概要
『MOTHER』と『MOTHER2 ギーグの逆襲』に登場するメロディ。両者共全く異なる旋律で構成された楽曲として2曲存在し、ゲーム中に存在する趣旨もまた異なっている。
ただし、どちらにおいても主人公達に冒険の鍵となる大きな力を与えるという点については共通している。
名前通り8つの音のフレーズから構成される曲で、本編中に全ての音を集めなければならない。また、『MOTHERシリーズ』を代表する名曲としても知られており、本編では奏でられない旋律を併せた上で2作品でのED曲にも使用されている。
『MOTHER』のエイトメロディーズ
◆いつか きっと
おもいだして うたえるはず・・・・
◆あのうたを うたえたときに
そう・・・・なにかが おこるの。
本作では、冒険の行く先々で出会う様々な物や生き物が所有している。
メロディ
1.人形
ニンテンの家にあるキューピー人形。中に隠されたオルゴールがメロディを奏でる。
2.カナリアのローラ
『カナリア村』に住む♀のカナリアで、ヒナを渡す事でメロディを歌ってくれる。
3.サル
『シュークリーム動物園』の名物である歌う猿。
4.ピアノ
幽霊屋敷の最奥部にあるピアノで、ひとりでにメロディを奏でる。
5.サボテン
『アドベント砂漠』の何処かで佇む顔のあるサボテン。『テレパシー』を使う事でメロディを受け取れる。
6.ドラゴン
『マジカント』の『地下大河』に住むドラゴン。メロディの書かれた楽譜を守っているが、戦闘に勝利すると楽譜を見せてくれる。
なお、ニンテンのレベルが25以上無いとチェックをしても戦ってくれないので、もしそのレベルより低い場合は後回しにする事も出来る。
7.イヴ
主人公の曾祖父が遺した大きなロボット。内蔵されたメモリーチップが途切れ途切れにメロディを流す。
8.クイーンマリー(FC版)/XX岩(海外・GBA版)
幻想の国『マジカント』を治める女王。FC版では上記7つのメロディを集めた瞬間に彼女の元へ呼び出され、その流れで最後のメロディを習得出来る。
一方、海外版とGBA版では『ホーリーローリーマウンテン』の頂上にある岩に変更されており、習得した瞬間にHPとPPを全回復する事が出来る。
作中での展開
ピンクの法螺貝から『マジカント』に辿り着いたニンテンは、北側にそびえ立つ城で女王・クイーンマリーと出会った。そこで、彼女が長い間とある歌を思い出せずに悩んでいる事を知った彼は、これから出会う仲間達と一緒に残りのメロディを集める事を決意する。
なお、町はずれの一軒家に住むギター弾きは全てのメロディの在り処を示唆する歌を知ってか知らずか、自ら作詞作曲した歌をニンテン達に聴かせてくれる↓
キューピーにんぎょう なぜなくの
それは カナリアが なくからよ
サルが うたえば ピアノもうたう
ピアノは おばけが ひくのかな
さばくのサボテン さみしそう
ひとりで よなよな うたってる
ドラゴンたおれて おんぷがのこる
イヴが さいごに うたうとき
クイーンマリーに じかんが もどる ※
ラララ ふしぎなララバイよ
ララバイ バイバイ さようなら
※GBA版では習得場所が異なる為、この部分が変更されている。
『MOTHER2』のエイトメロディーズ
◆このちきゅうには
おまえのパワーを ゆりおこし
つよめてくれる・・・
◆「おまえだけのばしょ」が
8かしょある。
そこを すべて おとずれるのだ。
本作では、本編でネスが訪れるおまえのばしょと呼ばれる8つのパワースポットに秘められている。
メロディ
1.ジャイアントステップ
『オネット』の南西で、大きな足跡のある場所。
2.リリパットステップ
『ハッピーハッピー村』の東で、小さな無数の足跡が付けられた場所。
3.ミルキーウェル
『サターンバレー』の東で、ミルクのような水が無限に湧き出る泉。
4.レイニーサークル
『ウィンターズ』の南で、絶えず雨が降る場所。
5.マグネットヒル
『フォーサイド』の北東で、強力な磁力を発する場所。
6.ピンククラウド
『ランマ』の南西にある洞窟の最上階で、乗る事が出来る桃色の雲。
7.ルミネホール
『グミ族の村』から地下にある洞窟の最深部で、人の心を文字として映す光苔が繁殖している。
8.ファイアスプリング
『地下大陸』南西にある洞窟の最上階で、マグマを噴出する小さな火山。
作中での展開
本編の序盤にブンブーンから『おとのいし』を託されたネスは、仲間達と共に各地の『おまえのばしょ』へ向かい、そこで待ち構えているボスを倒し目的地に辿り着く事でメロディを記録する展開となっている。前作と同様に、メロディを集める順序に決まりは無い為ゲーム進行上の都合で入手しなければ先に進めない場合を除けば本編の合間に取得していく事になる。
