が違う」)。
そしてやはり、ララァ・スンはサイコフレームのような“媒介”を用いずに、その意思を10年以上に渡って保ち続け、アムロ・レイとキャスバル・レム・ダイクンの両者に呼び掛けていた。