ズバッと概要!
私立探偵の早川健は、親友である科学者の飛鳥五郎を何者かによって殺されてしまう。
飛鳥の仇を討つ為、早川は飛鳥の残した設計図を基に、宇宙探検用強化服ズバットスーツと宇宙探検用の特殊車両ズバッカーを開発する。
早川は日本各地を旅しながら、街々を牛耳り、人々を苦しめる暴力団、ヤクザ、そして彼らに雇われた用心棒相手に戦い続ける。
しかし悪人達の卑劣な策略に早川が傷つき倒れ、人々が絶望に陥り諦めかけたその時、どこからともなくズバッカーの轟音が響き、颯爽と赤いスーツの男が現れる。
「ズバッと参上! ズバッと解決! 人呼んでさすらいのヒーロー!! 快傑ズッバァァァット!!!!」
彼こそ、早川がズバットスーツを装着したもうひとつの姿、「快傑ズバット」だ。
ズバットの活躍により用心棒と組織のボスは倒される。
しかし、この街にも飛鳥を殺した犯人はいなかった。
警察が現場に赴く時には昏倒するボスの胸に一枚「この者 極悪殺人犯人」のカードが残されるのみ。
早川は今日も飛鳥殺しの犯人を捜して街を去るのである……。
ズバッと解説!
『仮面ライダー』で知られる石ノ森章太郎氏原作の特撮ヒーローのひとつであり、『仮面ライダーV3』『秘密戦隊ゴレンジャー』などで知られるヒーロー俳優・宮内洋の代表作とも言える作品。ぶっ飛んだ内容と異様な雰囲気からマニアックな人気を獲得した東映カルトヒーロー作品の雄である。
特徴を箇条書きにすると、
- 基本的に毎話構成は同じ(俗に言う“お約束”なストーリー)ながら、脚本家・長坂秀佳氏による重厚なドラマ。
- 宮内氏演じる早川健のキザで格好付けな強烈なキャラクター。
- 毎話登場する各組織の用心棒(拳銃の早撃ち、居合い、ナイフ投げといったオーソドックスなものから尺八ボウガン、トランペット吹き矢のような怪しい物まで様々)に対し「○○の名人××、ただしその腕前日本じゃあ二番目だ」と見得を切り、日本一の技を見せ付けると言うトンでもな展開。
- 鞭を振り回し、戦闘員を放り投げ、敵のボスを締め上げる痛快なアクション。
- 一般的な特撮ヒーローとは違い、敵は怪人や怪獣などではなく、あくまで普通の人間である為、戦闘は基本ズバットのワンサイドゲーム(むしろ拷問に近い)であるものの、敵のボス達は、それが可哀想に見えないどころかむしろ爽快ささえ感じさせるほどの悪人揃い(人を痛めつけ、苦しめる事になんら罪悪感を感じないどころかそれを楽しむ。毎話ほぼ必ず最低一人は誰かを殺す。男性ゲスト、更には女性ゲストにとどまらず子供さえ爆殺する事も。珍しく死人が出なかった話ではカードの言葉が「殺人未遂犯人」となっていた)。
- そして戦闘の最後にはボスを鞭で締め上げ「2月2日、飛鳥五郎と言う男を殺したのは貴様だな!?」と問い詰め、犯人ではないと分かると必殺技・ズバットアタックで叩きのめす。
- 番組後半では、この時に2月2日のアリバイをボスが語りだすパターンが定着した。
このように際だった個性を放っているため、良くも悪くも未だにファンの心をガッチリ掴んで離さない異色作である。
視聴率は高かったものの、スポンサーだったタカトクトイスが関連玩具の売上不振を理由に降板した事により、打ち切りとなった。
よく調べてみると、主な視聴者層が大学生だったことが判明。しかも、当時の東京12チャンネルは系列局がなく、よそのテレビ局の系列局に放送してもらっていた(例えば東海三県ではTBS系列局、近畿地方と福岡県ではフジテレビ系列局、北海道では日本テレビ系列局)、くらいならまだしも、放送自体無かった県も存在した。
また、俳優の及川光博が本作の大ファンとして有名で、2015年3月7日に日本テレビ系列局ほかで放送された『嵐にしやがれ』にゲストとして出演した際、MCの嵐に本作の概要とその魅力を語っていた他、かの美空ひばりが子息と共に視聴していたようで、この作品が渡り鳥シリーズのオマージュであった事を見抜かれていたと宮内洋氏は語っている。
日本一の装備品
ズバットスーツ
専用のヘルメットとそろいになっている赤いパワードスーツ。着用者の体力を増幅し、防御力も高める。これを着ればジャンプ力は高さ400m、最高走行速度はなんとマッハ7!
ただしタイムリミットがある。5分を過ぎると着用者もろとも爆発してしまうのである(倍力機構の暴走であろうか)。5分経つ前にスイッチを切れば良いのだが、その場合は「鉛のように重い動きづらい服」になってしまう。
早川はこのタイムリミットを無くそうと努力していたが、本職の科学者ではないためか、最後まで解消する事はできなかった。
但し、早川は別にズバットスーツを装着しなくても超人的な能力を持つことが度々描写されているため、ネタで「時間制限のあるズバットスーツは悪人へのハンデ」と言われることもある。
冗談みたいだが、この冗談がある意味説得力を持つくらい早川はスゴい奴として描かれているのである。
劇中では人間の犯罪者相手に使われていたが、ジェネラルシャドウといった人ならざる怪人相手でも戦えるようである。なにせスーツの性能以前に早川が日本一の男だからである。
必殺技は敵に急降下キックする「ズバットアタック」。
Z剣
十字型の短剣。敵を突き刺す事が出来、切っ先から鞭を伸ばす事が可能。またこの鞭は厚さ20センチの鋼鉄板を切り裂く事が可能という恐ろしい武器である。日本一である早川の手に掛かれば、敵のマシンガンを全弾撃ち落とす事だって可能なのである。
必殺技は敵を鞭に巻きつけて何度も地面に叩きつける「天地返し」。『レッツゴー仮面ライダー』では、赤く光らせた鞭で敵をZ字に切り裂く新技「ズバットビュート」を披露した。
ズバッカー
赤白黒の3色に塗り分けられた専用車。「フライトスイッチ・オン!」によって翼を展開し、空を飛ぶことが可能。
タグに関する注意
単に ズバット とするとゲーム『ポケットモンスターシリーズ』のモンスターも検索されてしまう。よって 快傑ズバット とフルで書くのが望ましい。ちなみにそのズバットの名前の由来がこの作品であったりする。
また「怪傑ズバット」は誤字であるので注意されたい。
その関連イラスト、日本じゃぁ二番目だ
関連タグ
仮面ライダーアクセル:どちらかというとV3のリスペクトキャラクターなのだが、全身真っ赤で頭にアルファベットの意匠がある点ではズバット寄り。
快傑のーてんき - ダイコンフィルム(後のガイナックス)が制作したパロディ作品。主演の早川健は武田康廣、飛鳥五郎を岡田斗司夫が演じた。
魔進戦隊キラメイジャー - スーパー戦隊シリーズでキャッチコピーが「キラっと参上! カラッと解決!」と似ている。そう言った事もあってか、ヤフートレンドで唐突な快傑ズバットがトレンド入りしたのである。