本作のメロディは実際に何かで奏でられている物は存在せず、ネスの脳裏だけに古い回想と共に直接蘇るようになっている。実際に何処まで集めたか確かめたい場合は、彼が額に『おとのいし』を当てて意識を集中する事でいつでも聴く事が出来る。
また、メロディ集めと言うよりはパワースポット巡りの要素が強く、メロディの存在意義もあくまで精神的な存在に過ぎないが......。
なお、本作では『地底大陸』にそびえる1つの岩がメロディの在り処を教えてくれる。
※この先は、本編に関する重大なネタバレが含まれております。閲覧の際には充分ご注意下さい。
メロディの真実 (ネタバレ注意)
MOTHER
◆あぁ・・・・ギーグ・・・・
◆ほんとうの こどものように
かわいがったのに・・・・
◆しっぽを ふってた
赤ちゃんだった・・・・
こもりうたを・・・・でも・・・・
本編の終盤で、クイーンマリーの正体は1900年代に宇宙人に誘拐されたニンテンの曾祖母・マリアである事、そして彼女が忘れていた歌はかつて幼いギーグに聞かせた子守歌である事が明らかになった。この歌はギーグにとっては育ての母であるマリアとの思い出を象徴するものでもあり、圧倒的に強大な力を持つ彼にとっての唯一の弱点でもあった。
何故分割された状態であらゆる場所に隠されていたのかは不明だが、イヴの中の『メモリーチップ』にも旋律が隠されていた点から推測すると、メロディの分割などは彼女の夫・ジョージがギーグに悟られないように図ったとも推測できる。
また、オリジナル版ではギーグの弱点が歌である理由が曖昧にしか示されなかったが、海外版のテキストではギーグは幼い頃からこの歌をなぜか苦手としていると明確に明かされている。
ニンテン達が各地で集めたメロディを聞いたクイーンマリーは、生前の自分自身を思い出し全ての真実を彼らに打ち明けた後、夫が待つ天国へ向かい、『マジカント』と共に風のように掻き消えてしまう。そしてマジカントが彼女の意思が作り出した幻であった事も明らかになる。
◆きこえたかい?
MOTHER2
◆このこも おまえににて
ガンバリやになるんだろうなぁ。
◆えらいひとや おかねもちに
ならなくてもいいけど・・・・
◆おもいやりのある
つよいこに そだってほしいわ。
本作のメロディはネスの成長の物語がメインとなっている。本編では、彼が各地のパワースポットで自らの出生から幼き日の自我の芽生えまでを垣間見ており、それと同時にメロディの断片を聴いていった。
そして、『おとのいし』が8つ全てのメロディを記録した時、ネスは幼い頃の記憶を経て『マジカント』へ導かれた。今作の『マジカント』は前作と異なり、彼自身が作り出した心の世界となっている(同時に、『おとのいし』で全ての旋律を聴く事が出来るのはこの場所のみとなっている)。
そこでは身近にあった物や思い出に残る物、ママ、 妹のトレーシー、ポーキーなど今まで過ごして来た人生に大きく影響を与えてきたと思われる人物達が暮らしていた。彼らとの話を通して、ネスは『マジカント』の中心部に宇宙の心理に触れられる『エデンの海』という場所がある事、更にその最奥部で待ち構えているネスの悪魔を倒さなければならない事を知る。
そして、一騎打ちの末に悪魔に打ち勝った後パワースポットの力から莫大な経験値がもたらされ、ネスを通常のレベルアップとは比較にならない程飛躍的にパワーアップさせる(また、以後のレベルアップによる成長も大きくなる)。
◆さぁ めを さましても いいぞ。
なかまが まっている。
さぁ めを さますんだ。
余談
- 『エイトメロディーズ』と言えば、主に『MOTHER』の楽曲を示している事が多い。ニコニコ大百科など一部の場において、同楽曲は国歌を超える歌と言う意味から"星歌"と呼称されている。
- ただし、これは小説版『MOTHER』で使用されていたかなりマニアックな呼称である。
- 1992年に、小学課程の音楽用教材として教育出版株式会社から発行された教科書『音楽 6』では、“楽しい合奏"として『MOTHER』の『Eight Melodies』の楽譜が収録されている。
- なお、英語の歌詞は収録されていない。
関連動画
MOTHER
原曲
- 『Eight Melodies』
本作のED&FC版のスタッフロールのBGM。後半には、今作のタイトル画面及びプロローグ『MOTHER EARTH』のフレーズが織り込まれている。
