概要
1989年12月にリリースされた、アクションゲーム。
当初はカプコンUSAから「ストリートファイター」の続編を作ってほしいという依頼から開発が始まったが、 開発陣の勘違いから当時流行っていた「ダブルドラゴン」をはじめとする、 ベルトスクロールアクションゲームとして開発された。その時の仮題が「ストリートファイター'89」だった。
しかしカプコンUSAが望んでいたのはあくまで対戦型格闘ゲームであって、アクションゲームではなかった。そういう意味ではいわば“期待外れ”な作品であったはずの『ファイナルファイト』だが、『ダブルドラゴン』以来のベルトスクロールアクションの傑作としてヒットとなった。
後に、家庭用ゲームを中心に続編が作られ、「キャプテンコマンドー」などの派生作品も生まれた。なお、対戦型格闘ゲームを欲しがったカプコンUSAの要望で作られたもう1本の作品が『ストリートファイターII』である。
プレイヤーキャラクターは、コーディ、ハガー市長、武神流忍者ガイの3人から1人を選択し、街中を進み、現れる悪人達をパンチやキック、投げや必殺技、武器を駆使して倒して行く。
難易度は非常に高いが、簡単で爽快な内容と、テクニックを覚えると有利に進められるバランスの良さがヒットを博した。
コーディとガイは、後に「ストリートファイターZERO」シリーズ、「ストリートファイターⅣ」に、ハガー市長は「マッスルボマー」「namco×CAPCOM」にも登場した。
稼働から4年後にスーパーファミコン用ゲーム『ファイナルファイト2』が発売され、更に2年後にスーパーファミコン用ゲーム『ファイナルファイト タフ』が発売された。
スタッフロールは『ファイナルファイト』と『ファイナルファイト2』の2作品のみで『ファイナルファイト タフ』は存在しない。
第1作目の移植版にはSFC版とX68000版、メガCD版、そしてGBA版が存在する。SFC版は2本発売されているが、前者はコーディーとマイク・ハガーしかプレイ出来ないバージョンになっており、後者はガイとハガーしかプレイ出来ないバージョンとして発売されており、二人協力プレイとロレントステージは省略されている。同士出現数は最大3人。
X68000版とメガCD版はアーケード版と同様、全てのキャラクターがプレイ可能で、SFC版では省略された二人協力プレイモードとロレントも搭載、グラフィックもアーケードに近いなど比較的忠実な移植となっているが、敵キャラが画面内に同時に4人までしか登場しない、スクロールがステージの途中で(強制的に)止まる、攻撃時のパンチの連射が少しやりずらいなどの差違も存在する。
メガCD版はパンチの連射速度がかなり遅くなっており、この部分が特に批判された。
GBA版はSFC版には無かった2人プレイやロレントステージが搭載されているが、BGMの選曲ミスがある。(ロレントステージのBGMが1、3、6面最初のBGMと同じだったり、6面クリア時のBGMが通常クリアと一緒など)
同時出現数は難易度によって変動し、最大3人~6人となる。
ゲームの所々に配置されている樽やドラム缶などを壊すと、原始肉などの体力回復アイテムが出てくるのだが、このゲームの最大級のネタとして、後半のボスキャラが登場時に噛んで吐き捨てたガムを拾って食べると、どういう訳か体力がかなり回復するのである。現実では絶対に真似をしてはいけないぞ!
物語
かつて、暴力集団マッド・ギアの支配下にあったメトロシティを再興する為に、マイク・ハガーは市長として立ち上がった。 ・・・・・・しかし彼を待ち受けていたのは、最も卑劣な報復だった。
【出典:ファイナルファイト 業務用販促チラシ(カプコン)】
操作方法
レバー | 移動 |
---|---|
Aボタン | 攻撃 |
Bボタン | ジャンプ |
A+B | 緊急回避(体力消費) |
敵に重なる | その敵を掴む |
掴んでA | 掴み技 |
掴んでレバー+A | 投げ |
掴んでB,Aの順に押す | パイルドライバー(ハガーのみ) |
主な登場キャラクター
ファイナルファイト
ファイナルファイト2
ファイナルファイトタフ
ステージ
- ラウンド1 SLUM
- ボス、ダムド
一定の体力を減らすと護衛を呼び出してくる。
- ラウンド2 SUBWAY
- ボス、ソドム
2面ボスだけあって初級者の壁。
- ボーナスステージ1、車壊し
- ラウンド3 WEST SIDE
- ボス、エディ・E
体力が減っていくと拳銃で攻撃してくる。
- ラウンド4 INDUSTRIAL AREA
SFC版には存在しない。
- ボス、ロレント
超吸引力投げの使い手でもある。
体力が減っていくと手榴弾をばら撒いてくる。
- ラウンド5 BAY AREA
AC版はバグでこのラウンド以降はどんなにスコア稼いでもエクステンドしないようになっている。(SFC版では修正済み)
- ボス、アビゲイル
超吸引力(ありえない距離から掴まれる)の投げで多くのプレイヤーを挫折させていった。
- ラウンド6 UP TOWN
- ボス、ベルガー
マッドギアを陰で操るボス、威力の高いボウガンで攻撃してくる。
スピンオフ
『ファイナルファイト リベンジ(FINAL FIGHT REVENGE)』
ファイナルファイトのキャラクターが登場する3D対戦型格闘ゲーム。
アーケード版は1999年7月に稼動開始、2000年3月にはセガサターンに移植された。
開発はアメリカのカプコン・デジタル・スタジオ(Capcom Production Studio 8)。この会社はコーディーの弟・カイルを主人公とした『Final Fight: Streetwise』も開発している。
レバー8方向と5ボタンで、ストリートファイター系の2D格闘ゲームをベースに軸移動の要素を加えた操作性になっている(ストリートファイターEXも参照)。
またアイテムを拾うと攻撃性能の変化や体力の回復、破壊すると新たなアイテムが出現するドラム缶等の設置といった、ファイナルファイトを意識したギミックが特徴。
使用可能キャラクターはコーディー、ハガー、ガイの主人公トリオと、ラウンドボス勢からダムド、ソドム、エディ.E、ロレント、雑魚敵枠からエルガド、アンドレ、ポイズンの計十名。
更にCPU専用キャラとして、ベルガーが本作でもラスボスを務める…が、大胆にもほどがある変貌を遂げている。さてはメトロシティを魔界村にするつもりか?
日本版ではベルガー戦のあとに各キャラごとのエンディングが追加されており、一部にZEROシリーズ等とは矛盾する独自の設定がなされている。
ゲーム内容に対する市場の評価は厳しく、更に2000年はセガサターン市場そのものが終局に到っていたこともあり、SS版FFリベンジは出荷数そのものの少なさから『中古市場にもほとんど出回っていない稀少品』として高値で取引されていることで有名。