アレンジ版
作詞:リンダ・ヘンリック
編曲:マイケル・ナイマン
歌:セント・ポール大聖堂聖歌隊
『MOTHER オリジナル・サウンド・トラック』に収録されたボーカルアレンジ版。本作のCMでも使用されている。
- 『Eight Melodies』
『MOTHER 1+2 オリジナル サウンドトラック』に収録されたアレンジ版。
MOTHER2
原曲
- 『A Flash of Memory』
『MOTHER2』で『おとのいし』がメロディを記録した時のBGM。サントラには未収録の為、正式な日本語版の曲名は不明。
- 『エイトメロディーズ(記憶の底に)』
作曲:田中宏和
全てのメロディが揃い、ネスが幼い頃の記憶の世界に辿り着いた時のBGM。
- 『スマイルズ・アンド・ティアーズ』
作曲・編曲:鈴木慶一&田中宏和
本作のED&スタッフロール曲。正式名称は『SMILES and TEARS』だが、表記については公式でも英語や全文片仮名だったりとまちまちな設定となっている。
ただし、スペルが『SMILES』なのは正式である事から読みや表記は『スマイルズ』が正しい。その為、『スマイル アンド ティアーズ』という読みや表記のタイトルに関しては完全な誤りである。
アレンジ版
- 『Smiles And Tears (Demo Track)』
『MOTHER オリジナル・サウンド・トラック』のデジタルリマスター版に収録されたアレンジ版。
- 『Smiles And Tears』
『MOTHER 1+2 オリジナル サウンドトラック』に収録されたアレンジ版。
- 『SMILES and TEARS 2010』(2010年)
歌詞:糸井重里
歌:やくしまるえつこ
鈴木慶一のアルバム『Keiichi Suzuki:Music for Films and Games/Original Soundtracks』に、特別トラックとして収録されている。
参考楽曲
- 『Give Peace a Chance』(1969年)
『ビートルズ』のジョン・レノンがリリースした楽曲で、彼のソロデビュー曲。日本では『平和を我等に』として発売された。
『おとのいし』のバックで鳴っているパーカッションは、本楽曲からサンプリングした物が使用されている。
その他
MOTHER3
- 『16メロディーズ(はじまり)』
作曲:酒井省吾
『MOTHER3』のED&スタッフロールのBGM。楽曲中に『MOTHER』と『MOTHER2』の『エイトメロディーズ』が織り込まれている。
- 『16Melodies(始まり)』
作曲:酒井省吾
『MOTHER3+』に収録された同楽曲のアレンジ版。暫くは原曲と同じだが、途中から新たなアレンジを施された前2作のメロディのフレーズが流れる。
スマブラシリーズ
- 『マザー』(DX)
- 『MOTHER (DX)』(X)
- 『オネット』(WiiU)
- 『Bein' Friends』(SP)
編曲:酒井省吾
『Bein' Friends』→『Eight Melodies』→『MOTHER Earth』→戦闘開始BGMのアレンジメドレー。
- 『マジカント/エイトメロディーズ(MOTHER)』(3DS・WiiU)
- 『マジカント【for】』(SP)
編曲:下村陽子
『マジカント』→『Eight Melodies』のアレンジメドレー。
- 『マザー2』(DX)
- 『フォーサイド 【DX】』(SP)
編曲:安藤浩和
『フォーサイド』→『エイトメロディーズ』のメドレー。
- 『スマイルズ アンド ティアーズ』(3DS・WiiU/SP)
編曲:峰岸透
同題のアレンジ版。中盤で1小節おきに『MOTHER』の『Eight Melodies』が裏で流れている。
- 『ネス勝利』(初代)
勝利した時のファンファーレ。『MOTHER2』の『エイトメロディーズ』で5番目〜8番目のメロディのアレンジ版となっている。
- 『ネス勝利』(DX)
勝利した時のファンファーレ。使用されているパートは前作と同じだが、音階が変わっている。
- 『EIGHT MELODIES』(SP)
ネスまたはリュカが勝利した時のファンファーレ。『MOTHER』の『Eighr Melodies』で7番目と8番目のメロディのアレンジ版となっている。
その他
- 『北海道日本ハムファイターズ・今浪隆博応援歌』
北海道日本ハムファイターズの私設応援団が冒頭のフレーズをアレンジし、古城茂幸→今浪隆博の応援歌として使用していた。